33 タイミングはストーリーに合わせろ
偶然に知り合った双子が、サイタマ領に恩人を助けに行く。『勇者5』の登場人物であることが濃厚。
『勇者5』のストーリーに完全に沿ってなくても、私もアストリア視聴者も文句はない。
双子のアリアに対する接し方も、ほんの数日で丁寧になった。
やんちゃそうなミリーの性格も、思ってたより柔軟だ。マリーは最初から丁寧だし。
◆
「サラさん、アリアさん、2人が手助けしてくれるのは心強いぜ」
「ミリー、態度が変わりすぎよ」
「ぐっ。それ言うなマリー。2人の実力を見抜けなかった私が未熟すぎた。申し訳ない」
「構いませんよ、頭を上げて下さい」
「アリアがこう言うなら許したる」
最初、双子の手助けを申し出た私達の実力を知りたいと言ったミリーと、木の枝を拾って模擬戦をした。
剣士タイプのミリーに、私達は軽く制圧された。私は素手なら強いが、刃物を持つと弱くなるのだ。
双子は不安な顔になった。ミリーなんて苦笑いだぞ。
だけどよ、私達の本質は別モンだ。実力の片鱗を示してから評価は一変した。
双子が乗るチェキボーが必要だから、私が走って捕まえた。
チェキボーのステータスで速さが800あっても、私は1325。簡単だった。
同時にオオカミ10匹が現れたけど、アリアがビリバリの魔法からナイフ術で、瞬く間に瞬殺。
綺麗な貴族の教科書に載ってそうな戦い方はできなくても、実戦向きになってるのが私達だ。
ミリーだけじゃなく、マリーも驚いていた。
ミリーの口がぽっかり空いてるのを見て、アストリアで視聴してるアリアファンの溜飲も下がった。
◆◆
コロシアムの救出作戦には4人だけで乗り込むことになった。
ニッコーの森からチェキボーに乗って、南西に向かう。
距離があって山越えになるからトチギ領からサイタマ領、そして宿敵クマガイのいるオオミヤまで順調にいっても、残りは1日。
それを過ぎるとミリーとマリーの恩人が素手でサラマンダーと戦わされてしまう。
『サイタマ解放団』ってレジスタンスもいるようだけど、合流する時間もない。
だから、私が秘密裏に動こうとしたら、アストリア視聴者に止められた。
結論。
首謀者のクマガイは、コロシアムでサラマンダー、魔族と一緒に倒す必要がある。
これ、アストリアの『勇者5』ファンからの助言
本当は、サイタマに到着した直後、魔装変身からクマガイの拠点に特攻のつもりだった。
『聖女、クマガイをこっそり倒す気か?』
「ああ、そうすりゃアリアも双子も、エルフ族も無事に助かるだろ」
『「勇者5」の強制力があるとして、そこで解いたら、その先がヤバいかもだぞ』
『リアルな世界に悪影響を及ぼすかもしれん。やめた方がいい』
『コロシアムで魔族とクマガイを同時に倒すのが、必須条件だと思う』
「なんでだ?魔族もまとめて暗殺したらいかんのか?」
『その魔族の居場所が問題なんだよ』
『勇者と5つのオーブ』。サイタマ編で出てくる魔族は、希少な催眠魔法の使い手・インキュバスのラリホー。
このヤマト世界でも、間違いなくラリホーに当たる魔族がいるということだ。
証拠はクマガイのクーデターと同時に、カスカベ侯爵を裏切った元忠臣が多すぎること。
また、コロシアムでエルフと戦わされるサラマンダーを操れる。
多人数を誘導しながら、サラマンダーを操れるレベルの催眠魔法の使い手。アストリアにだって、めったにいない。
「じゃあ、ラリホーがどこにいるか、誰か分からねえか?」
『無理』
『ヒントがない』
RPGの中では、コロシアムの場面でいきなり現れるキャラ。
ヤマト世界のサイタマエリアに確実に存在している。けど、顔さえ分からない。
今回の真犯人はラリホーで、クマガイはラリホーにそそのかされたと考えるべきだそうだ。
もし私が今夜、クマガイを倒しても、第2のクマガイが現れるだけ。
今よりも面倒なことになる。
だから、コロシアムで敵をまとめて倒す必要がある。
勇者5のハードモードに出てくるサラマンダーはレベル44で火炎を吐く。HPは800くらいと高い。
代わりに操っているインキュバスのラリホーは、HP400程度。
私がサラマンダーを倒し、アリアにはラリホーを倒してもらおう。
んで双子にはクマガイ討伐させて、大団円だ。
双子が両方生き残ることは『勇者5』のシナリオにない。けど、そもそも私がアリアを勇者にしたとこでオリジナルストーリーから逸脱している。
それに双子は黒髪の美少女で、人間性も悪くない。アストリアの勇者5ファンも、悲しい結末を避けられることは歓迎している。
ストーリーの変化がアリアファンに受け入れられてるのは、コメントはもちろん、数字にも現れてる。
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