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『無色の虹』  作者: 砂糖
7/11

その3

俺たちは、若者をターゲットにした、レジャービルにすべく、ファッションをメインにフロア展開を考えてた。


しかし、都会の企業を、田舎に呼ぶには、相応の対応を求められるわけで、結構、四苦八苦していた。


残業、残業の毎日で、そろそろ疲れが出てきた、そんな夜。


「せんぱ〜い。そろそろ、休みましょうよ〜」


「もう少しだけ、この企画を完成させれば、きっとあそこも出展してくれるはず」


「そんなに根つめてやっても、いいアイディア、浮かびませんよ〜」


「でも、俺はもう、逃げたくないんだ」


会話の流れを止めた、その一言が、先輩らしくなく、何か、とても意味があるように、聞こえた。


「先輩、もうって・・・・・・どうゆう意味ですか?」


「昔の話だ。気にするな。それより続けるぞ」


「先輩。もしよかったら、聞かせてもらえませんか? こないだカラオケ行った時の、続き」


「お前には、関係ない話だろ」


「関係なくない!!」


とっさに俺は、叫んでしまった。


先輩は、驚いたように、目をパチクリさせていた。


「関係なくなんてない・・・・・・先輩と俺は、もうコンビじゃないですか。聞きたいんです。先輩が、何でそんなに、思いつめてるのか・・・・・・先輩、残してくれたじゃないですか。お前といると、元気になるって、あれ読んだとき、俺、スッゲー嬉しくて、うぬぼれかも知れないけど、俺、少しでも、先輩の力に、なれたのかなって・・・・・・それが、スッゲー嬉しくて」


ボロボロに泣いていた。


悔しかったのかもしれない、悲しかったのかもしれない。


俺は結局、先輩の事、何もしらない。


それなのに、打ち解けた気になって、一人で舞い上がってて、もう心の中は、ぐちゃぐちゃだった。


そのとき俺は、ただ泣く事しかできなかった。


「前にも言ったけど、昔俺は、お笑い芸人という夢をあきらめて、ボロボロだったんだ。」


先輩は静かに、懐かしむように、昔の話を始めた。

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