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5 ここはどこ?

女神様のミスで破格のスキルをもらえたけど、女神様のミス追加。


レベル10の私がレベル80のコカトリスと戦わされた。


「ふう。よく死ななかったよ、私」


配信向きの映える戦いは無理だったな。


けど、間違いなく稼げる条件が揃ってる。


ボス部屋で脱力して座ってたら、ミスリルインナーとミスリルナイフ2本が出てきた。これが噂の初回クリア特典。


そして、このダンジョン、誰もクリアしてなかった。最初の攻略者特典で10メートル収納指輪のボーナスも出てきた。


早くもミスリル装備を手に入れた。


うん、魔装は解いた。装備中は『神気』を纏える。黒いけどな。

能力10倍のバケモノスキルだから、MP800のうち700も持っていかれて、装着可能時間は1時間。


相当にレベルを上げても、切り札としてしか使えない。


まあ、ミスリルインナーもミスリルナイフも手に入ったし、当分は聖魔法と生活魔法を鍛えるために魔力を使おう。


勇者パーティーに合流すりゃいい。過去の勇者パーティーも、初級ダンジョンから順に攻略して無理なく戦っていったと聞いてる。


基本、日本人は黒髪細目の美形ばかりなのに、物腰柔らかだってよ。


私らみたいな平凡アストリア顔を『北欧系』って言って、愛を語るそうだ。結婚相手もみんな、平凡なアストリア人を選んでる。


美的感覚は狂ってるようだ。


「勇者、賢者、拳聖の誰かが男子で、私なんかでも一目惚れされたりしてな。うっしっし」


こと切れたコカトリスの頭に手を当てて『収納』って念じたら、コカトリスを収納できた。


大量の高級鶏肉だ。


早く帰って、孤児院のガキどもの前でコカトリスを出してやる。


今日からしばらく、高級鶏肉パーティーだ。世話になってきた街の人にも肉を振る舞おう。


他の素材売って、孤児院の屋根直そう。


「すげえ私。危ねえとこに飛ばされても、トータルすりゃ、とんでもねえプラスだな」


ボス部屋の隅に現れた転移魔法陣に乗って、今、ダンジョンを出た。


渓流地の岩と岩の間に出口。どうも、未発見ダンジョンのようだ。


出てきたのは聞き覚えがないウスイ上級ダンジョン。全50階のダンジョンボス部屋。


神器スマホに呟いたら、データが流れてた。すげえよ神器。


飛ばされる前にいたレトロの街から、どのくらいの距離か分からない。


神器スマホにレトロの街って言ったのに『ERROR』って謎の表示だ。どこを表してる。


「ん?配信中…。あ、カットって言ってなかった。カットーー!」


私がワンピースからミスリルインナーに生着替えするとこ、丸ごと配信された模様。アストリアの皆様に、お見苦しいものを見せちまった…。



ショックより、いい気分の方が上回ってる。


「そうだ、無限収納あるし、収納指輪はシスターマリアにあげよ。喜んでくれっかな」


初配信の反響なんて期待してねえけど、レトロに帰ったら反響でも見てみるか。


まずは、このダンジョンがあるのが、どこなのか把握せねば。


◆◆


ところが地上に出て2時間。川沿いを歩いてやっと街道を見つけて少し歩くと、明らかな違和感。


黒髪ストレート、ロングヘアの女の子が通りかかった。


耳が私らヒト族より5センチくら上に尖ってる。エルフっぽい。


けどエルフの耳って、普通は細長くて10センチくらい横に広がってる。


違和感あるけど、まあいい。


「おっかしいな~、アストリアに来る黒髪って日本人しかいないはずだよな。日本にはヒト族しかいないって聞いてるのに…」


困った顔してると、心配そうに声かけてくれた。


「yhrじえろfhgjえりsh」

「え?なんだって?」


なぜかアストリア共通語が通じぬ。各種族の国際的な1000年間の努力により、世界の9割の地域で使えるらしいのに。



それらから思いつくこと…


「レトロの街どころか、遠い国に飛ばされてねえか?」


言葉通じぬ↓文明圏が違う↓独自の文明にこだわる北の島国?


女神にやられちまってるよ。2段構えの女神トラップだ。


レトロの街だと、北の大陸から2万キロとかって話じゃねえか?


「ちくしょう、もう夕方だ。どこかで宿を取って明日から…あ、あれ、あれれ?」


ふと空を見た。


空に、ありえないもん浮かんでた。それ、女神の2段トラップどころか、3段トラップだったのかも。


「お、おい、月が……」


アストリアでは2個の月がある。


なのに上を見上げると、なんと4個もある。


2つは普通の青みががった黄色。残り2個は赤い。


目の前には、アストリアでは日本人から遺伝しねえ黒目黒髪の美女。

そして彼女にアストリア共通語が通じねえ。

さらに増えた月。


またラーニング機能により、冒険者の言葉も分かってきた。


「あなた、どこから来たんですか?」

「アストリアってとこ」

「え? 初めて聞いた地名ですね 」


「やっぱり…」


そこから、さらに推察すると…



「私って、どっか違う世界に異世界転送されてるんじゃね?」


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