第4話 いらぬ世話ほど、うざいものはない。
次の日から、陸上部の関係性を洗いざらい調べてみることにした。
部員数は、2年生18人と1年生20人の38人。
今回の大会では2年生15人と角田の16人でチームらしい。
そこで抽選にあぶれた3人の2年生をはじめ、
レギュラーに入れなかった1年生の一部が角田のことをよく思っていないらしい。
和賀「それで、バラッチはどうやってこの問題を解決しようとしてるの?」
灰原「まぁ、ひとまず角田を憎んでいると思われる奴らと話してみないとわからないですね。角田には内緒で・・・。」
和賀「なるほどね。私に手伝えることがあれば乗るけどどうする?」
灰原「和賀先輩が手伝ってくれるとなると心強いですがそんなことして大丈夫ですか?陸上部にいづらくなりませんか?」
和賀「あら?私のことも心配してくれるなんてバラッチはもしかして紳士三なのかもしれないね。」
灰原「俺は紳士ですよ。じゃあ、和賀先輩一つお願いが・・・。」
家に帰ると、蒼が自分の部屋にいた。
蒼「あ、お帰りなさい。」
灰原「あぁ、ただいま。」
蒼「お兄ちゃん。これなに?」
灰原「あぁ、担任からもらった時計だよ。」
蒼「なに、お兄ちゃん。担任と付き合ってるの?」
灰原「え?いや、付き合ってないけど?」
蒼「なんだぁ。期待したのに。」
いったいこの妹はどんな期待をしていたのだか・・・。
灰原「あぁ、俺、明日から部活はいるから。」
蒼「へぇ~~~~~~~えぇ!!!」
灰原「そんな驚かなくてもいいだろう。」
次の日の放課後
和賀「えっと、今日から女子陸上部のマネージャーを務めることをお願いした灰原正広君です。」
灰原「よろしくお願いします。」
角田「は?」
そうやってくいついてくるだろうと思ったさ。これが狙いさ。
灰原「角田さんは不満か?」
角田「当たり前でしょ?なんでど素人が?」
灰原「よし、いいだろう。角田さん、俺と陸上で競おうよ。それで、俺が勝てば残留して、角田は今回の大会出場をあきらめてもらう。俺が負ければ、今後俺は角田さんの目の前に現れないことをちかうよ。」
和賀「ちょ、バラッチ?そんなの聞いてないよ。」
角田「ばかばかしい、やらないわ。こんなの。」
そうだろう。くだらないと思われると思ったさ。
次はこの手だ。
灰原「それじゃ、俺の勝ちでいいかい?二年生の先輩たちの出場枠がまたできたことになるけど。」
和賀「バラッチ?」
角田「わかったわ。やるわ。この、トラックを25周して1周でもタイム差で1秒以上離した方が勝ちということにしましょう。」
灰原「あぁ、それでいいよ。」
和賀「ねぇ、バラッチ。勝てるわけないよ。謝ったら?」
灰原「あぁ、大丈夫ですよ。勝つ気なんてありません。」
???「ねぇ、灰原君。私たちも入っていい?」
そこには、二年生の黒澤、直江、風間がいた。
そう俺の狙いは、この三人に角田と陸上で戦ってもらいたいだけである。