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昨日の敵は今日の〇〇??  作者: 蓮野ツバキ
魔王との遭遇編
15/22

第15話 昨日のカードは今日のクエスト??

切りがいいので投稿します。


追記・ギルドカードに「レベル」を追加しました。

 ギルド加入と言っても、それはもう本当に簡単なものだった。

 まず、冒険者ギルドカードの発行。

 ギルドカードの元(と呼ばれているらしいが、本当は特殊素材の紙)を持って、ゲインの言った、何だかよく分からん呪文を唱えるだけでいいのだ。

 な、簡単だろ。

 だが、問題は別のところにあった。

 ギルドカードはその人の能力を映す鏡のような役割もしていたのだ。

 もちろん、普通の人にとっては身分証明にもなるし、悪人などの特定にも使われている。

 でも、俺らが身分を証明しようとすれば、それはそれは大事になりかねない。

 偽造もできない、偽装もできない。おまけに、再発行の際は元のデータが引き継がれるときたもんだ。

 しかもすでに、俺らは『魔勇同盟』に加担している。もうすでに、データ化済み。

 その結果がこちら。




 御影カナタ 16歳

 属:人間

 職:『勇者』

   『剣士』

   ツッコミ担当

 レベル:50

 ステータス:攻撃力450

       防御力450

       魔力200

       回復力300

 加入:冒険者ギルド

    『魔勇同盟』

 能力:剣技レベル50

    魔法レベル30

    ツッコミレベル100

 技:颯の剣(スピードスラッシュ)

   光の剣シャイニングスラッシュ

   加速(ハイスピード)




 さりげない精神攻撃。

 疑問な点がたくさんあるが、1番気になったことだけを言わせてもらった。

 ………………ツッコミって職なの!?1番強いってどうなの!?俺ってザコなの!?

 もちろんリアには笑われたさ。心が痛くなるほどにな。

 それでも、いいステータスだとゲインに言われて、なんとか立ち直ったのさ。悪いかっ!

 そして、さんざん俺をバカにした、リアの結果がこちら。




 リア・セレイア 15歳

 属:人間

 職:『魔王』

   『勇者』

   『魔法術師』

 レベル:150

 ステータス:攻撃力600

       防御力200

       魔力400

       回復力300

 加入:冒険者ギルド

    『魔勇同盟』

 能力:魔法レベル1000

 技:霧の守護(ミストプロテクト)

   炎円(かえん)

   昇拳(アッパーカット)




 ……『魔王』ってやっぱ強いんだな。そう感じた。

 俺と比べると、一見変わりない感じもしないではない。だが、ふざけたステータスがないこと。これが1番羨ましいところだ。

 しかも、ちゃっかり魔法レベル1000だと。……すげぇじゃん。

 技もなんか多いし。なんかもう俺が嫌になっちまう。

 ……俺って『勇者』なんだよな。

 そんなギルドカードによる判定も終わり、改めて冒険者ギルドの一員になった俺たちは、ゲインと共に1階に向かった。

 目的はそう……初クエストだ。

 ゲインが適当に、クエストを漁っている。


「ど・れ・に・し・よ・う・か・な♪」

「あのさ…、もうちょっと真面目に考えてもらえない?」


 ギルドカードの結果が悪く、ツッコミを入れる気になれない俺。

 代わりに、リアがゲインを止めようとしてくれている。……サンキュ。


「だってさ!初めてのクエストなんでしょ!とびっきりに楽しいものがいいじゃん!」

「そうゆう問題なの?まぁ、考えるだけなら別にいいわ。決めるのは私だし。」

「………俺は?」


 『魔王』に、常人の言葉は通じない。いろんな意味で。

 ギルドマスターらしくない『魔王』も、勝手に決める『魔王』も勘弁してくれ。


「うーん。あんまいいのがないなぁ。どうしようかなぁ。」


 必死に考えているように見せるゲイン。

 いくら必死っぽくしたって、リアと戦ってきた俺の目からしたら、バレバレなのだ。

 さぁ。俺にクエストを選ばせる番だぜ。


「あ、そうだ!あれにしよう!うん。それがいい!」


 そう言うと、ここで待ってろと俺たちに告げ、奥の部屋に入っていく。

 ゲインは、あっという間に戻って来る。

 どうやら俺の番はなし。さらば、俺の初クエスト。


「これが君たちの初クエスト!その名も……」


 ダララララララ、と聞こえてきそうなポーズをとりながら、俺の前に紙を差し出す。

 そのクエストとは………、


「『ゾンビ除去大作戦』だ!」

「うぇ?」


 失礼。突拍子もない声が出てしまった。

 いきなりゾンビとは、……思わなかったのでな。


「ゾンビって、あのゾンビ?死んだやつが生き返ったやつ?」

「そうそう。君たちには、5年前から活動しっぱなしのゾンビさんたちを、浄化してもらいまーす。」


 浄化ねぇ。

 まぁ、俺はいいとして、リアが何て言うかだよな。

 ……って言っても、俺は魔法レベル30なんだがな……。


「いいわよ!」

「えぇぇぇぇーーーーーーーーーー!」


 リアがあっさり返事した。

 絶対嫌とか言いそうなのに。


「何驚いてんの?」

「いやいやいや。相手はあのゾンビだぞ。グロくて、キモくて、クサいあいつだぞ。本当にいいのか?」


 俺がそう聞くと、リアは平然として答えた。


「は?何言ってんの?こんな時こそ私の出番でしょ。私は『魔法術師』よ!私の魔法から逃れられるものはいないっ!」


 あ、コイツ調子乗ってやがる。

 ステータスがいいからってだけで生意気だ。

 このクエストで、絶対何かやらかすな。


「はいはい、分かった分かった。で、うちのリアさんも乗り気なんでやります、はい。」

「やったー!じゃあ今日の夜。町のはずれの廃屋(はいおく)に集合だよ。それまで自由に町観光でもしてて。はいこれ、お小遣い。」

「これ、先払いですか?」

「違うよ。単なるお小遣い。楽しんでね。」


 リアと顔を合わせる。


「おし。観光すっか。」

「そうね!」


 再度観光開始だ。

 また、至福のひとときを味わえるぜ。

 そう思っていた。


 …………真夜中の町を知るまでは。

次回、ゾンビ回です。

お楽しみに。

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