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名前の読み方が同じだから聖女として間違い召喚されました。勇者活動より弟妹の食費稼ぎを優先します  作者: #とみっしぇる


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53 勇気をもらったから前を向ける

ミヤギエリアの武闘会2日目。今日はトーナメント1回戦で優勝争いが16人まで絞られる。


そのあとは、生き残った挑戦者が招かれ、マサムネ・ダテ伯爵やイロハ姫と激励パーティーだってよ。


そこで、伯爵かイロハ姫が、私とアリアに接触してくると思うぞ。


だって伯爵も姫も、あからさまに私とアリアを見て目が光ってる。


物理的にな。


親子そろって持ってる心眼スキル発動させてる。挨拶の儀式が終わってもガン見されてるぞ。


女神にもらった力を見れるんだったらアリアが勇者、私が使徒だとバレたな。


とりあえず、そこは勝ち上がってからだな。


◆◆

さて、アリア、シロウ、私の3人の中では、第8ブロックを勝ち抜いた私が最初に登場。


もちろん撮影用魔道具ドロンは私用もアリア用も、2台がフル活動。


アリア用をはるか上空に飛ばして、会場の全景も映した。


私は第7ブロックの鳥獣人が相手。組み合わせは単純に、最初のバトルロイヤルのブロック番号順。


15分ほど格闘。

「うわっ、こいつ思ったより速いな」

「ぐっ、俺のスピードがとらえられてる。この女、なにもんだ」


ぱしっ、私が鳥獣人の右腕を手のひらでたたいた。彼の両腕は、私の手形だらけ。


ダメージがたまった鳥獣人は、大ジャンプからナイフ攻撃で勝負をかけてきた。私は少し避けながらキャッチして、相手を場外に投げた。


ステータスは圧倒的に私が上。けど最近は戦闘と鍛練が少なかったから苦戦した。やっぱ私ごときが油断しちゃいけねえ。


強かったし急所も狙ってこなかった。相手に敬意を払おう。


「ぐぐっ」

「大丈夫か。ハイヒール」


「・・あ、すまん」


黒髪ハンサムに赤い顔されたよ。


実力者同士の接戦が続いて会場が盛り上がった。


第29ブロックのシロウ、第30ブロックの剣士戦も白熱してた。


「きええええ!」


シロウはミスリルの刀で、スパッと相手の鉄剣を切り落とした。


「ぐ、まいった。完敗だ」

「武器の性能のおかげでござる。決して楽に勝てた訳ではありませぬ」


アストリア女子

『シロウ様優しい~』

『勝ったあと、イロハ姫と目が合ってたよ』

『淡い恋って感じ』


『イロハ姫、モブ顔だけどね』


だからイロハは、ヤマト世界では美人なんだってば。



次は本日の最終戦。

第31ブロックのアリアVS第32ブロックのエルフ男子レベル38。勝った方が、明日のトーナメント1戦目でシロウと対戦なんだよな。


「よろしくお願いします」

「ハーフエルフごときが、よく勝ち抜けたな」


ムカつくくらいの上から目線。


コメント欄

『アリアちゃんが挨拶してるのに、相手の態度悪い』

『俺たちのアリアちゃんを見下しやがって』

『負けるなアリアちゃん』


「アストリアのみなさん」


『なにアリアちゃん』


「ありがとうございます」


『なにが』

『なにに?』


「いつも励ましていただけるから、あんな風に蔑まれても、前を向けるようになりました」


アリアは試合開始とともに飛び出した。


エルフの鉄剣を軽くいなし、ナイフを相手の胸当てにトンと当てた。そして離れた。


「手加減したつもりか。今のは刺されても大したダメージにならん。本領はこれからだ。身体強化レベル4」

「・・・身体強化レベル2、そして勇者のパワーアップ」


身体強化は詠唱込み3秒で成立。エルフとアリアは戦いを再開した。


「ははは、私の身体強化は40パーセント増。ハーフエルフの身体強化は10パーセントが限度だろう。いくぞ!」


「・・この人、怖くない。私、サラに強くしてもらったんだな」


アリアは秘かにパワーを上げただけじゃねえ。


私と出会ってからも、その前も、弱者の立場で挑戦し、培ってきた技術がある。


相手がウインドカッターの詠唱をしても、発動する前に間を詰めて接近戦に持ち込んだ。


コメント欄

『いいぞアリアちゃん』

『頑張れ!』


「ありがとう、みなさん」


真剣な目だけど、アリアの口から自然と感謝の言葉が出てた。


剣とナイフが何度も交差した。アリアはみんな競り勝ってエルフの胸当ての真ん中にナイフを当てた。


10回目のナイフを当てた。


「まいったとでも言わせたいか、このハーフエルフが!」


吠えながら大振りになった縦斬りをアリアは左のナイフで止め、エルフの懐に入った。


11回目のナイフは顎の下に当てた。少し血がにじんだ。


「降参して下さい」

「うるさい、ハーフごときに見下されてたまるか!」


エルフが剣を振る前に、アリアはナイフ2本を手放し、左肘で相手の右手を封じた


そして右の掌をエルフの腹に当て、右足を地鳴りがするほど踏み込んだ。


『サラ直伝の掌底&ビリビリ』


バチバチッ。「ぐううううっ!」


アリアはエルフの腹に電撃掌底をめり込ませた。


そのままエルフは、場外に飛んでいった。


「サラ、私が大きな舞台で勝てたよ。ありがとう」


「アリア、すげ・・」


こっち見て優しく微笑むアリアに、私、ちょっとドキドキしてる。

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