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1-1話 冒険者認定試験

 冒険者。

 それは、ダンジョンを探索してお宝をみつけたり、強力な魔物を討伐して報酬を得たり、冒険を生業とする生き方。

 俺、スタン・トラヴェリアは10年ほど前に行方不明になった父さんや母さんみたいに有名な冒険者になるのが目標だ。

 

 冒険者になるには16歳以上であること、冒険者協会にその能力を認められ冒険者としての登録を許可される事。

 この2つを満たす必要がある。

 ちなみに俺は今日16歳になった。


 なので、冒険者協会に冒険者と認められれば晴れて冒険者となれる。

 どうすれば冒険者協会に冒険者として認められるのかというと、冒険者協会が指定するミッション『冒険者認定試験』を達成すればいい。

 そういうわけで、俺は今、冒険者認定試験を受けミッション内容を達成するため、監督役の冒険者であり師匠のリンドーと一緒にダンジョンに来ている。

 

 もうちょっと詳しく説明すると、ミッション内容の一つである『ヤジリモグラの爪』を集めている最中だ。

 こいつら、モグラって名前なのに寝るとき以外は地上に居て活発に活動するタイプの魔物で結構すばしっこい。

 おかげさまでさっきから林の中を、縦横無尽にヤジリモグラ2頭と追いかけっこしている。


「でやぁ!!」


 ブンと俺は愛用の片手剣を前を走るヤジリモグラに振り下ろす。

 しかし、ヤジリモグラはそれをヒョイッと右にステップして事も無げにかわしてしまう。

 さっきからこれの繰り返しで埒が明かない。

 

「仕方ないな。やっぱりスキル使って片付けよう。」

 

 これから俺が使うスキルは、両手剣(大剣)・片手剣・刺突剣・双剣・刀で使えるスキルの基本中の基本、スラッシュという攻撃スキルだ。

 スキルは、体内に流れている4種類の魔力のいずれかを使用して発動する。

 俺は片手剣を握る手に力を込め、体術系のスキルで使う魔力のエーテルが俺の手を伝って剣に流れるようにイメージする。


 スラッシュは剣に魔力を込めて攻撃力を上げると同時に身体能力も上昇させてくれる。

 その効果で俺は前を行くヤジリモグラの速度を超えて動き、悠々とヤジリモグラを捉えて背中にスラッシュを叩き込む。


「スラッシュ!!」


 背後からの攻撃をモロに受けたヤジリモグラは、そのまま地面に叩きつけられバウンドする。


「ギャギャ!! ギャァ…ッ。」


 ようやく1匹目を仕留めた。

 倒されたヤジリモグラはボワンと霧が霧散するように消えていく。

 続いて視界の端に捉えておいた二匹目にターゲットを移し、仲間をやられた動揺で動きが止まっているその隙に再度スラッシュを放った。


「もういっちょスラッシュ!!」

「ギャガガガ!! ガッ…。」


 2匹目を仕留めたところで、背後から気配がする。

 やっぱり隠れてやがったか。


「まだ残ってたか…、これで…トドメだ!!」


 飛び掛かってこようとした3体目のヤジリモグラの動きに合わせて、3発目のスラッシュを繰り出しておしまい。

 だいたい3体で行動しているヤジリモグラが2体で出てくること自体怪しいんだよ。

 さて、ドロップはあるかな…?


 倒した魔物の残骸はもう霧散して消えていた。

 ドロップがあれば、その辺にアイテムが落ちているはずなんだけど・・・

 今回は何も見当たらない。


「ドロップなしか。しけてんなぁ~。3発もスラッシュ使ったってのに。」


 残念ながら、もうしばらくヤジリモグラとの追いかけっこは続きそうだ。

 

 

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