最終話
いつもの席に着くと、夕ご飯がならんでいた。
今日はハンバーグだ!大好きなハンバーグを食べていると、今日はいつもより食堂にいる人が多い気がした。
今日は日曜日だから、みんなのお父さんやお母さんが一緒に食堂にいるのかあ。
僕のお父さんとお母さんはまだ来ていないみたいだな。
ケーキを食べるころには来てくれるといいんだけど。
僕はお腹が空いていたので夕ご飯をペロリと平らげた。
ほかのみんなが食べ終わる頃に、施設の人が『今日はお誕生日の人がいまーす!』と言うと
音楽が流れると同時に電気が暗くなった。
そこに、ローソクに火が付いたケーキが運ばれてきた。
そのケーキは、お盆に取り分け用のお皿とナイフと一緒に、僕の目の前に置かれた。
僕は、急に暗くなったり目の前にあるケーキとで、頭が真っ白になった。
『さあ、ローソクの火を吹き消してー』と、施設の人が言ったので、僕はあわててしまった。
僕は、あまりの緊張からおもらしをしてしまった。
ズボンが濡れる生温かい感じがする。
僕の後ろで様子を見ていた男の施設のひとが、僕の様子をみると、僕がおもらしをしたことに気づいて、僕を席から離れさせるために、僕の脇を抱えてきた。
でも、僕は足に力が入らず立てない。
男の施設の人が僕の耳元で『こんな時に漏らしやがって、勘弁してくれよガイジが...』と言った。
僕は、頭に血がのぼりガイジって言うな-!と言って、取り皿の上に乗っていたナイフを手に持つと
男の施設の人の首に突き刺した。
ナイフを抜くと、首の横から血が噴き出してきて、僕にたくさん掛かった。
ローソクの明かりだけでよくわからないけど、みんな僕のことをガイジって言っている。
うおおおおっと言いながら僕は近くにいた男の子とか女の子とかそのお父さんとかお母さんを次々に刺した。
電気が点いて自分の手を見たら血がべっとりついてて気持ち悪かった。ズボンも冷たくなって気持ち悪い。
急に後ろから施設の人に押しつぶされた。
重いよ。どいてよ。
今日は僕の誕生日なんだから、ローソクの火を消さなきゃ。
うつぶせにされたままケーキを見ると、ローソクの火はぜんぶ消えてた。それにケーキが真っ赤だ。
お父さんとお母さん来てくれなかったなあ。
ああ、思い出した。
お父さんとお母さんは僕が殺しちゃったんだっけ。




