兵士試験編②
50人の兵士志願者には特別な靴が配布される。パッと見普通の靴なのだが「飛べ」と念を入れたら飛べるし「動け」と念を入れたら動ける代物。
この【弓靴】は弓矢も付いておりこの弓矢は無限に出せる。色も変える事が出来カスタマイズが可能。
「靴の色も納得いくまで変えられるってよ!なぁ!」
「あぁ、かっこいいな…」
桐敷のテンションの方が上だった。神谷は普通の反応をする。確かにかっこいいだが、神谷はカスタマイズする気分でもないためスタンダードな色で落ち着いている。
バランス試験。この靴は浮く事も出来るため便利なのだがバランスが厄介だ。これをクリアしなければ靴を着こなす事が出来ない。
「今回は問題なくバランス試験突破できてるな。あのドローンバカもクリアと…ん?」
桐敷の隣で宙ぶらりんになっている神谷を鬼塚は発見。
「何をしている…」
「何をしてるんでしょうね…アハハ」
鬼塚は呆れる。こんな初歩的なバランス試験を突破出来ないのかと呆れに呆れを重ねた。10人くらい笑っている。恥ずかしいという感情を通り越して無になっていた。
「なぁ教えてくれよ!こんなに頼んでるだろ!コツとか!」
「さぁ?自分で考えな」
「わりーな、俺天才なもんで」
佐原と桐木はゲラゲラ笑っていた。
「こんにゃろ」
「待て待て」
橘と柊が止めに入る。一発殴ってやろうかと神谷は思った。特に桐木を。
「アイツらに聞いても無意味だろ人選を考えろよ」
「そうだな…柊達にすれば良かったな」
「そゆこと」
「私達が付き合ってあげるからプププ」
「橘今笑ったろ」
「いえ別に?」
橘は誤魔化しの口笛を吹く。桐木はチッと舌打ちをした。だが聞こえてないためか振り返ろうともしなかった。セーフ。まぁ、ここで殴り合いしても桐木的にはいいのだが。
「もっと、空中にいるぞって感じで!」
「縦に縦に!」
どうしても宙ぶらりんになる。こんな靴どうやったら使いこなせるのか疑問しかない。
「熱い兵士志願者がなんかやってるぜ」
「見物だな」
クククと2人に笑われた。神谷は宙ぶらりんになった状態で畜生と叫ぶ。バカにされるのはゴメンだ。もう次でケリをつけたい。
ダメだった。また宙ぶらりんに。
「なんでこうなるかな〜」
柊は何回も成功した形を見せる。あんな風にバランスを保ちたいものだ。出来れば次のバランス試験までには突破したい。