最期
「少し…、話しをしないか?」
黄門は消え入りそうな声でプリンに言った。
プリンは力の入った拳を開くと、
「聞いてやろう…」
刀を鞘に納めた。
肛門は小さく笑った。その顔は、なぜか昔愛した男アナーシリにどこか似ていた。
「群雄割拠のこの乱世、誰かが統一せねば、いつまでも戦は続く。永久に多くの血が流れるだろう。もしも殺人狂の独裁者が統一などすれば、さらに最悪の未来になる。私は平和な未来をつくりたいのだよ。みなが笑って暮らせる明るい未来を。そのために我々は戦う、たとえ多くの血が流れようとも!私の名が後世に大量殺人者として残っても!」
目から強い意思が伝わってくる。
「それで?」
プリンはせせら笑った。
「統一、できるつもりなの?」
プリンの挑発的な問いに肛門は、できるとだけ応え、
「同志として一緒に戦ってくれないか?」
と、言った。その視線は真っすぐにプリンを突き刺していた。
プリンは、ぷいと視線をはずした。
この黄門という男、雰囲気がアナーシリによく似ている。
(これは…、惚れてしまうな)
プリンは自分を笑った。
「悪いが断る。殺しあいをしよう」
プリンは考えを打ち消し、視線を黄門に戻すと、刀の柄に手をかけた。
スラリと抜くと刀には、血がべったりとついている。
「刀を変えるといい。」
黄門はそう言うと、腰にさしている自らの刀をプリンに放り投げた。
「なめるな、若造!我の佐治神は不死身の妖刀。血が好きで、血を浴びれば浴びるだけ切れ味を増すのよ」
プリンは一喝すると、黄門の刀を蹴り返した。
「…そうか、すまなかったな」
黄門はその刀を拾うとすぐに抜き、鞘を投げた。
すると、纏う空気がガラリと変わる。
その目は、先程までの穏やかな目ではなく、釣り上がった真っ暗な人斬りの目だった。
静寂と緊張感が二人をつつむ。
と、次の瞬間二人は同時にその場から消え、勝負はついた。
交差するように二人はすれ違いプリンは血を噴き出して倒れた。、
黄門は振り返り、顔を真っ赤にして怒鳴った。
「キサマ!わざと斬られたな!」
プリンは倒れたまま顔だけをあげ黄門を見上げた。
地面には大量の血が流れている。
「…やってみるといい。…この先の道創りを」
プリンはそう言って満面の笑みを見せ、こと切れた。
黄門はほんの数秒、プリンの死骸を見つめてから部下に命じた。
「プリンの首を前線の家禿軍に晒せ」
黄門の頬には一筋の雫が流れた。
前線で戦う家禿軍は、高々と掲げられたプリンの首を見てあっさりと退却した。黄門軍も退却する家禿軍を追う事なく、静かに城に引き返し、戦は終結した。
この戦いの3年後、黄門は全宇宙統一を果たした。
(完)
皆様、こんなつまらない話しに、長々とお付き合い頂きありがとうございました。
くっだらない、自己満足の駄文なんですが、読んでくださった方ありがとうございます。ギャグです。バカだな~と笑ってくれたら嬉しいです。そんでもって、評価してくれたらもっと嬉しいです。なんてね(笑)




