表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

陽介

作者: 茶呉耶

「いただきまーす!」

その声が家の中を縦横無尽に響き渡る。

我が家の朝ご飯は一家の長男・陽介の大きい声で始まりを告げていた。

我が家は辺鄙な田舎町にあるので、どんなに大きな声を上げても怒られることは無かった。

むしろ家族はその大声を毎朝楽しみにして、食事の準備をしていた。

陽介は虫取りや冒険が好きな元気な少年だった。

でも陽介の「いただきまーす!」の声は日に日に小さくなっていった。

最近だと寧ろその陽介の声は無く、家庭は無言のまま朝ご飯を迎えることが多い。

ここ数日は朝ご飯すらも一緒に食べることをしなくなってしまった。

夫は朝になっても帰ってこなくなり、

次第に陽介のその声が聞こえなくなってしまったからだ。

今、聞こえるのは夫の怒鳴り声。

それに怯える娘の悲鳴。

そしてその二人を支えなければならない私。

どうしてこんなことになってしまったの。

どうして陽介は「いただきます」を言ってくれなくなったの。

ねえ、戻ってきてよ。

陽介。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ