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短編小説どもの眠り場

雨の日の夢心地

作者: 那須茄子

 春風に吹かれ、雨が後を追ってくる。


 泥に足をとられながらも、昇降口に駆け込む。

 幸い、小雨だったおかげで、それほど濡れずにすんだ。

 

 カチカチと点滅する蛍光灯の灯りを便りに。シューズについた泥を払い、上履きと履き替える。

 廊下を渡れば、校舎内は空と同じでどんよりして暗い。幽霊に取り憑かれるには、相応しいシチュエーションだ。


 階段を上がり、少し廊下を進めば教室はすぐ着く........はずだった。


 僕は動けなくなった

 一瞬で見()れたから。


 窓際に佇む少女がいた。

 一つ一つ落ちていく雨粒を数えるかのように、少女は窓の外に視線を這わす。

 

 暗く染まる廊下のなか。

 その少女の長い髪と虚空をなぞった瞳とが相まり。

 まるで、無機質な死神が生物の生命線を見届けているかようだ。それが、とても美しくて、僕の心臓が激しく脈打つ。苦しいと感じるほどに。


「..いつまで見つめてるつもり?」 


 抑揚の欠けた鈴の音が、僕を捕らえる。

 少女は少しこちらに視線を送り、そしてそっと微笑み出す。


 ──()()()()()()()()()()()


 

 

 

 


 

 

 

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[良い点] オシャレ! [気になる点] 男の子の思い過ごしなんだー [一言] えっちさがなくて良い! 透明なガラス細工のようにピュアな世界観が素敵。 目と目が合ったくらいの出会い、ほんの一瞬の時間,濃…
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