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冒険者登録

 私がワクワクしながら冒険者登録をお願いすると、受付嬢は目をぱちくりさせつつも、「承ります」と微笑んだ。

 後ろではラウルが見守ってくれている。


「……まずは、冒険者ギルドの説明をさせていただきますね」

「お願いします」


 頷くと、受付嬢は丁寧にギルドの説明をしてくれた。



 冒険者ギルド――それはどこの国にもある、中立機関だ。

 基本的に大きな街に支部があり、依頼を受けることができる。ただし、依頼達成の報告はどこのギルドでも可能。

 所属すると冒険者カードが発行され、身分証明として使うことができる。しかし、なくした場合は再発行に一万ルク必要になる。

 依頼内容は掲示板にある通りだが、冒険者のランクによって受注できる範囲が決まっている。

 冒険者のランクは一番上がS、その下はA~Fと続いていて、Fランクからスタートする。


 Fランクは、街の中で達成できる依頼のみ受注可能。

 Eランクは、採取や低レベル魔物の討伐など、街の外で活動する依頼が受注可能。

 Dランクは、近隣の護衛やほかの街に行く依頼を受注可能。

 Cランクは、遠方の護衛を受注可能。

 魔物はランク付けされていて、Eランク以上になると実力にあった魔物の討伐依頼を受けることができる。



 ということらしい。

 今のわたしは追放されて身分も何もないから、冒険者カードを発行してもらえるのはありがたいね。


「登録お願いします」

「かしこまりました。では、こちらの紙に記入をお願いします。名前の記入は必須ですが、スキルなど手の内を明かしたくない場合は書かなくても大丈夫です」

「はい」


 キャンピングカーなんて書いたら面倒なことこの上ないので、私はスキルは書かないことに決めた。


「えーっと……」


 記入するのは名前と、使える戦闘スキルや技能などがあれば……ということみたいだ。書いておくと、ギルド側も私が何をできるか把握できていいのだろう。

 ……つまるところ、履歴書みたいなものかな?


 剣技! とか格好良く書くことができたらよかったんだけど、あいにく私の戦闘スキルはゼロだ。

 とりあえずアピールポイントとして、いろいろな場所を旅しているので、荷物などがあれば届けることができますと書いておいた。


「お願いします」

「ありがとうございます」


 受付嬢は内容を確認して頷いたあと、何やら魔導具を使ってギルドカードを作ってくれた。


「こちらがミザリーさんのギルドカードです。紛失に注意してくださいね」

「はい!」


 ギルドカードには、私の名前とランクFと書かれていた。

 よーし、これで私も冒険者だ!


 しかし受付嬢の「申し訳ないのですが」という声で現実に引き戻される。え、何かあった?


「ミザリーさんはFランクなので、フルリア村に手紙を届けるDランクの依頼は受けられないんですよ……」

「あ……」


 なんてこった。

 私はFランクなので、Eランクまでの依頼しか受けることができないのだ。

 どうしようかと思っていたら、後ろで見ていたラウルが「俺がいる」と名乗り出た。


「ラウル?」

「俺はCランクだから、俺が一緒だとミザリーもCランクまでの依頼を受けることができるんだ」


 ラウルがちらりと受付嬢を見ると、頷いてくれた。

 なるほど、パーティを組んだら、依頼受注はパーティ内の一番上のランクの人と同じになるのか。下位ランクがいるから、一つ上の依頼を受けることはできない……と。


 わ~~、ラウルに感謝!


「なので、この依頼受けます!」


 私は無事にフルリア村へ手紙を届ける依頼をゲットした。

次こそお買い物だ!

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