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名前の読み方が同じだから聖女として間違い召喚されました。勇者活動より弟妹の食費稼ぎを優先します  作者: #とみっしぇる


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52 イロハ姫、アストリアでは少しブス

センダイの街の武闘会。2日目。


生き残った32人で決勝トーナメントが始まる。


今日は16試合で半分に絞られ、明日は決勝まで。


優勝者は、イロハ姫から薄緑の勇者オーブを渡される。


できればシロウに優勝してもらう。


そこからアストリア視聴者が描いてくれた筋書き通り、私が動く。



オーブ授与の儀式のとき、私が結界魔装して超速移動。第3のオーブと手持ちの付与魔法のオーブとすり替える。


イロハ姫がすり替えられたオーブを割っても、シロウには大して変化がない。さすがに誰もが変だと思うだろ。


だから、その後にシロウに新スキルを発動させてもらいたい。


シロウはレベルが75を越えた。スキル「斬鉄」の進化版を覚えてる。


その名は『斬鉄乱舞』


ヤマト世界のジペング国でシロウと同じタイプの剣士が、レベル75まで到達できた前例が残っていない。


イロハ姫にオーブを渡されたとき、私がシロウの新スキル発動の手助けをせよと、視聴者に言われてる。


シロウと同じ「斬鉄」を持つアストリアの視聴者によると、進化スキルには派手なエフェクトが付いてるんだってよ。


さらに威力もすげえ。


人前で披露すれば誰もが、シロウは勇者の力を手に入れたと勘違いするだろうと言ってる。


このアイデアをくれたアストリアの魔族剣士さんは『斬鉄乱舞』でエルフ女性を救い、それがきっかけで救った女性と結ばれたそうだ。


だから夫婦でシロウを応援している。



『シロウ君がミヤギのご当地勇者になって、イロハ姫と結ばれてほしいわ。ねえ旦那様』

『だよね』


『あのときの旦那様、本当に格好良かった』

『シロウさんも僕らのようにラブラブになるよう、頼んだよ聖女さん』


コメント欄でのろけてやがる。


ただ、シロウが新スキルを正しく発動できてない。


発動条件は二刀流。だけどシロウは一刀流の鍛練しかしてきていない。


そして何か、心構えのようなもんが抜けてるような気がすると本人が話してた。


旅の道中で何度も練習してるけど、中途半端な斬撃しか出てない。


なぜか単なる『斬鉄』より威力がない。


ダメだったら、当日に別の手を考えよう。


◆◆

片目を眼帯で隠したマサムネ公が会場に現れ挨拶した。

横にはイロハ姫がいる。


2人のこと、みんながダンディとか美しいとか言ってるけど正気か?


イロハ姫に至っては、どちらかといえば私に似た『北欧系』の残念な顔。救いはしっとりストレートの黒髪くらいだ。


「あ、そうか、ヤマトじゃ私みたいなアストリアのブス顔が美人だった」


自分でも何を言ってるか分からない。


コメント欄

『シロウが命懸けで守るイロハは、アストリア人みたいで可愛くないな』


『黒目だけど、目が大きくて鼻が高いだけ』

『まあ、聖女程度が美女扱いのヤマト世界なら、イロハ姫が美人なんだろ』


みんな容赦ない。ついでに私がディスられている。


「うわあ、イロハ姫ってサラみたいでキレイ・・」


「なに言ってんだ。アリアの方が美人だぞ」


「え・・」照れてるアリアも可愛いのう。



「皆のもの、よく来てくれた。これより2日間に渡り、決勝トーナメントを行う」


私達は前に出た。


ヒト族が20人。獣人6人、エルフ5人。ハーフエルフはアリアのみ。


『勇者5』だと魔族もいて、各種族が均等に8人ずつ勝ち上がる。だってゲームが作られたアストリアには魔族も他種族との垣根はない。


アストリアのゲームユーザーは、エルフがいれば、バンパイアもいる。


けどヤマト世界のリアルは現在、魔族と他種族で交戦中。さすがに、ここで魔族は参加しない。



いたずらっ子が大人になったマサムネ公が最後に大声を出した。

「さあ、てめえら、盛り上がっていこうぜ!」


おおおー、おおーと、このマサムネ節に慣れている地元民が、手を上げて応えた。


「うっし、いい試合頼むぜ」


そう言って、32人をマサムネ公が見ていく。


す~っと視線が流れ、シロウのとこで止まった。けどシロウは気付かない。シロウはイロハ姫だけを見ている。


イロハ姫もシロウだけを見つめている。


苦笑いのマサムネ公。


次に私達のとこをす~っと見た。次の参加者に行こうとしたら・・視線が戻ってきた。


2度、3度と私とアリアを見てる。眼帯を取って目を開いてる。


「アリア、なんか気付かれたかな。特殊スキルが見えたとか」

「大丈夫だよサラ」


「なんで?」

「サラの強さが見えたら逆に、敵対しようとか思わないよ」


「そうか。女神ステアにもらった反則パワーだけどな」

「ふふふ」


最近のアリアは、この辺に関しては余裕が出てきた。


ぼそっ。「いつも守ってくれて、ありがとう」


「ん。なんだってアリア」

「ふふふ」


さあ、ここから決勝トーナメントだ。


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