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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

短編集

桜が咲き誇り舞いゆく一日

作者: 桜川藍己

「好きですっ! 付き合って下さいっ!」

 春風に乗って桜の花びらが雪の様に舞っている。

 そこに佇むのは真新しい制服を身に纏った二人の少年少女。

 顔をピンク色に染めた少女が緊張した趣で少年を見つめている。

 そして少年がゆっくりと口を開き────。

 …………と、ここまでみたら健全な青春の一ページに見えるだろう。

「なぁ?」

「はい?」

「…………僕たち兄弟だろ?」

「はい。お兄ちゃん」

 そう。その少年少女とは兄と妹なのだ。

 …………そう聞くと一気に不健全になるのは当然だろう。

「で、お兄ちゃん」

「ん?」

「私はお兄ちゃんに告白をしたと思うんですが?」

「舞。もう一度言うが僕たち兄弟だろ?」

「だからなんですか?お兄ちゃん」

 はあ……

 桜川咲己はため息をつきながら天を仰いだ。

 空には例年より早く咲いた桜の花がヒラヒラと舞っている。

 ──全くこの季節というのはこの兄弟にお似合いだと咲己はつくづく思う。

 ……いつだっだろうか? 舞が最初に咲己に告白をしてきたのは……?

 ──そうだ。舞が初潮を迎えた時だった筈だ。

 舞の初潮は凄く早かったらしくまだなんの知識もない咲己からしたら、急に裸であそこから血を流しながら「お兄ちゃん! お兄ちゃんのために頑張って早く初潮を迎えさせたよ!」と抱きついてきたのは恐怖以外の何物でもなかった。

 確かあの後、舞がハイテンションで「私はねもう子供を産めるようになったんだって! ね、お兄ちゃん! お兄ちゃんと私の子供見たく、ない?」みたいな告白をしてきたのだったと思う。

 因みにまだその時は精通していなかったため子供を産むことは物理的に不可能である。

「お兄ちゃん! 黙ってないでそろそろ付き合うって言ってください!」

 …………そりゃ僕だって付き合いたいさ

 咲いて舞う。咲己と舞の兄弟は生まれながら名で縛られているのだから。

 ──だから。

「大人になっても僕の事をまだ好きでいるのだったらな」

 ──だから僕は時間稼ぎで逃げるのだ。

 大人になるまでに法律が兄弟でも結婚出来るようになることを祈りながら──。

「じゃじゃあ! 大人になってもお兄ちゃんの事が好きだったら、結婚して下さいね?」

「法律が改正されてるのだったら、な」

「やった~っ! お兄ちゃん大好きっ!」

 舞が勢いよく腕に抱きついてくる。

 慎ましい膨らみを腕いっぱいに感じ、頬が赤くなりながらこれから三年間学ぶ校舎の中に入っていった。

「────と、いうことで一年間このクラスで仲良くしていきましょう。 終了」

 少し堅い気がする担任の先生が教室から出ていった途端、ガヤガヤと話始めたのは殆どが以前からの友達なのだろう。

「あ、あのっ!」

「ん?」

 声の方向を向くと、隣の席になった確か早河さんが咲己の方に身体を真っ直ぐと向けていた。

「あ、朝ちょっと見てしまったのだけど……、隣のクラスの子と、ど、どんなか、関係なのかな~って」

「ただの妹だけど?」

「へー! 仲が良い兄弟ですね?」

「ああ、そう言って貰えると嬉しいよ」

 心なしか早河さんがホッとした顔になってる様に見えたのはのは気のせいだろうか?



 お兄ちゃん。

 お兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃん────っっ!

 お兄ちゃんが大人になったら結婚してくれるって言ってくれたっ!

「やった~っ! お兄ちゃん大好きっ!」

 私はお兄ちゃんに変な虫がつかないように腕に身体を擦り付けてしっかりと臭いをつけた。

「──ああ、そう言って貰えると嬉しいよ」

「あ、そうえば部活何処に入るか決めたりしてる?」

「う~ん、陸上部とかサボれそうで良いかもね──」

 …………もうおにいちゃんにきたならしいゴキブリがよってきてるどうしてなのしっかりとマーキングしたはずなのにっ!

 ────お兄ちゃんに寄ってくるゴキブリは全部始末しなきゃ……!

 ふふっ。どうやってあのゴキブリを始末しようかな?

 誰もいない教室で首吊り? 学校の焼却炉に入れるのもありだな~あ! 桜の木の下に生き埋めするのも良いかもしれない!

 私はゴキブリの始末方法を膨らませながら一先ず自分の教室に戻った。

 放課後。

 私はお兄ちゃんに少し用事があるからと癪だけど先に帰って貰った。

 ──これもお兄ちゃんのためなんだからっ!

 頑張らなきゃ。

 私は例のゴキブリの帰り道を誰にもばれないようについていく。

 徐々に人通りが少なくなり薄暗くなっていく。

 頃合いをみて私はゴキブリに近づき、緩筋剤を身体に打ち込んで誰も来なそうな路地裏に引きずりこむ。

「こんにちはゴキブリさん♪」

「あ、あなっ……!」

 もう緩筋剤が効いてきたのか最後まで喋ることが出来なかったようだが、私が誰かは分かっていたようだ。

「私達の世界には私達しか居なくていいの。なのになんでこんなに早くゴキブリがお兄ちゃんについちゃうのかな~?」

「…………!」

「うるさい」

「…………ッッ!」

 ゴキブリが何かを話そうとしていてうざかったから、取り合えず指の骨を一本ずつ折っていく。

 折っていくごとにびくびくと震えるのが凄く面白い。

「んー次はなにしよっかな~?」

 そう言いながら鞄の中からサバイバルナイフを取り出してツーっと身体中をなぞる。

 怯えた目が凄く可哀想。

 ──可哀想だから足にサバイバルナイフをめり込ませた。

「…………ッッ!」

 声の無い拷問が誰も知らない所で始まり、終わっていく────。



「ただいま~」

 どうやら用事があるからと学校に残っていた舞がようやく帰ってきたようだ。

「お帰り。用事とやらは終わったのか?」

「はいっ! おかげさまで思ったよりも早く終わらすことが出来ました!」

「そうか、それは良かった」

 舞はご飯を作ろうと台所に向かって行く途中にチラリと咲己の方を振り返りとても楽しそうに呟いた。

「────さて、明日からの学校、楽しみですね♪」

なぜこうなった感がヤバイですが、どうでしょう。

自分はイチャラブコメディーを書いたつもりでした。

新酒呑童子の野望は少しずつ頑張っています!

すみません!


少し手直しを加えました。

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