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一穂の能力

周は驚愕の表情を浮かべながら、一穂に問いかけた。「何んだって?喜一から基礎の紙の移動と水の増量訓練を受けていないのか?そんなバカな……お前、どうやって霊力で逆立ちしたんだ?理解できん。ん、もしかして喜一は、一穂が最初から……。」ふむふむと考え込む周。


彼は、一穂に実践の基礎訓練を再度行うことを説明した。「わかった。で、何をすればいいの?」基礎の実践という言葉を聞いた一穂は、自信満々に答えた。周も、自分の霊力の使い方に驚かされていた。きっと基礎訓練は楽だろうと思っていたのだが、実際に周が用意したティッシュペーパーは全く動かず、コップの水も波紋を一つも出すことができなかった。


周は心の中で、喜一の先見の明に感謝を贈った。「一穂、残念だがお前って、本当に可愛い奴だね。俺とパートナーになりたいんだろ?」そう言いながら、がっかりして肩を落とす一穂に、周は軽く肩を叩き、優しく尋ねた。


「もちろん。俺はお前がいい。」ため息をつく一穂は、基礎ができない自分を思い、これから慰めてくれるのだろうと考えていた。その瞬間、「合格、俺との相性バッチリだ。」という周の言葉が響き渡った。


「へ?」一穂は、まるで青天の霹靂を受けたように驚いた。何が起こったのか、彼の心は混乱していた。



周は一穂の様子を観察し、彼が基礎的な霊力のコントロールができない理由に疑問を抱いた。実践の基礎訓練は、ただのトレーニングではなく、適正診断の役割も果たしている。おかげで、一穂は物理的に霊力を用いることは困難であったが、直接的な霊力の使用には問題がなかった。彼が前衛を務める際には、その特性が功を奏していた。


だが、なぜ彼が霊力をうまく扱えないのか。周はその疑問に駆られ、教師心が疼き、つい指導してみたくなった。彼はまず、一穂に手を貸すようお願いした。「一穂、ちょっと手を貸せ。」そう言って、一穂の手を優しく取り、何やら調べ始める。


「ん、んん?なんかくすぐったいぞ。周、何してんだ?」一穂は不安そうに問いかける。


周は一穂の体に、自身の霊力を流し込んでいた。「一穂の体に、俺の霊力を流してるんだ。」彼は真剣な眼差しを向けながら、何とか彼の体質を読み取ろうとしていた。


すると、周は気づく。どうやら一穂の霊力、つまり霊気が体から放出されないようにセーブされている様子だった。「一穂、お前、俺に言ってない能力があるだろ。」周は挑発するように問いかける。一穂は一瞬戸惑ったが、やがて真剣な顔で答えた。「ああ、わかった。手を離してもらっていいか?」


周は一穂の手を離したものの、霊気の流れを止めることはしなかった。「俺さ、エンパスなんだよ。」一穂は静かに、しかし自信を持って自己の秘密を明かした。周はその言葉に驚きながらも、彼の内に秘めた力の深さを感じ取った。これまでの彼の様々な行動が、その力に由来することを理解し、新たな道を探る決意が湧いてきたのだった。


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