表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/20

第1話 自覚

まだ開けやらぬ朝、ふと目が覚めた、こんなに早く

目覚めることはめったにない。

なにやら妙に重ぐるしく寝苦しい。。。


ううう~ん。。。なんだ? 足? 腹の上にあって息苦しい

目を開けると

目の前に顔が。。。少女の顔。。。ウェ?

ビックリしてベッドから跳ね起きた

激しく心臓が高鳴り頭はグルグル回転しているが思考が付いていかない

状況がつかめ切らず思わず頭を抱えうずくまった。

何?。何?。何なんだ?  昨日何があった?


落ち着け。落ち着け。。。深呼吸した。


確か、昨日はライブが有って、結構人も入って

盛り上がった。ライブは大成功だった

ステージに沢山のアァンが詰めかけ握手を求められ

引っ張られ落ちそうになったのは覚えている

それだけ、人気者になって来たと、有頂天だった


終了後、メンバーと打ち上げに行ったことは

覚えている。下済み生活の反動もあり

大成功したことで皆心地よく

よく飲んだ、音楽談義、女性談義と果ては下ネタ

まで、周りのことも考えず、騒いだな。

でもその時には、メンバーだけで女性はいなかったはずだ


ズキッ!  と頭が痛む、飲みすぎた、

へ〇リーゼでも飲んでおくんだった。

しかし、いかん。。その後の記憶がない。。。

帰る途中で、行きずりの女でも誘ったのか?


やってしまったのか、この状況を見るにそうとしか思えない

酒の勢いでやってしまったのか?

もし、そうだったとしたら責任を取らなきゃいけないのか。

俺は無責任な事や、非道な事は好まない!

いや、いやそうじゃなくて。。。

俺には覚えが全くない。。。どうする。。。


。。。。。。。。。。。。。。。


TVや雑誌にスキャンダルが

載った、後悔と疑念が渦巻き妄想が暴走し

頭の中をグルグルと駆け巡る、、、、、、


やめて! 膨らむ妄想をふっ切り


恐る恐る、彼女の顔を覗きこんだ、よく見えない。

まだ薄暗い、部屋の中だカーテンを開けるのも怖い。

まして、電気など点けられない、

ベッドに寝ている女の顔をもう一度そーっと覗きこんだ



えええええええええ


耳が有るではないか、そりゃ当り前だが

これは違う、茶髪の髪の毛から

ピョコンとまぎれもない、白い猫耳


怒りが込み上げてきた

布団を剝ぎとり


「クルル、お前何してんだ!」


彼女は、目をこすりながら、

「あーおはよう。」


「おはようじゃない!何でここにいるのかって

聞いてるんだ。」


「うふ。猛に会いたいって思ったら此処に来てた。」

「猛って、むちゃくちゃ酔っ払っていてそのまま寝ちゃったよ

なのであたしも一緒に寝たの。うふ。」


「うふじゃねえわ!」

色々妄想を駆り立て、焦って、狼狽した分ほっとして、

胸を撫で下ろしたが、ぐったりと疲れてしまった。

はぁ~、あの一件からクルルは俺に取り付いたのだったか


そりゃ、公園でクルルと会えた時は、嬉しかったさ

ずっと一緒にいたのにもう会えないと思っていたから

黒猫から白猫になっていた時はビックリした

クルルと少女「かおり」だっけ、

少女の事はよく解らないが

これは霊体なんだろうか

そうなんだろうな、少女は死んだのだし

俺にしか見えないのかもな?

頻繁に来られても、先が思いやられるが

まぁ悪くない、可愛いし、味気ない俺の生活に彩りを感じるかもな


他の人には、クルルはどう見えるのか

検証しとかないといけないなそんなことを思いつつ、、、、

ふぁ~~~と大あくび、もうちょっと寝よう

ベッドに潜り込むと、少女も潜りこんで来た


「こら!おまえは駄目だ、変な気分になるじゃないか。」


彼女は、首をかしげたが、直ぐに、ニマ!と笑って、白猫クルルに変身した

「これならいいニャ。」

仕方なく布団に入れてやった

クルルは俺の腕の中で気持よさそうに眠った。

クルルを撫でながら

あの戦いの事がほんの数日前の様に思い起こされた

あの時のクルルは黒猫だったが、どうなってるんだ?

疑問は有ったが、直ぐに眠りに落ちた。



*  *   *   *   *



昼過ぎに目が覚めた。

あれ、クルルは? 二日酔いもあって夢なのか現実なのか

も、はっきり解らなかった。  

俺の部屋は1DKのマンションの角部屋の1室

ベッドの他には、TVと冷蔵庫、少しの家具しかないので

直ぐに部屋全体を見渡せる、どこにも、クルルはいなかった

まぁいいか。。。。。





今日の予定を確認、19時から練習と打ち合わせだった

シャワーを浴びて、トースト、コーヒーの食事をとった

チャイムが鳴り、クルルか、と思ったが、スーツを来た紳士が

名刺差し出していた見ると、弁護士だ俺にどんな用事なんだろう

訝しげに見ていると、曾祖母の遺産が有ると言う


曾祖母は、102歳俺を助けるため最後の力を振り絞って

式神で戦ってくれた強い人だった、俺がもっと強かったら

ヘマをしなかったら曾祖母も戦いに参加することなく

死ぬことも無かっただろうと、ずっと悔やんできた。遺影を直視する

ことも出来なかった。

あれ以来、曾祖母の家にもいってない。

遺産など俺がもらう資格などない

そう伝えると、


「お婆さまから、DVDを預かっています、生前に

貴方に言っておきたかった事が有ったのでしょう

其れを見て返事を下さい。」と言って帰って行った

暫くDVDを、眺めていた

お婆さんは、俺に何回も電話をくれていたが

俺は、ライブ等で忙しいのを理由に電話には出なかった


いや。。正直言うと、その頃の俺は

お婆さんの事を、よく知りもしないで、うざったく思っていた


両親が早くに亡くなっていたので

将来の事とか色々心配して意見してくるんだと

思っていた。ちゃんと話し合えば

もっと解りあえただろうと。。。。


いや、そうじゃない、俺は本能的にお婆さんを恐れていた

そう俺は避け続けていたのだった。

あの戦いの前までは。。。。



なにせ、お婆さんは安部康子、安部清明の末裔だった

俺はお婆さんの力を多少受け継いでいるのだろう

幼い頃は、紙に書いた鳥を飛ばしてみたり

コップの水を、空中に浮かして遊んでいるのを

母が見て絶叫した、俺はビックリして、水のボールを

絨毯に落としてしまい、びしょぬれにしてしまった。

母から、その力を絶対に使ってはいけないと厳しく言われた。

母の驚き様に、悪い事なんだと思い。封印してしまったのだ。

母は普通の子供として育てたかったのだ。



俺は、お婆さんの遺言とも言えるだろう

DVDを見る。

何かが俺の中で変わって行く予感を感じながら



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ