1/5
+1 毎日の日課
アラタユズです。初投稿ですがよろしくお願いします
Middle=中央、中間
友達は「こんなド田舎に産まれて最悪」とつぶやいていた。
服を買いに行くのにも、食料を買いに行くのにも山を越えなければならない。
それが嫌だと毎日ように毒を吐いていた。
そんな友達の言葉を毎日のように聞き流していた。
代わりに、貞木夏子の目線は常に机に突っ伏している八田蒼に向けられていた。
「夏子……聞いてる?」
「聞いてる聞いてる」
「嘘ばっか!あんた蒼くんのこと見てるじゃん」
「だって……!蒼ってわたしが目を離すと何かしら―――」
ぐだぐだと蒼がどれほど心配させる奴なのかを夏子は日課のように語る。
それが夏子にとっての日課だった。
―――ただ、平和で平凡な楽しい毎日。
夏休み前の高校3年生にとっては非常にゆったりとした雰囲気だった。