資料探し
三題噺もどき―きゅうひゃくじゅうよん。
館内には時折、紙をめくる音が聞こえてくる。
新聞はばさりと大きな音を立てて動く。
いきなり聞こえると少し驚きはする……そんなに大仰な音を立てなくてもいいのにと。
「……」
それ以外は、居心地のいい空間が広がっている。
去年か一昨年までは、勉強をする騒がしい学生もいたのだけれど。
いつからか、勉強スペースが外に用意されている。
「……」
もとから、それ用の部屋というのはあったのだけど、さして広くない。
それに静かにして勉強をしなさいと言うルールが守れない人間が一定数以上いるのだ。
話しながらとか、電話をしながらとか、そういう事がしたいなら家ですればいいのに。
まぁ、外とは言っても建物内ではあるので、暑くはないだろう。
「……」
私はここに、図書館に勉強をしにくることはないので使うことはない。
静かな館内で、本を探したり本を読んだりしている。
今日は探し物があってここに来ていた。
「……」
なんというか、何のためにしているのか分からない、自由研究というモノが夏休みの宿題にはあって。
正確には、大学で行う論文を書く練習という目的らしいのだが……自称進学校の癖に面倒くさいことをしてくれるものだ。
「……」
まぁ、用はそれの為に本を探しに来たわけで。
今まではテーマが決まっていたのだけど、今回は自由にしていいと言うことだったので、趣味に走ることにした。大まかなルールとして、文学作品と限られている。
……これを文学の領域に収めて良いのかどうかは正直分からないと言うか、どうなんだろうというかんじだが、読み物でもあるからいいかなと思って。
「……」
神話の本を探しに来ていた。
日本神話にしようかと思ったのだが、今回はケルト神話にすることにした。
星の話が多いギリシャ神話もいいと思ったのだけど、星も好きだし。
「……」
ただまぁ、その辺は他にもいるだろうと思って。同じというのも味気がないし……まぁ、単に小学生の頃から読んでいるラノベにそのあたりが出ているからと言うだけなんだけど。
しかしこの図書館にその本があるかどうかがまず問題なのだ。
あったとしても、1冊2冊だろう。
「……」
だいたいこのあたりにまとめてあるはずなんだが。
当然のように日本神話は沢山ある。
その中でジャンル……とういうか事細かに分けられてもいる。
結婚の話とか、男女の話とか、うそつきの話とか。なんか渡り鳥が出てくる話があって、それはなんとなく記憶があるが、何の話だったか。
「……」
図書検索では何冊か引っかかったのだが……探しきれないな。
なんというか、それなりに古い本なのか表紙が若干見づらい。
そして神話がまとめられていると、目が滑りまくるので探すことに集中できない。
「……」
もうこうなってくると自分でも満足するまで探すしかないのだけど。
そういえば、あの子は何をすると言っていたかな……同じくこの手の話が好きだからてっきりこっちにすると思っていたのだけど、確か違ったのだ。
何かのアニメの影響で好きになった文学者がいて、その人の作品だったかな。
「……」
あとでその辺も見てみよう。
作者は割と有名な文豪だったから、見れば思いだす。
近代文学の誰かだったと思うんだけど。
「……」
まぁ、その前にとりあえず目的のものを探さないといけない。
なんというか、日本神話でもいいような気がしてきた。
ケルトが見つからない……検索で調べた場所的にはここなんだけど……。
「……」
様々な神話が並んでいて、どれも気になって仕方ない。
いっそ、三つくらいの神話で似たような話を集めると言うのでもいいのかもしれない。
それが自由研究としてうちだしていいのかは定かではないが……何も決めなかったあちら側が悪いという事で。
「……」
そうしよう。
大抵の話がまとめられている、日本神話大全みたいなやつと、それと同じようなギリシャ神話のもの。あとは、ケルト神話……あった。こんな所にまとめられているとは。このタイミングで見つけるのもなんというか。
「……」
三冊くらいあればいいだろう。
また追加で必要な時は来ればいいし。
「……」
さて、近代文学の棚はどこだったかな。
お題:渡り鳥・星・うそつき




