ひとまず決着
ぎゃあぎゃあ騒いでいるヒューゴたちの話をまとめると、こうだ。
ヒューゴは、ラウルが弱く役に立たないと前々から思っていたらしい。
自分の方が強いし、武器だっていいものを持っている。同じパーティメンバーのビアンカとミアも、ヒューゴの実力と釣り合っている、と。
しかしラウルはまったく駄目だ、足を引っ張ってパーティの進軍速度を遅くするのだと主張している。
さらにラウルが左腕を怪我してからはそれが顕著になり、自分からパーティの脱退を強く希望するべきだったとまで言った。
それを一緒に聞いていたエルフの冒険者は、やれやれと肩をすくめている。
しかし主張とは裏腹に、ラウルが抜けたあとのパーティは上手くいかなくなっていたらしい。
ラウルが周囲を警戒し安全を確保していたり、さっと狩りをして遠征時にも栄養のある温かい料理を出したり……そういったフォローがかなりあったようだ。
私もラウルと何日か過ごしていたけれど、いつも気遣ってもらっていたからそのありがたみはよくわかる。
……というか、なんでパーティなのにラウルの武器だけ整えてないの? 若干、というかかなり、私はそれに対しておこだ。
「やっぱりこいつら死刑でいいのでは?」
おっと、思わず本音がもれてしまった。
ラウルは「ミザリー、そんな物騒なことを言うなよ」と笑っているけれど、私は割と本気だった。
――というのはまあ置いといて。
「とりあえず、この人たちはココシュカの冒険者ギルドに連れていきますよ。そこで罰してもらいましょう」
「ああ、それなら私が引き受けるわ。……私の冒険者カードも目当てにしていたみたいだから」
「助かります」
エルフの冒険者の申し出に、私はすぐに頷いた。正直、こいつらをキャンピングカーになんて乗せたくないのだ。
「くそっ、ラウルばっかりずるいぞ……! そんなスキル持ちの女を手に入れたなんて……俺の方が上手く使えるのに――」
「いい加減にしろ!」
ゴン! と、大きな音とともに、ラウルの拳がヒューゴの脳天に直撃した。
「うわ、すごい音……って、ラウル?」
さっきまではヒューゴたちに何かするつもりはなさそうだったのに、突然の鉄拳なんて……と私が驚いていると、普段のラウルからは考えられないほど冷えた声が出てきた。
「ミザリーは物じゃない。彼女に謝れ」
「――!」
ラウルが怒ったのは、私が貶されたからだった。
……自分のことだとへらっとしてるのに、まったく。
思わず頬が緩んでしまったのも仕方がない。
ヒューゴは「ひぃっ」と声にならないような悲鳴をあげて、ラウルの鉄拳によって頭を地面に擦りつけさせられていた。
……わあ、ラウルが激おこだ。
「す、すみませんでじだぁ……」
「私への暴言も冒険者ギルドに伝えておきますね♡」
「しょんな……」
私の言葉を聞いて、ヒューゴは力尽きたようだ。涙を流しながら地面とお友達になって、気を失ってしまっている。
……そういえば、怪我が完治してなかったね。
こうして、リーフゴブリン騒動は幕を閉じた。
ラウルも怒るときは怒るんです。
そいえば、キャンピングカーの地図に表示される人間(赤丸)とモンスターなど(青丸)は、別に信号を基準にしたわけではなく偶然ですwww
感想を見て思わずなるほどと笑ってしまいました。




