第4話 昨日の朝チュンは今日の忍者??
お待たせしました。第4話です。
第1話を少し追加しました。1行だけですが。
「チュン、チューン?」
「チュチューン。」
「チュチュチュン。」
3匹の鳥が、窓の外で鳴いている。
朝日がとても眩しい。
あぁ、いい朝だ。とってもいい朝だ……。
誰かさんが、こんな事しなかったならな。
「はぁうーん、ほほーう。」
「頼む……、頼むから早く離れてくれ。」
そう、俺の問題はコイツ。
俺の上に寝ているコイツ。
『魔王』さん。あなたはどうして『魔王』なの?
「うははーん、だあいふひ。」
「あぁー、誰かー。爺さんでもいいぞー、来てくれー。」
投げやりに叫ぶ。
カナタの悲痛な声が響く。
もちろん、誰にも届かない……、はずだ。
「お助けしましょうかー?まぁ、条件つきですけど。」
「は??」
今、声がしたな。
どこからだ、どこからなんだ。
カナタの周りに、いる様子はない。
「あ、気づいてませんか?上ですよー、上にいますよー。」
「ん。」
「へへ、こーんにーちはー。」
そこにいたのは、忍者のような女の子。
短い青髪を揺らしながら、こちらを見ている。
そう、天井から。
「よぉっと。」
「誰だお前は!どうやって侵入してきた!」
「へへ、簡単だよー。だって、マスターキーを取ってくればいいだけだもんっ。」
「取ってきた?忍法じゃなくて?」
「どうでしょ。すごいでしょ。」
「お前、忍者だよな?」
「忍者って……、何ですか?」
「知らないのか?」
「うん。だって、『お姉さん』に習ったんだもん。」
ちょっと残念そうなカナタくん。
しかし、この状況でそんな甘い考えは許されない。
忍者じゃなかったとしても、侵入してきたことに理由があるはずだ。
そう、カナタは確信していた。
「なぁ、どうしてそんなこと言うんだ?何か理由があるのか?」
「理由って?ただ侵入してみただけだよ。」
「嘘つきは、泥棒の元だぞ。」
「ん?ルから始まる怪盗じゃなくて?」
「なんで知ってるんだよ!リアに続いてお前もかよ!」
「まぁいいじゃん。それより、助けなくていいの?」
「あぁ、助けてくれ。条件の方は、できる限りの事にしてくれよ。」
「はぁい。」
すんなりと要求を受け入れてくれた。
コイツ、本当に興味本位なんだな。
じゃあ、一体何なんだ。
「ふぅ、助かった。サンキューな、忍者さん。」
「忍者さんは止めてくださいよー。私、ティンって言います。よろしくですー。」
「俺は御影カナタだ。こちらこそ、よろしくな。」
2人は握手する。
お互いの正体が少しはっきりしたためか、何だか和やかな雰囲気だ。
改めて条件を聞こうと、カナタは質問を始めた。
「さて。俺も助かったところで、条件ってやつを聞こうじゃないか。」
「そうですねー。単刀直入に言っちゃってもいいですか?」
「何でもいい。とにかく言ってみろ。」
「はい。私、ある人を探してるんですけど。一緒に探してもらう事って、大丈夫ですかね?」
「何だ、人探しか。お安い御用だ。」
「へへ。『勇者』さんなら、そう言ってくれると思ってました。」
「そうか。期待を裏切らなくて、良かったよ。」
「そうですねー。改めて、これからよろしくですっ。」
「あぁ、そうか。お前も一緒に来るって事だな。」
「はい。」
「じゃあ、コイツも含めて自己紹介し直しだな。」
新しい仲間として、そして、依頼人として。
ティンという、頼りになる仲間が加わったのだ。
新しい仲間も悪くないと、カナタは思っていた。
この3人の共通点を、知るまでは……。
最後の文、まだ何も判明してないです。
だんだんと、分かるようにしていこうと思っています。
ちなみに、鳥は下記のように喋っています。
「これって、朝チュン?」
「うんそう。」
「朝チューン。」