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次の目的地

 私が一生懸命素振りをしている横で、ラウルが地図を見て何やら考え込んでいる。

 ……もしかして、次の目的地を考えてくれてるのかな?

 なんだか冒険っぽくていいなぁ、なんて。自然と頬が緩んでくる。素振りも気合がはいっちゃうね!


「……よし。ミザリー、今日はこのダンジョンに行こう!」

「うん、わかった――って今日!?」


 突然の今日の予定に、私はめちゃめちゃ驚いた。

 確かに月桂樹の短剣があれば、早く行けそう! とは思っていたけれど……。


「心の準備がまだです……!」


 くうぅと顔をゆがめながら伝えてみるが、ラウルは「ははっ」と笑うだけだ。いやいやいや、笑いごとではないのですよ。


「行くのは駆け出しの冒険者が行くダンジョンだから、問題ないって。な、おはぎ」

『にゃぁん』

「おはぎ!?」


 まさかおはぎがラウルの味方に付いている……!?

 ガガーンとショックを受けるも、確かにおはぎはスライムを倒してしまうスーパー猫ちゃんだ。ダンジョンくらい、おはぎは余裕なのかもしれない……。


 ラウルが地図を広げたので、私も隣に腰かける。すると、おはぎが膝に乗ってきてくれた。可愛い。


「俺たちが今いるのは、ココシュカの街から南東にある草原だろ? ここを東に進むと迷宮都市って呼ばれてる街がある。その周りにいくつかダンジョンがあるから、しばらくそこを拠点にするのがいいと思う」

「迷宮都市!!」


 なんともファンタジーな響きで、そそられちゃうね。


「ダンジョンが複数あるなら、きっと大きい街だよね?」

「ああ。いろんなものが売ってるし、人も多いぞ。俺も何回か行ったことがあるからな」

「へえぇぇ~!」


 これはますます楽しみだ。


 ラウル曰く、キャンピングカーなら今日中に迷宮都市に到着できるとのことだ。その途中で、初心者向けのダンジョンによってみてはどうか? ということらしい。


「なるほど……。ちなみに、ダンジョンって自由に入っていいの?」


 こういうのって、国や冒険者ギルドが管理している場合もある。規則があるなら、きちんと把握しておきたい。


「国や冒険者ギルドがダンジョンを把握して管理してはいるけど、入る分には問題はない。ただ、ギルドでダンジョン関連の依頼があるから、それを受けてから行く方が多いかな?」


 特に制限はないみたいだ。ただ、ダンジョンには冒険者ギルドがランクをつけているので、自分のランクに合ったところに行くのがいいみたい。

 ……私みたいに弱っちいと、ランク付けしてくれてるのは目安になるからありがたいね。


「じゃあ、初心者ダンジョンに行く前に冒険者ギルドで依頼を受けた方がいいんじゃない?」


 だって、依頼を受けてから行けば報酬だってゲットできちゃうわけだよね? 絶対にその方がいい。


「いや……初心者向けの中でも、子供が腕試しで行くような本当の本当に初心者向けのダンジョンなんだ。だから、依頼もない」

「なるほどぉ……」


 ちょっと情けないかもしれないけれど、確かに今の私はちびっこたちが行くようなダンジョンがちょうどいいのだろう。

 本格的なダンジョンデビューのために、頑張るぞ!

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