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名前の読み方が同じだから聖女として間違い召喚されました。勇者活動より弟妹の食費稼ぎを優先します  作者: #とみっしぇる


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60/73

60 ミヤギ編のイベントはクリアした

『勇者5』、6人目の勇者候補を見つけた。


魔族で白鬼のレオンだ。


けれど今までの勇者候補5人みたく、アストリア視聴者もレオンの行動を予測できねえ。


ストーリーではヤマガタエリアのツルオカ侯爵軍と敵対してた。


リアルレオンは、そいつらと一緒に進軍してきた。


さらに、ツルオカ侯爵軍を見捨てて逃げた。


アストリアのコメント欄

『白鬼レオンってチャラいけど、優しいはずだよな』

『孤児院に住んでて、弱者を守る。義賊レオンだよね』


『けど、逃げたレオンのセリフからすると、金で動く人間だな』

『守銭奴聖女みたいだな』


金銭の話になると、私がディすられるのセットになってる。


『イメージが・・』

『ほら、勇者候補1番目のカラッパ、強制力が解けたらチンピラだったよな』

『そうか、ヤマト世界のレオンが義賊レオンの性根を持ってるとは限らないのか』


『そもそも魔族と敵対してる、リアルなヤマト世界のジペングだと、魔族のレオンは「勇者5」みたく家を借りられないよ』



みんなが、あとで改めてレオンに関して分かることを教えるって言ってくれた。


まずは目の前の2000人のツルオカ侯爵軍を、500人のダテ伯爵家防衛隊と協力して退ける。


まあ、勝てると思う。


敵から切り札のレオンが抜けた上に、平原に大きな穴を開けた私が援軍に来た。


私がダテ陣営がある小高い丘に戻った。それを追うように、敵が動き出した。


「みんな、私が最初に援護射撃する。それから切り込め」


「サラ殿、お願いします」

「おう!」

「おう! 美しき守護神よ」


こんな、むずがゆいこと言われると調子に乗るぞ。


「さて、地形的にも向いてるし、水攻めでもするか」


『おっ、このパターンの魔装版って初だよな』

『敵より味方が驚くんじゃね?』

『俺らは聖女派だからな。ワクワクだぜ』

『超マイノリティだけどねwww』


私の固定ファンが応援してくれる。聖女サラチャンネルなのに、登録者数の1パーセントも満たないけどな。


敵には悪いけどファンの期待に応えよう。


結界魔装版で『着火』は何度も使ってるけど、魔装版『給水』は初めて。


残りのMPは1529。


シロウの治療や、念のための魔装1回分は残す。


MP329を指先に注いだ私は、うろ覚えのダイタロスウエーブの呪文を唱えた。


シロウ、アリアに続いて、ビシッと決めたいやん。


「水の龍、なんちゃらの化身よ。荒れ狂う波のごとく、え~と、水を吐け」


丘の裾まで敵が迫ってる。ごめんな、私が女神印のチートで。


『給水』


視界が透明な水で遮られた。


高さ10メートル、厚さ20メートルくらいの水の壁ができて、一気に丘の下の方に流れていく。幅も300メートルはありそうだ。


ツルオカ侯爵軍の2000人は水に押し流された。


ドドドドドと、地鳴りみたいな音がしてる。


敵の悲鳴が聞こえる。水から顔を出したやつも、たちまち激流で流されていく。


「サ、サラ殿」味方からの上ずった声も聞こえる。


ハッキリ言ってやりすぎた。


水は5分くらいで引いたけど、敵兵で普通に立ってるやつはいない。


「私が道を開いた、いけえ!」


「敵将と副官、士官クラスだけ討ち取れえ!」


こっちの指揮官が叫ぶと、ダテ伯爵軍が駆けて行った。


敵は、数人が斬られたところで撤退。勢いが違いすぎる。私も後ろに付いていって、援護態勢は万全。


逃げ場も限られてるから、来た森の方に戻っていった。


魔物だらけの山脈を越えて、自分の故郷に帰ってくれたまえ。


帰りの奴らに白鬼レオンの援護はない。


1時間後。


「我らの勝利だ!」

「ダテ伯爵軍、ばんざーい」


「守護神サラ殿を讃えよ!」

「うおー!」

「おおー!」


恥ずかしいながらも、私もアリアみたく囲まれて勝鬨を上げた。


コメント欄

『聖女、あの威力で「給水」は不味いの分かるけど・・』

『ダイタロスウエーブと見せかけるにしても・・』


『唱えるなら、呪文くらい正しく覚えようよ』


シロウの斬鉄乱舞、アリアのイカヅチみたく、格好よく決まらなかった。


そして神器ドロンと神器スマホは神の力で、私が呪文を間違えるところを3度くらい繰り返して編集してた。


◆◆

一緒に戦ったみんなと、闘技場に戻った。


私とシロウの決勝戦?


やらないよ。シロウはミヤギ、そしてイロハ姫の勇者になった。


それで十分だろ。



「サラ、みんなで港を守ったよ」

「おう、見てたぞ。アリアが輝いてた」


「・・ん」

「抱っこか、甘えん坊だな」


ぎゅっとした。


「えへへ」


私とアリアは、そこから働いた。


魔族、ツルオカ侯爵軍の襲来では軽傷者ばかりでも、武闘会で怪我人が山のように出た。


シロウはヒーラーが応急処置してなお、肋骨合わせて3本骨折、右肩と全身の斬り傷、打ち身多数が残ってた。


さらに普通のヒーラーでは治せなかった奴らを4人程治療した。


「サラ殿は回復魔法も使えるのですね」


「ん? 当たり前だろ。だって私、ヒーラーだぞ」


正直に回復職だと言っても、誰も信じねえんだよな。


結局、武闘会はシロウが優勝、私が準優勝で落ち着いた。


アストリアの女性視聴者から、シロウが何とか生き残ったことでお褒めの言葉をもらった。



◇聖女サラチャンネル◇

登録者数837万人

スパチャ合計8459万ゴールド


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