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名前の読み方が同じだから聖女として間違い召喚されました。勇者活動より弟妹の食費稼ぎを優先します  作者: #とみっしぇる


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56 シナリオなら二方向、リアルは三方向

アリアが頑張ったけど、シロウに勝てなかった。


アリアは傷だらけでも胸を張って帰ってきた。


変な慰めはしない。総力戦なら勝てたとか曖昧な言葉、アリアは欲しくないと思った。


「サラ、負けちゃった」


「アリアは強くなってる。大丈夫だ」


「もっと強くなる・・ありがとうサラ」

「ほら、来いよ」


闘技場から降りて足がもつれたアリアを両手で抱き留めハイヒールをかけた。


コメント欄も、アリアへのねぎらいの言葉が山のように寄せられた。


◆◆

私とシロウは淡々と勝ち上がった。


アリア自身は気持ちを切り替えてる。本当は見えてねえけど、上空のドロンから送られてくる映像に何か映ってると言った。


魔族の襲撃に備えて、動ける準備をしてくれれる。


◆◆

早くも決勝戦のみとなった。


私は準決勝で早々と虎獣人を倒し、シロウも斧使いを力で制圧した。


1時間後に決勝となって様子を見てたが、事態は決勝の10分前に動き出した。


ドロンが映した。


東の海の方に魔族軍の船、西の山の方にヤマガタエリアから来たツルオカ侯爵軍が現れた。


どちらも予想を上回る人数、侯爵軍が2000人くらいの軍勢。魔王軍は100人乗れそうな船が7隻もいる。


ダテ伯爵軍は山側に500人を配置。そして海側には通常の沿岸警備隊で40人しかいない。


増援が来る予定だったけど、別の地区にも少人数の魔族が現れて対応に追われてる。


高く飛ばしたドロンのカメラが海と山を同時にとらえた。


「うわっ、東西でおんなじタイミングかよ。数が多い山から片付けるか・・」


「サラ、私にもドロンからの映像が見えた。私に東の海の方に行かせて」


「え、別行動かよ。それは・・」


「私達が行かない方に確実に死人が出る。私は自分を歓迎してくれたダテ家の人を誰も死なせたくない」


私の頭の中には、嫌な記憶がよぎった。オオミヤコロシアムとトコロザワダンジョンに分断されたときのことだ。


アリア、サラマンダーに殺されそうになった。本当に怖かった。


あの時から肝心なときにはアリアから離れないって誓った。


アリアは、そんな私の気持ちをくみ取ったかのように微笑んだ。


「ありがとうサラ。けど大丈夫だよ。あのオオミヤコロシアムのときの私じゃない」

「・・アリア」


「サラが強くしてくれた。オユキサンだっている。新しい呪文も手に入れた」


私は拒否できなかった。



「サラ、あなたの勇者を信じて」


「ああ、信じる・・」


闘技場にいるマサムネ公には、まだ自分の伝達係から連絡が入ってない。けど私とアリアが『そういう存在』だということは把握している。


「伯爵、事態が動いた。決勝戦は延期だ。海と山から同時に敵が来てる」


「なに!」


「私が山、アリアが港に行く」


「サラ殿、ここにいるダテ家の兵士も出撃させる」

「ダメだ。闘技場付近の警備兵は1人たりとも動かすな。シロウも残ってくれ」


山側からの襲撃は『勇者5』のシナリオとは関係ない。けれど海からの魔王軍は間違いなくストーリーに沿ってる。


だから、魔族レオールの動きも連動しているはずだ。


「恐らく、ここに別働隊か手練れが来る。イロハ姫が狙われる」


アリアと一緒に飛び出そうとしていたシロウの足が止まった。


「シロウはここでイロハを守れ」


「分かりました」



アリアは海に向かうため東の方に走り出した。アリア用ドロンには、魔王軍の船が見え始めている。


私は自分の撮影用魔道具ドロンをシロウのところに残し、山の方に走り出した。


あっという間に10キロの道のりを走り、ダテ伯爵軍の防衛拠点が作られた、小高い丘に辿り着いた。


「うす、手助けにきたぜ」


「サラ殿、ありがたいですか、敵が予想以上に多くいます。我々が食い止めます」


眼前には平たい草地。


山の木々の間から兵が現れてくる。先頭には、やたらと大きな「気」を発するやつがいる。


「サラ殿はお逃げ下さい」

「そうです」


さすがはシロウの仲間。みんな嬉しいこと言ってくれる。


「気持ちは受け取った。けど、逃げるのは断る!」


そしてセンダイ闘技場。


決勝戦をやるはずだった舞台の上にグリフォンが飛んできた。背中には男が乗っている。


そいつが舞台に飛び降りた。


身長185センチ。上半身が発達してバスタードソードを持っている。黒髪で額に短い角が1本生えている・


「あれって視聴者が教えてくれた魔族だな。シロウ、任せたぞ」


コメント欄

『タイミングが予想通り。やっぱ来たよな』

『きっと狙ってた』

『レオールだ、間違いない』


レオールはシロウに目を向けた。


「きれいな姉ちゃんはどっか行ったけど、これから決勝戦だったよな」

「それがどうした」


「刀使いの兄ちゃん、俺と決勝戦やろうぜ。俺が勝てば優勝で勇者オーブと姫さんをもらってくよ」


「何を勝手に決めておる」


「堅いこと言うな。そこの美人の姫さんも生かしとくって。性奴隷として末永く可愛がってやるよ」


「貴様!」


シロウが居合の構えを取って踏み込んだ。一撃で決める気だ。


RPG『勇者5』のレオールはレベル50でHPと攻撃力が900。


そのパワーを持ってしてもレベル48のシロウと相討ちだった。


けど画面に映ってるヤマト世界のシロウは、レベルを77まで上げてる。


攻撃力は1309もある。


しかし、ガキンって音がして、レオールのバスタードソードでシロウの刀が受け止められた。


何かがシナリオとは違う。


けれどこっちも戦いが始まりそうだし、アリアは早くも港で魔王軍を迎え撃とうとしてる。


それぞれの防衛戦が始まる。

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