機械獣現る③
お通夜状態にはならなかったもののヒリついた空気が肌に伝わるのが嫌だ嫌だ。
「機械獣はね、変則的に動くモノなの。ジン様でやっとよ」
「他のメンツもやってるさ」
涼子もジン推し。他の人の実力なんて知らなかった。盲目信者は怖い。他の兵士、【調査隊】は上手くやっているが【調査隊】の方が討伐経験豊富だ。兵士は工事やメンテナンス。ちなみに言うと奈須班もそうだ。
昼飯時、ジン様ジン様煩かった。涼子のジン熱は凄い。彼も今頃クシャミをしている頃だろう。
「んあっつ!」
「どした?」
「櫨かなんでも」
「誰かが噂してるんじゃないか?」
「まさかな」
櫨一郎と飯を食っていた。ちなみに牛丼だ。疑似牛丼だがこれがまた美味い。【研究者】のお陰でかなり上手く出来ている。
「この卵貰うぞ」
「あぁ使わないからな」
櫨はどうぞとジンに渡す。ジン隊長だが櫨との関係は同期だ。無礼講という訳では無い仲が良いのだ。多分、1部女子から人気の組み合わせだろう。
「いやぁお前がゲーミングチェア作るなんて言い出したから奈須おじさんビックリだよ」
「私は本気」
「マジかよ」
神谷と柊は目を合わせる。もう既に足は完成していた。クッションはどうするのだろうか?まさか木を滑らかに。
「滑らかにするのみツルツルに快適に過ごせる」
「ひえ〜」
滑らかにすれば木に座ってる感覚を忘れれると橘は言った。確かにその技術は他のであるが椅子で使うとは思わなかった。フワフワにはならないが快適に過ごせるらしい。1年はかかるだろう。
平和が後1年も続くのだろうかいや、今夜なのだろうか?明日か明後日か明明後日か。みんな楽観的だ。楽に生きようとしたこれがこの結果。しかし、平和は壁囲の中で繰り返されている。ゲーミングチェアを作るという目標が現実で実現出来るのだろうか??
「何の音だっ!」
神谷工房の外でガヤが生じた。地震か?いやこれは…
柊と神谷と橘は外へ出る。音の鳴るほうへ。みんな見ていた。みんなみんなみんな。平和が崩れる音。アレは蛇だろうか?白蛇だ。
「あの生き物、なんなんだ」
蛇自体みんな見るのは初だ。だって日本にいる生物は人類のみになったのだから。動物は絶滅した。
みんなはその空飛ぶ白蛇を見る。それは自爆した。みんな逃げる逃げる壁も壊れる。ジン達はその光景を見
「突撃〜!!」
【調査隊】達はすぐ判断できたが普通の兵士達は判断が出来る者と出来ない者達に別れる。機械獣が進撃して来た。壊れた壁の中からこんにちわ。狩る者、逃げ惑う住民、兵士達。
平和が崩壊し始めた。神谷達の鼻につく血の匂いが証明してくれた。
逃げ場はあるのだろうか?ジン達と奈須班、後藤田班、真田班が動いてくれているが…