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5:大変な日だ!(3)

「できたかな、鎧」


「できてなかったら、あの鍛冶屋のけだまを糸に解体する」


「・・・・」


「禿に戻すってこと」


「ああ・・・・いいね」


加工場に鍛冶屋の少年が入ってきた。


「できたって!!すぐに来なよ!!」


「おお、行くか!!すぐにできたな!!おはよう!!」


鍛冶屋につくと、妙な鳴き声が聞こえた。


「おう、マジかよ」


「どうした?」


「俺の鎧が竜の唸り声を・・・・・」


「それじゃまるで伝説の・・・」


「ぼくのお父さんだね!」


「・・・・」


やっときたか・・・、とトムが起き上がる。


「やっとできたか!・・・・人の鎧を布団にするな!!」


「うぉ・・・・つい、だって、もう・・・夜中だろ」


「そうですね!おはよう!!!」


「すいません、彼はちょっと・・・・いろいろあって」


「え?」


「いろいろ・・・だから・・・・俺は別れた!!!!」


「落ち着け、とにかく、これが注文の鎧だ」


俺はブラックドラゴンの革の鎧を身に着けた。


胸の部分、肩、膝、肘は鉄でガードされている。


正直、ガードは騎士のものに比べれば最低だが、


弓を使うならこれくらいじゃないと、無理だろう?、とのことで、こうなっている。


「まぁ、正しいね。で、弓は?」


「ああ、これも作ったが・・・こんな大きくていいのか?お前の身長の1.5倍はあるぞ?この素材は通常の弓よりも弾くのが大変だし、大丈夫なのか?持ち運びも大変だろう」


「使うときだけ弦を張る。大事なのはその棒だ」


「・・・お前、あほ?」


「・・・・かもね」


「やぁ」


「でも、弓は弾けるのか?その腕で」


「実は今朝、呪いが完全に解けて、元に戻ったんだ」


「お~!!まじか!!もっと早く言えよ」


「そうだな・・・・・今朝、から一緒にいたし、お前のボタンも止めてやったろ!!」


鎧に着替え、後ろのベルトに加工ナイフを括り付ける。短剣よりも少し大きく、刀よりも小さいサイズだ。小さい魔物には使いにくいが、万能さを考えるとこれが一番バランスがいい。


薄い紅色のマントを受け取り、装着すると、


「・・・・お前・・・イカすじゃん?」


「だろ!!」


「ああ・・・・・そして、ちょっと、ダサい」


俺とロスは最後の挨拶をすますために副領主がいる騎士団の駐屯所にむかった。


「おお、ロス、ゼロ。準備は終わったようだな」


「ええ」「完璧です」


「・・・そうみたいだな」



おそろいの薄紅マントはちょっと、ダサいが・・・まぁ、ゲイのカップルっぽくて任務に集中できそうだ、と小声で副領主が騎士に話した。


「まじ?」


それより、と副領主。


「もしよかったら、少しだけ手合わせをしてみないか、ゼロ」


「え?」


「ロスとのコンビネーションも必要だろう。その訓練だ」


「出発寸前ですが・・・・わかりました、よっしゃ」


俺たちは騎士団から少し離れたところで作戦を練った。


「じゃあ、始めてくれ!!」


新米騎士4人との戦いだ。


騎士であるロスが先に出た。


騎士という職業は手堅く戦うことを得意とする。


彼は俺の前に立ち、大きな両手剣を構えた。


はっ、と少しの呼吸とともに、新米騎士四人がロスに迫る。


しかし、彼は全く焦らない。


騎士というこの職業は、戦闘職のなかでも理想形と言えるものだ。守りもよし、攻撃もよし、彼は、騎士の攻撃をいなしつつ、うまく立ち回った。

新米騎士が、彼が本気で立ち回り守りに入った時点でこれを崩すのは不可能だろう。

そして、


シュッと、風を切る音と共に、騎士たちに弓が当たっていく。


「なんという正確な弓術だ。かれはなぜ今まで加工屋を?」


騎士たちはが頭の鎧に当たった衝撃で、よろつく。その時点で、ロスの剣の餌食となり、一人、また一人と吹き飛ばされていく。


あいつも十分化けものですけどね、と団長。


「あいつで最後・・・か。あっけないな」


「負けるかぁ!!!」


騎士の一人が砂を投げ、刀を振るった。すると、刀はよろけたロスに直撃した。


ぐぅ、と声が聞こえ、ロスが膝をつく。


「膝をついたら、終わりです」


「ごほっ、まだ片膝だ!」


「両ひざにしてやりますよ!!」


しかし、再び彼の攻撃が振るわれることはなかった。


「こっちの方が早い!」


彼の鎧が砕け落ち、顔の横すれすれを砕いた弓は、壁に突き刺さっていた。


やっぱ、こいつらの価値ですね、と団長。


「これくらい、やってもらわなきゃ困るよ」


副領主は俺たちに袋を投げた。


「これは?」


「100万はある。大事に使えよ」


「そんな、村の税金でしょう?」


「私のポケットマネーだ。この際仕方ない」


「副領主様・・・・・」


「さ、行った!!必ず帰って来いよ!」


「はい」「よし!!」


そして、俺たちの旅は始まった。


「それとロス!」


「はい?」


「ちゃんと任務を果たして帰ってこなかったら、その年で100万の借金だぞ」


「・・・・やったぁ!」


そして・・・・俺たちの旅は始まったのだった。


「ちょっと待って・・・・やっぱ、あの本は必要だ!!!」


「お前!!!!大賛成だよ!!」


こうして!



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