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昨日の敵は今日の〇〇??  作者: 蓮野ツバキ
冒険の始まり編
2/22

第2話 昨日のうさちゃんは今日の悩み??

早いですが、完成したので投稿します。

 たった数秒。だが、されど数秒と言える。

 召喚されている間の光景は、誰も見ることができないのだ。

 そう、見られてはいけない光景……なはずだ。

 だが今、ちょっと見えた。

 なんか、神様みたいな人。

 おいおい。こっち見て手を振るな。いってらっしゃいすんな!

 そんなおかしなプロセスを経て、俺は眩しい光に包まれた。




「おお。やっと到着なさいましたか、『勇者』様方。」


 チカチカする目を開けると、そこには……、なんだこりゃ。

 1人の白髪の老人(爺さん)と、万人単位の人々。どんだけいるんだよ。

 まぁいい。それよりも事実確認だ。


「おい、爺さん。」

「はい。どうかいたしましたか?」

「なんで俺はここにいるんだ?」

「おおっと、そうでしたね。」

「ん、まさか忘れてたのか?忘れてたんだろ、おい。」

「そっ、そんなはずがあるとお思いで?」

「だったらそんなこと言わねぇよ!早く認めろよ!」

「……。」

「はぁ。……ったく、早く状況を説明しろ。」

「ここは神に選ばれし都市、セルファ。あなた方は、私たちが召喚した『勇者』なのです。『勇者』様方、どうかこの世界をお救いください。」

「「はぁ??」」


 ん、今の声、まさか。

 ……っていうか、ちょっと待て!さっきあの爺さん、『方』って……。


「ちょっと待ってよ。どうしてそうなるの?ここはどこなの?ねぇ、ねぇってば~!早くお(うち)に返しなさいよ~!」

「おい。ちょっとこっち来い。」

「なにすんのよ~。……って、何でいるの?」

「こっちが聞きたいわ!おい爺さん、コイツに説明するから時間をくれ。」

「了解しました。」


 部屋の隅に元『魔王』さんを引きずっていく。

 いつまで泣いてんだよ、コイツ。


「なんなのよ~。どうなってるのよ~。」

「順番に説明するから、とりあえず泣くの止めろ。」

「う~。」


 まだまだ、泣き止まない。

 いっそ、挑発してやろう。


「そういえばお前、『お(うち)』って言ってたな。『魔王』のくせにな!」

「なによっ!私の喋り方はカワイイのよ。誰にも文句は言わせないっ!」

「なんだ。いつもみたいに話せるじゃねぇか。」

「うっさいっ!……それより早く説明してよ。」

「分かった、分かった。いいか、俺たちが今いるのは異世界だ。俺たちは……。」


 そうだ。俺は……。

 何でなんだ。何でこうなるんだ。


「どうしたの?急に喋らなくなっちゃって。」

「はぁ……。あのな、召喚されちまったんだ。」

「嘘……、でしょ……。」

「残念ながら、現実だ。俺は2回目だから、よく分かる」


 やっぱり。コイツでも最初はこうなるか。

 そう思った時、思わぬ答えが……。


「……う、」

「う?」

「私の……、」

「?」

「うさぎちゃ~ん!」

「は?」

「あれがないと、夜寝れないのよっ!」

「何言ってんだよ!まずは自分だろ、おい!」

「だって……。」

「何が『だって』だ。お前、本当に『魔王』か。」

「そうよ。だけど、悩みは誰かに言うものでしょ。こんな大惨事に、グダグダ言ってられないっ!」

「珍しく冷静な感じだな。」

「当たり前でしょ!私には、うさぎちゃんが必要なのよ。」

「やっぱり、そっちかよ!」


 まぁ、なんだかんだ言っても、コイツの言ってることは正しい。

 一応『魔王』だし、頼りにはなるだろうな。

 

「で、本題はどうなの?」

「おお、そうだったな。話す前に、先に言っておくべきことがある。少しだけだから、しっかり聞けよ。」

「分かったわよ。黙って聞くわよ。さぁ、話してみなさい。」

「まず、それだ。」

「それって?」

「単刀直入に言おう。お前、『魔王』辞めろ。」

「えっ。どうしてよ?」

「召喚された時に言ってただろ。お前も、この世界では『勇者』の1人だ。『魔王』なんて名乗ったら……、分かるだろ。」

「分かったわ。ただし、この世界でだけよ。」

「それで充分だ。」


 納得してくれて助かった。マジで。

 もしコイツが拒否なんてしたら、それこそ、この世界が危ないかもしれない。


「ねぇ。」

「ん、どうした?」

「名前、聞いてなかったわよね。教えなさいよ。」

「ああ、確かに。俺は御影(みかげ)カナタだ。よろしく頼む。」

「私はリア。リア・セレイア。よろしく……。」

「ああ、よろしく。」


 リアか。『魔王』にしては、普通の名前だな。

 まぁ、コイツらしくていい。


「さてと。じゃ、残りの説明よろしく、爺さん」

「終わりましたか。それでは、説明いたしましょう。」


 こうして俺たちは、『勇者』ということになったわけだ。

 俺は、『勇者』の称号が2つあるんだが、仕方がない。

 爺さんの話、しっかりと聞かせてもらおうじゃないか。

会話多めですみません。

「始まり編」もうちょっと続くので、お付き合いください。


追記・??を付け忘れたので、少し編集しました。

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