こんなんで唯我独尊できるんですかね
突然頭の中に飛来して後のことを考えずに書いてしまった・・・
♢唯我独尊とは?
人はそれぞれその人にとってかけがいのない尊い存在であるという意味。
「藤原・・・藤原・・・。」
誰かが私を呼んでいる。
この声は・・・・・
「藤原!藤原、起きんか。」
「かいちょ~・・・まだ書類の整理片付いてません・・・・・ごめんなさい」
机の上から顔を上げるとそこには国語教師の佐々木が呆れた顔をして唯を見ていた。
「何寝ぼけとるんだ。」
「ふぇ?」
「今は放課後じゃないぞ。だが書類の提出は早めにな、何せここの会長は怖いからな。」
くすくすと周りから聞こえてくる笑い声に顔を真っ赤にし、彼女は教科書で顔を覆った。
この少女が本編の主人公である藤原唯(17)副生徒会長を務めている。
これはよくある生徒会を中心としたおはなし。
太陽が西に傾き帰宅部の生徒が校門から帰宅の途に就こうとする時間、
北校舎の二階の隅生徒会室では今日もよりよい学校づくりのため生徒会役員が
徐々に集まり始めていた。
「藤原さん、今日授業中に寝ぼけていたんですって?しかも会長に怒られてる夢みてたって。」
「はわわ~、どうしてそれを知ってるの。」
唯と会話をしている女子生徒は同じく生徒会で書記の秋山麻里衣(17)。
ゆるふわカールのセミロングの髪を2つに結び雰囲気も言葉遣いも上品なのだが
実はとても毒舌家で笑顔でさらっと酷いことを言う。
「ん?私の情報網をなめちゃいけないわ。」
「秋山さん、学校一敵に回したくない相手かも。」
ポツリ唯が言い終わらないうちに生徒会室の扉が開く。
「あれぇ?藤原ちゃんと秋山ちゃんしか来てないの?」
陽に透けると茶色い髪が金髪に近いくらい明るい色になりとても綺麗な色合いになる。
そんな髪を持つ男子生徒三浦スバル(18)は唯と同じく副生徒会長だ。
彼は父が日本人、母がイギリス人のハーフであるため天然茶髪なのだが
チャラい口調のためその風貌も相まって見知らぬ人からは不良高校生に見られるのだが
本当はいい人であり生徒会で一番まともな人である。
「はい、三浦先輩こそ今日は井上先輩と一緒じゃなかったんですね。」
「いつも莉咲と一緒じゃこっちの身が持たないよ。」
「ふふ。三浦先輩、今のお言葉井上先輩にしっかりお伝えしますわ。」
「えっっ!!それは勘弁してプリーズ。」
「冗談ですわ。」
「ちょっ、秋山ちゃん冗談きついよ~。」
麻里衣のそんな一言でスバルに冷や汗をかかせる人物、井上莉咲(18)とは
同じく生徒会の一員であり会計を受け持っている。
そして副会長であるスバルとは幼馴染なのだ。
大体スバルが心身ともに莉咲の尻に敷かれている光景をよく目にし、
本人いわくただの腐れ縁で仕方なく高校まで一緒らしいがはたから見ればいいカップルだ。
「ってーかお父ちゃんがいないじゃん。」
「あっ!ショルイ、しょるい、書類・・・」
スバルの何気ない言葉の中に唯の世界一、いや宇宙一苦手であろう人の名前が比喩されて
含まれていたにも関わらず瞬時に理解し同時に本人がいないのに背筋を凍りつかせ
書類への漢字変換がすぐに出来ない程の恐怖をもたらす
例の人物に命令されていた書類を鞄から慌てて取り出す。
慌てすぎて逆に鞄からいろいろなものが飛び出し紙やらシャーペンやらお菓子が宙を舞う。
「ぬごぉっ!」
さらに慌てて拾おうとした唯が何もないところで躓き転倒しかける。
しかしそれは未然に防がれた。
なぜなら転びそうになった唯の目の前にちょうど生徒会室の扉を開けた
男子生徒が入ってきて彼女の肩を掴んだためであった。
「危なかったぁ。ありがとうございま・・・」
お礼を言おうと顔を上げるとそれはよく見知った人物でこのようなことが起こった原因でもあった。
「おう、藤原。お前書類はどうした。」
「書類ですね!バッチリですよ、ちゃんとここに・・・・・」
床に目をやるとしっかり唯の足に踏まれボロボロになってしまった書類があった。
「藤原・・・」
「・・・すいません、申し訳ないです、かいちょー。これはですね・・・」
「言い訳無用。」
今唯が真っ青になっている眼前にいるのが学校の帝王・・・ではなく生徒会長の
高千穂結弦(18)その人であった。
う~んこれからどうしよう