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第12話 ありがとうと言いたい

読んで下さった方本当に有難うございます

誤字脱字はつど修正いたします。気が付いた所は指摘下さい

反応があった方が、嬉しいです

なるべく早く更新したいと思っています

頑張ります。てへ(^^)


魔界に来てから3日、驚く事の連続だった。

俺の父は憎んでいた魔族だった、しかも魔族に殺されている。

衝撃の事実に、俺の気持の整理が付くのは、3日間かかった、

いや整理はまだ付いていないが

前に進まないといけない、あっと言う間の3日間だった

オブライエン、サラディーンは優しかった。ハンスに良く似ていると言って

ハグしてくれ、ここに留まらないかと言ってくれたが

俺にはやるべき事がある。

また、必ず来る事を約束して帰る事にした。ザブルスはもう少し

ここに残ると、聞いても無いのに言ってきた。

ザブルスに対してはまだ不信がある、あれだけ心配した俺は何だったんだと

ザブルスに一喝した。

ザブルスは「ほう?心配してくれたのか?」とニヤ付いた顔で言った

ので俺は、イラッとして「勝手にしろ!」と言ったが

「心配してくれたのか、そうか、そうか」と一人で納得し

なぜか嬉しそうに、部屋を出て行った。


「バカが!」俺は腹立たしい思いで言ったのを

なぜか、オブライエンとサラディーンは笑顔で見ていた。


オブライエンとサラディーンは、父母の画像を翡翠のペンダントにして

俺にプレゼントしてくれ、また必ず、会いにきてとハグしてくれた。


俺は魔王夫妻に別れを告げ、元来た道を歩き出した、来た時とはまた別の思いが沸き上がる

なぜかここが懐かしく思えたのは父ハンスのせいだろうか、

魔界と人界の境目、真実を映し出す鏡その前に着いた、

通り抜ける前に、振り返った、むろん古い洋館は、此処からは見えるはずもない

俺は大きく深呼吸をし、それを通りぬけた。


*  *  *   *  *



第一訓練室に着いた。。。。。


「おわ~~~!!猛だ!!~~~帰って来た!~~良かった!~良かった~!!。」


目の前には、大和さんはじめ、皆が、猛が帰って来たと、大騒ぎだった。

大和さんは、猛だ~!5体ちゃんと揃っているか。本当に猛だな、

と俺をバンバン叩いて確認していた。


ビックリして俺は「どうしたの?皆。」と言うと


「お前な~~。俺に魔界に行って来ると手紙をよこしたきり

もう2週間も音沙汰なしだぜ。皆心配してたんだ。」


「そうだよ。相談も無しで、一人で行って何かあったら

俺達どうすんだよ、どうにも出来ないんだよ?」と徹さん。


酷く皆に怒られた。

すまん、皆、そんなに心配してくれてたなんて。。。。


毎日、この鏡の前で、交代で番をしていたそうだ。

この鏡に「猛はどこだ?」と聞けば映し出しはするが、直ぐに消えるし

そりゃ魔物も映っているのだから余計心配は尽きない

今度からは、こんな事が絶対に無い様に必ず皆に相談する事と念を押された。

かおりは目に涙を浮かべて、俺を叩きながら「何だと思ってんのよ!」と抗議してきた


「ごめんなさい。」


ザブルスが暫く顔を見せないので、魔界に行く方法を

あれこれ考えて、ふと思いついたのがこの鏡だった

まさか、俺も本当にこの鏡で行けるなんて思ってなかったけど。


んで、驚いた事に、魔界では3日だったがこちらでは2週間経過していたのだった

鏡には、俺は映し出されてはいるが、皆は魔界には入れなかったので

鏡の前で見ていることしか出来なくて、歯がゆい思いをしたと



ああ、以前はかおりは、ザブルスにくっ付いて入って来れたのか

誰もが入れるわけではないのか。


なら、俺は?やはり魔族の血のせいなのだろうな。

俺は半魔人なのだと言う事を、改めて感じた



~~~~~~~~



今日は、なぜかかおりが張りきって、

俺の誕生会をすると朝からと、はなさんと台所に籠っている

そうなのだ、魔界に行っている間に、俺は19歳になっていた

曾祖母、安部康子の部屋はまだそのままの状態にしていた

曾祖母の部屋の前に立って俺はオブライエンの言葉を思い出していた

母の沙羅が俺を結界で包みこの安部家に飛ばしたと。。。。

なのに康子は何故、俺を一時的とはいえ

施設に預けなければいけなかったのだろう?

疑問がわいてくる。

何かがあったのだろうか。

康子の部屋を開けた、風通しもたまにはしないとと、

はなさんは、気がけてくれて、掃除も行き届いている


今は亡き、曾祖母、康子の匂いがする。。。

康子の部屋は趣味のいい、純和風で部屋からは庭が良く見え

日当たりも良く、手入れの行き届いた

マメ盆栽、が数個可愛く並んでいる、見てると心が和んでくる


箪笥には、着物が沢山、納められている。

康子が以前着て、見覚えのある何着かをそっと撫ぜる

あの、厳しくも、暖かい康子の特訓の時の顔が想い浮かぶ

「厳しい人だったなぁ。」と呟きながら、顔はふと笑みになる

102歳の康子にメタボロにやられて叱られた事ばかりだったなぁ。

でも最後に康子の杖をたたき落とした時は、康子は満足そうに

「猛!良くやった!」と嬉しそうに誉めてくれた。

俺の曾祖母は本当に凄い人だった。

自然に「ありがとう。」と言葉が出ていた。



上の引き出しには、沙羅の写真が数枚納められていた

若く美しい沙羅だ、ハンスと一緒の写真もあった。

それと、生まれて間もない赤ん坊の写真、俺だ。

数枚を何気なく見ていたが、1枚の俺の写真に何か映っている

薄いからよく解らなかったが、よく見ると透明のヘビだ、

まさしくヘビが俺に巻きついていた。

これは何を意味しているのだろう?

魔界の見張りなのか?呪いなのか?

今となっては確かめる事も出来ないけど

康子は魔界の者から、俺を遠ざける為に密かに俺を

施設に預けたのだろうか?

そうとも知らず俺は康子との交流も少なかったせいか、ぞんざいにしてきた感がある

今となっては深く後悔している、もっと康子の言う事に耳を傾ける

べきだったと思う、あの頃の俺は自分1人で精一杯だったし

余裕もなかった。幼かったと言うには安直で恥ずべき事だが

康子に対しては、良い思いをしてなかった俺だった

そんなことも知らなかったために。。。。



あくまで推測でしかないし、謎はまだ沢山あるが、俺は周りの皆から深く愛されての今日があると

感謝の念が込み上げてきて、翡翠のペンダントと写真を握りしめた。


そこに、かおりが入って来た、


「ここに居たの?扉が開いていたから、入って来ちゃった、ごめんね。」


そうはにかみながら、言う、かおりはとても可愛く、思わず

かおりを抱きしめた。


「ん?猛???」


そう言ったが、かおりは、抵抗せずに目をつぶり、俺に身体を預けた。





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