第2話 いつかの約束は、脅しの道具となる。
なんだかんだで面倒な仕事だということぐらいわかっている。
しかし、あんなものを提供されたら無理だろう。
誰だって、1個100万相当のものを出されたらやらざるを得ない。
そして今、めちゃくちゃあの時の自分に腹を立てている。
灰原「まぁ、もう遅いかぁ。じゃあ、陸上部にでも行こう。」
うちの学校は部活動が活発で埼玉県内でも有数のスポーツ校である。
サッカーも野球も男子は優勝を繰り返している。
まぁ、俺には何も関係ないことである。
???「うん?君どうしたの?部活動見学?男子は向こうにいるけど?」
灰原「あ、いえ、人を探していまして・・・。」
???「あぁ、人探し?君って探偵なの?」
灰原「いえ、探偵ではなくて雑用です。」
???「それでそれで?」
灰原「角田さんっていますか?角田忍舞さん。」
???「あぁ、シノならあそこにいるよ。君名前は?」
灰原「灰原です。灰原正広。」
???「バラッチね。呼んでくるよ。ちょっと待っててくれる?」
灰原「はい。よろしくお願いします。」
なんだ?あの人。この短時間で俺の情報何個聞き出していったんだ?
???「おーい、バラッチ。連れてきたよ。ごゆっくり。」
角田は俺の顔を見るたび「こっちに来て」といって裏門の奥まで行った。
角田「どういうつもり?私があんたみたいなカースト最下位に呼ばれなきゃいけないのよ?」
おっとー。角田ってこんな奴だったっけ?
クラスでも部活でも中心にいるけど、いつも黙って何かをしてたやん。
こんなに短時間で暴言履かれるとは思ってなかったぜ・・・。
灰原「ふふ、たしかに、俺はカースト最下位だ。しかし、俺は角田と話さなければならないからここまで来たのである。」
角田「何きもいんだけど?」
灰原「ごめんなさい。・・・。冗談はさておき・・・。角田、何か悩みとかないか?相談に乗るから話してくれないか?」
角田「はぁ?あんた、どういうつもり?マジで意味わかんない。帰って。練習に戻るわ。貴重な時間が無くなったわ。」
灰原「俺は、角田のことを一ミリも思ったことがないが、お前の担任でもある俺の担任の先生様が聞いて来いと言ったんだ。」
角田「あっそ、悩みなんてありませんでしたって言っておいてね。あと、ここで話したこととか、誰にも言わないで。私の生活に支障をきたすから・・・。」
灰原「明日も来るから、話したくなったら来てくれ。」
初日の成果としては「優秀」であろう。
あとは、しつこくいや、粘り強く罵倒されながら行くことだな。
まぁ、報告しに行くか。
さっきのことを洗いざらい話して置いた。
すると彼女は「灰原にしたらいい出来ではないか。これをやろう。『No.002 ロシアンブルーの涙』というそうだ。」と二つ目の時計もくれた。