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昨日の敵は今日の〇〇??  作者: 蓮野ツバキ
魔王との遭遇編
12/22

第12話 昨日の迷子は今日の迷走??

 新章開始です。

 道。

 それは、人にとって素晴らしいもの。

 時に人を導き、時に人を苦しめ、また、時に人をさらなる未来へと連れて行ってくれる。

 試練とも言えるそれは、人にとって不可欠でもあるのではないか。

 そしてまた、数々の苦難を乗り越えたからこそ、旅立つことができる。

 旅立つまでのステップをふまえることも、ある意味では道と言えるだろう。

 とある1つの奇妙なパーティも、今現在、道というものに苦しめられている。





「……はぁ。」


 もう何度したかも分からない溜息を、また1回、また1回とつき続けている1人の旅人。

 旅立つ前も、十分と言えるほどついてきたというのに、記録を更新している。

 溜息なんかと戦いながら、ひたすらに道を進むその旅人……、もとい『勇者』。

 御影カナタは、疲れ切っていた。


「……おい。この道で本当にあってるのか?」


 カナタが後ろを歩く『魔王』様に質問をする。

 『魔王』というのは、異世界での話なのだが、カナタにとっては永遠なる『魔王』様なのである。


「ちっ、地図も貰ったんだし。間違っているはずがないわ……よ。」


 リアは不安になりながらも、自分が正しいと主張する。

 もちろん、『魔王』としてのプライドが、「間違い」を認めるはずはないが。


 2人は今、スコーンという町を目指している。

 スコーンの町は、彼らが召喚された町から北へ約50キロメートルほど。聞いた話によれば、冒険者ギルド1号があるらしく、冒険者の町なんて呼ばれているらしい。

 なぜ、この2人がスコーンを目指しているかといえば、残りのパーティメンバーに関係がある。

 2人は『勇者』として、この世界に招かれた。そして、ニセ忍者その他2名がすぐにパーティに入ることになった。

 しかし、どいつもこいつも問題だらけな状況なため、2人と別行動しなければ、最悪の場合、全員が犯罪者になってしまうのだ。

 そのうえ、犯罪者も程度によって即刻死刑。

 そんなバッドエンドにならないためにも、他のメンバーが先に、その町に向かったのである。


「爺さんの話だと、もう到着予定時刻なんだけど……。そろそろ俺が地図を…、」

「嫌っ!私は間違ってないもんっ!」


 もはや『魔王』様もお手上げ状態。一体どうすれば……、とカナタは思う。

 相手は『魔王』様。下手に失敗でもしたら、「この世界滅ぼす」とか言いかねない。そんなこんなでカナタは動くに動けない。

 それなら、と、カナタは必死に考えているのだが……。


「あのなぁ。いい加減俺も疲れてんだよ。こんなに長い時間、お前の茶番に付き合ったのに、そんな言い方はないだろ。むしろ感謝しろ。」


 カナタ、30回目ぐらいの挑戦。果たして結果は……。


「感謝ですって!それはこっちの台詞よ!こんなに華憐で美しい、可愛さ100%の美少女とずぅーっと2人きりだったのにっ!」

「それは自分で言ったらアウトだろ!」


 そう。こうやって言葉が、何度も跳ね返されるのだ。しかもカナタは、毎回ツッコみ返している。

 カナタの努力と涙、そしてその他何だかんだが、ツッコみに詰め込まれているのだ。

 だが、結果は何回やっても同じ……というか、絶賛悪化中。逆効果でしかない。


「いい。私の道案内はベリベリグッドなの。分かる?」


 リアがカナタに問う。


「いーや、全然。逆だろうと思ってる。着くはずがないと……」


 その時だった。すぐ目の前に町が見えてきたのは。


「マジか……。」

「ふふーん!見てのとおり、着いちゃっいましたけど。これでも私に文句ありかしら?」


 リアは誇らしげに言った。


「いいや。俺が悪かったよ。」


 カナタも、これではさすがに認めざるを得ない。

 そんなカナタを見て、リアはここぞとばかりに攻め込んでいく。


「じゃあさ。何かしてくれてもいいんじゃない。『魔王』様のお導きに感謝することは、とっても大切だと思うんですけど。」


 上目づかいでカナタに話しかけるリア。これにはカナタもたまったもんじゃない。


「分かったよ。何か(おご)ってやるから。」


 仕方がない、と言わんばかりの表情で返事をする。

 それを見て、リアは少しばかり嬉しそうだ。


「分かったわっ!楽しみにしとくっ!さぁさぁ、カナタ。早く町へ行きましょ。」


 最終的に町に着くことができてよかった。何が何でも、『魔王』様との野宿は避けなくてはならない。なぜなら、いろいろ危険だから。

 そんなことを考えながら、町に入っていく2人。

 そして……、


「おい、リア。」

「ん?どうかした?」

「これ見ろ。」


 カナタが指差すのは、この町の看板。

 そこにはこう書いてあった。


 ~生と死の町フィリオンへようこそ!やさしい人々があなたを癒します!~


「……結局、」


 カナタの中で何かが切れた。


「間違ってんじゃねーか!」

 残念ながら、ちょっとの間、他の3人は出ません。

 次回、急展開……かもしれない。

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