表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/20

第15話 古の洋館

今日は、魔界に行く。

徹さん以外は、皆集まっている。

早く他の防具も作って貰いたいので、来ると言ってたが辞退してもらった。

予定と行動のチェックと装備の確認もする。


「よし!準備OK!」


揃って、訓練室に行く、真実を映す鏡の前に立つ

魔界に行く!と大きな声で言うと、ユラリと揺れて魔界を映し出した

鏡全体に、どす黒い世界が現れる。

俺は大きく、深呼吸して、


「じゃ、行くよ、皆後の事は頼むね。」


そして、3人が手を繋いで、俺がまず先に鏡に手を伸ばし進んで行った

ポヨーンとする感じで鏡を通り抜け、魔界の世界に足を下ろした。

無事に3人入れたようだ。

大和さんも、かおりも目をパチクリしている、


「此処が魔界かぁ。。」と大和さん、声で緊張しているのが解る。


まず、無線が通じるか試してみた。

武さんが、今はまだ鏡にも映ってるしと交信は繋がった。少し安心する。

妖気が立ち込める中、2人共緊張の面持ちで腰の剣に手を当てている

空には、日食の様な太陽が2つ、怪しい影を落としている

前回来た時も、日食だった、此処は何時もこうなのかも知れない

左右に気を配りながら進む、、寒くはないのだが吐く息が白い

妖気がハンパ無い位強くなっているせいなのかもしれない。

俺は記憶の通り進んで行くが随分遠くに感じる,間違いはないはずだが

暫く行くと、古い洋館があった、間違ってなかった。何故かほっとしたが

洋館には、入るものを拒むかの様に茨の蔦が巻きつき、異様な雰囲気を醸し出している

茨の蔦って、以前来た時にあっただろうか?蔦の太さは直径20㎝もあろうか

その蔦には大きな棘が突き出している、良く見ると、黒い薔薇の花が所々に

毒々しく咲き誇っている。大きな洋館なのに、まるで蔦に飲み込まれた様な

外観が魔族の城なのだと言わんばかりに妖気を漂わせてそそり建っている

相変わらず、門はピッチリと閉まっている。呼鈴を押すが

返事はない。。。


門を飛び越える、3人共身体能力は飛びぬけているので、これぐらいは安い事だ

玄関の蜘蛛の鍵も閉まっている。電撃で蜘蛛を退治して鍵を壊す、その時に

蜘蛛がギエエエーと異様な声を発する、内部に知らせたのだろうか?

まぁオブライエンとサラディーンには謝っておこう、呼鈴は一応鳴らしたのだから

屋敷の扉がギーとなって開く、

外見とは違い、中は豪華なフロアーになっている。

かおりが、わぁーと感嘆の声を上げる。

ふかふかの絨毯に大きなシャンデリア、素晴らしい大きな絵画が並び、中央の豪華な階段には

赤い絨毯が敷かれていてその横には中世の鎧も両側に並んでいる

オブライエンとサラディーンがその階段から下りてきたら

絵になるだろうと俺は思った。



しかし、誰一人居ない、明かりも付いているのだが

俺は、サラディーンと呼んで、中に入って行く

執事か誰か居てもよさそうなもんだが。

暫く待っても誰も出て来ないので、屋敷を見て回る事にした。一応


「しつれいしまーす。」と言っておく


まずは、中央の豪華な階段の両側に、ある4個の扉を調べていく

その4個の扉にはどれも魔力で封が施されている、俺の力では

開ける事も、壊す事も出来ない。

階段の下の地下室に続く扉は開いた、以前ザブルスが囚われていた処だ。

慎重に地下に下りていく、牢があったが、何もない。

前は、地下から戻ったら、ロビーで魔族に取り囲まれたので

用心しながら、ロビーに出る扉を開けた、だが誰も居ない

俺は、何か違和感を覚えながら、辺りを覗う

今度は、二階の階段を上がって行くと廊下があって左右に4個の扉がある

最初の扉、ギーっと不気味な音と共に開いた、大和さんはサーベルを抜いている

中に入ると、会議室の様な円形の大きなテーブルは真ん中から割れている、

30客ほどの椅子は無造作に転がっている

正面にはスライドの様なものがある、なにやら会議が行われていたんだろう

スライドの様なものは、真ん中から焼け焦げている、地図だろうか肝心なところが

燃えて見えなくなっている、窓も割れて、カーテンも焼け焦げていた。

会議の途中で誰かに襲われた様な、形跡がある。


次の扉には、此処も魔力の封印がしてある

右の扉に行く、この扉は、壊されて斜めに歪んでいる。

その扉を蹴破って、中に入った、ここは書斎のようだ、本が乱雑に落ちて足の踏み場がない

本棚も炭の様になっている所もある、焼け焦げた匂いが辺りに充満している


驚いた事に、その奥には、真っ黒な大きな穴がポッカリと口を開けている、その先は見えない

その中を捜索するかは躊躇した、何処に繋がっているかは解らない

迷路になっていたら、帰れないかも知れないし、とんでもない妖魔がいるかもしれない


まずここで屋敷に居る武さんに無線で連絡を取ってみる

しかし、全く繋がらなかった、やはりな。と俺は思った

先に、残った扉の捜索からやろうと決めその部屋を出た

もう一つの部屋はやはり封印されていた。

書斎の部屋に何かある、俺の直感がそう言っている

あの真っ黒い穴の前に戻って来た。

俺は、大和さんとかおりに言った。


「何が有るか解らないから、2人は此処で待機していてくれ」


「いや、何が有るか解らないからこそ、一緒に行こう。」と二人は言う


二人の決断が嬉しい

じゃ行こう。

特殊ライトを頭にセットして真っ黒な穴を進む

穴は意外と広くて3人並んで進めるぐらいだが

俺が先頭、次にかおり、しんがりは大和さんだ、周りを注意しながら

進む、何か大きな魔獣でも通ったのかと思う様な通路になっている

所々、水が滴り落ちていて、ヒンヤリしている

音は立てないようにと注意するに矢先、かおりが「キャー」っと

滑って転んだ。


「静かに!」


「ごめんなさい。」


「大丈夫か?」


俺はかおりを起こしながら、辺りに注意を張り巡らす

今のところ不穏な空気は感じられない。

もう1時間以上歩いている。一本道だから、帰りは迷わないだろうが

何処まで続いているのだろうか、引き返した方がいいのだろうかと

迷っていると、ずっと向こうに明かりがぽつんと見えた。

出口だ!

自然と小走りになる。どんどん明かりが大きくなってきたと同時に

周りの視界も開ける。


「ここは?」


そこは、天井が大きなドーム型の建物の中だった

大きな柱が聳えたっていて、巨大な魔獣が寝ている

銀色の鱗に爬虫類の様な頭、まるで巨大なトカゲだ背中には大きな背びれがシッポまで続いている

俺はかおりが、うあツ!と声を出しそうになったので思わず口を塞いで、岩陰に隠れた

見るとトカゲの後ろに扉がある。壁伝いに伝って扉まで行こうとジエスチャーで伝える

音を立てないように、そうっと進むが行く手にトカゲの尻尾が横たわっている

上手く交しながら進もう、中ほどまで進んだ時に、不意に尻尾が動いた

その時に、大和さんと、かおりが弾き飛ばされた。


「キャー。うおー!」


しまった!。トカゲが目覚めてしまった。

シャー、シャー、と赤い二股に分かれた舌を出しながら

倒れた大和さんとかおりに凄い勢いで迫って行く、2人とも

体制を取れていない、このままでは殺られてしまう

俺はサーベルを抜いて、トカゲに飛び乗り、剣を付きたてたが

鱗が堅い、鱗の隙間を少し傷付けただけだった、トカゲは俺をギロツと睨み

突進してきた、その隙に二人は剣を抜き飛びかかる。尻尾が縦横無尽に振り回される

あの尻尾に当たったらただでは済まない、勝負は一瞬で決めなければいけない

俺は「目だ!目を狙え!」と叫びつつ左に飛ぶ、2人が飛び込むのが見えたのか

トカゲは二人に向いた、その瞬間、俺は飛びかかって左の目を突き刺した。


ギャアアアアアアアアーーーーと絶叫し、のたうち回る


暴れ回る、トカゲを回避しつつ間合いを詰めながら切りかかる

二股の舌を切り落とした。


ギョアアアエエエエエーーー再び絶叫する、大和さんは大きく踏み込み、その太刀は口から

頭に突き抜けた。

トカゲは一瞬止まり、次にはドシャリと崩れ落ちた。

静寂が戻った、こいつは此処を守って居たのだろうか。

早く此処を出よう、俺たちは、扉を目指した。

重厚な木の扉を押した、重かったが、キーっと開いた

そこで見たものに俺は目を疑った。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ