第3話 昨日のUMAは今日の晩餐??
少しばかり間が空いてしまいました。すみません。
爺さんの話によると、俺たちはやっぱり召喚されたらしい。
しかもそれは、たった1回で1万人以上の人数を必要とするそうだ。
ラッキーな爺さんだ。たった1回で、2人も『勇者』を召喚できるなんてな。
だが、人選を間違ったことだけは残念だな。
さて、爺さんの言ったことをざっとまとめるか。
・この世界には、名前がないらしい。(まあ、世界は世界ってことだな。)
・この世界では現在、『魔王』と呼ばれる存在が一部を支配しているらしい。しかも、『魔王』は1人じゃない。(リアがキレた。ものすごくキレた。)
・古い文献によると、こうなった時は『勇者』を呼ぶべきらしい。(まあ、よくあるパターンだな。)
・爺さんたちは、今回の召喚が初めて。帰る方法は謎。(お約束だな。だが、初めてなのは許せん。)
以上のことが分かった。やっぱ、情報をもっと確保しねぇとな。
この世界での常識なんて知らねぇし……。
「ねぇ、これからどうすんのよ。」
カナタが1人で考えていると、リアが急に話しかけてきた。
その声には、少しばかり緊張と不安が混じっている。
「これから……か。リア、お前はどうしたいんだよ。」
「そうねぇ。私もまだ、分からないわ。」
「それなら、冒険者になってみてはいかがでしょうか?」
「おい爺さん。確かにそうだが、お前が言うべきことじゃない。」
「そうよ。それが理由で召喚されたんでしょ。」
ここぞとばかりに、リアも反撃する。
っていうか、分からないんじゃなかったのかよ!
「それよりもさ。あなた、大事なこと忘れてない?」
「はて、何でしょうか?」
「何ってどうゆうこと?」
「い、いえ。決してそのような意味では……。」
「まぁ、今回だけは教えてあげる。あのね、私たちの『衣食住』はどうするつもり?」
あ、リアがまともな事を。
でも、この流れは……。
「あ……。」
「……まさか、考えてなかった?」
「いえ、分かっております。……おい、食事の準備を頼む。」
今、部下に頼んだな。
ヤバいんだな。
「何話してるのっ?」
リアの追撃。
お茶目な女の子っぽく接しても、裏の顔が見え見えだ。
「何も話していませんっ。」
「そうですよ。誤解ですよ『勇者』様。……あと、宿も頼んだぞ。」
「ふぅん。まだ、何も準備できてないじゃない。」
「はて、何のことやら……。」
「おい。そこらで止めておけ。」
「はぁい。んじゃ、早く準備しなさいよね。」
それから10分。やっと食事の準備ができた。
まぁ、早い方だと思う。
「大変お待たせ致しました。こちらが、本日のディナーでございます。どうぞ、お召し上がりください。」
いろいろなものが並んでいる。
どうやら、俺たちが食べたことのない食事もあるみたいだ。
「「いただきます。」」
俺とリアは、食事を始めた。
さぁ、実食といこうか。
「おっ。米もあるのか。」
「はい。米は存じ上げませんが、ライッスはございます。」
「おしいっ!」
俺はただただ、悔しさを叫んだ。
俺にとっては、米でもライッスでも可。
でも悔しい。
「ふぇえ、ほへひへほ。」
「お前、どんだけ腹減ってたんだよ。」
「だって私、疲れたから……。」
リアの顔が急に赤くなる。
どうやら少し、自覚したらしい。
「で、どれを見ろって?」
「これよっ!」
「何かこれ、見たことある気が……。」
「そちらは、『ジャックスネークの丸焼き』でございます。」
「スネーク……。おい、焼く前のコイツ、あるか。」
「はい、こちらです。」
「マジか……。」
そう、コイツは……。
「ツチノコ……かよ。」
俺はすごく悲しい。ものすごく。
だって、コイツを持って帰れば……。まぁ、戻れたらの話だが。
「ねぇカナタ!ツチノコって何?教えなさい!」
興味津々のリア。
さっきから、テンション高くないか?
「お前、何か変なもの食ったか?」
「ん?」
「おい爺さん。何か分かるか?」
「多少ですが、『ジャックスネーク』は酒で漬け込んであります。さほどの影響はないはずですが。」
「はぁ、それだな。」
「んあ?」
「ったく。ところで、今日はどこで寝ればいいんだ。コイツを早く寝かせたいんだが。」
「そのことですが……、申し訳ございません。」
「まさか、無いのか?」
「いえ、あるにはあります。」
「じゃあ、何が問題なんだ。」
「……1部屋だけしか、取れませんでした。」
「……ははは。」
思わず、笑ってしまう。
酔っ払いがはしゃいでいるが、俺は気にしない。
「お前らぁ!ふざけんなぁぁぁー!」
俺たちの楽しい晩餐会は、俺の怒りと酔っ払いによって、幕を閉じたのだった。
話が進んでいる気がしません。
その分、少しでも内容は充実させていきたいと思います。
でき次第、早めに投稿します。