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ミニキャンプファイヤー

 車体周りは、ピカピカになったという以外に変化はなかった。ラウルも「綺麗になったなぁ」と感心している。

 鑑定が実装されただけみたいだし、これ以上の変化はないみたいだ。


「……鑑定ライト、ちょっと試してみようかな?」


 私はトランクを開けて、摘んでおいた薬草のカゴを取り出した。これを鑑定ライトにあててみてようと考えたのだ。


 ということでキャンピングカーの前にカゴを置いて、ライトのスイッチオン! すると、籠の上に何重にも重なって『〈薬草〉初級ポーションの材料になる薬草。』という表示が現れた。

 ……これは気持ち悪くなるね!

 私はさっとカゴをどけて、しかしすべて薬草だったのでラウルの薬草選別に拍手した。



「もう検証は終わったのか?」

「うん」


 私がいろいろ確認していたので、ラウルはおはぎを頭にのせたまま少し離れたところで待機してくれていた。

 ……いつの間にかあんなに仲良くなってる!


「鑑定ライトを試してみた結果、全部薬草でした!」

「すげぇな……。採取依頼だったら無敵じゃねぇか」

「本当、そう思う」


 どんな遠くでもキャンピングカーがあれば比較的楽に行くことができるし、鑑定ライトがあれば見つけるのも容易いだろう。

 今度、走りながら使うのも楽しいかもしれないね。ただし、事故に注意! だけれど。


 さて、鑑定ライトをオフに……と思ったところで、〈角ウサギ〉という文字が見えた。


「ラウル、あそこに角ウサギがいるよ」

「お、狩って飯にするか?」

「そうしようか」


 今日はここでのんびり一泊するのもいいだろう。


「んじゃ、決定」


 ラウルはそう言うやいなや、短剣を一本投げてあっという間に角ウサギを狩ってしまった。まさに一瞬の出来事だった。


「え、つよ、ていうか早……」

「さすがにこれくらいはできるさ。でも、もう一匹くらいほしいか。まだいると思うから、周囲を見てくる。ミザリーは……焚火でもするか?」

「します!!」


 私がすかさず手を上げて返事をすると、ラウルが「だよな」と笑う。私の焚火好きはもうバレバレだ。

 素直にラウルと頭の上のおはぎを見送って……一緒に行って大丈夫なのかと思いつつも、私は焚火を始めることにした。



「よーし、せっかくだからいつもと違う感じにしよう。今日は……キャンプファイヤー焚火!!」


 なんだか楽しそうな響きだ!

 私はまず焚火に適した場所を探す。草花がたくさん生えているところではなく、地面がむき出しでごつごつしたところがいい。

 少し周囲を見回すと、すぐにちょうどよさそうな場所を発見した。


「よしよし」


 私は以前集めてトランクに積んでおいた木の枝――もとい薪を取り出してきて、井の字型に組んでいく。


「ミニキャンプファイヤーって感じ!」


 さっそく中に細めの薪を入れて火をつけた。

 最初は小さな火が段々と大きくなっていくのを見ると、どうしようもなく頬が緩む。は~~~~ずっと見てたいね~~。


「って、そうだご飯の準備もしなきゃ!」


 ココシュカの街でいくつか野菜も買ってあるので、まずはサラダ作り。とはいっても、葉野菜をちぎってトマトを乗せて完成というお手軽さだ。


「だけど、本番はここから。じゃじゃーん!」


 購入した鉄スキレット――!

 これで今日のメインディッシュ、角ウサギを焼いちゃうのです。はあぁ、こんなの絶対に美味しいに決まってるよね。

 塩コショウで焼くのもいいけど、チーズを乗せるのもいいよね。それとも野菜も一緒に炒めちゃう?


「ん~~、スキレットの可能性が無限大すぎる」


 焼きトマトも好きなんだよねと思ったけれど、サラダに載せてしまったことを思い出す。……これは次回にしよう。

 卵も購入してるから、オムレツっぽくしてみるのもいいかもしれないね!

感想や誤字脱字報告ありがとうございます。

キャンピングカーはピカピカです!


久しぶり(?)の焚火!

次はスキレットの出番です。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 楽しく読んでます! いつかは、レベルアップしてくとしゃべりだすのかな? カーナビかもしくは人工知能?装備で。
[一言] キャンピングカーが便利すぎて、護衛が用なしにならないようきをつけないと
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