依頼掲示板
ここはゲーム世界ではあるけれど、ゲームの中で冒険者をすることはなかった。
……だから、どんな依頼があるかとか、気になるんだよね。
追放された今は、乙女ゲームではなくファンタジースローライフゲームな感じだ。ゆるく楽しく世界を見て回ろう! 的な。
あ、オープンワールドっぽいかもしれないね。
依頼掲示板には、雑用から魔物の討伐まで、様々な内容があった。
お使い、配達、探し物の手伝い、薬草採取、隣町までの護衛、アイテムの納品、魔物討伐などなど……私でもできそうなものがある。
私がじい~っと見ていると、ラウルが「何かいい依頼でもあったのか?」と隣にきた。
「私でもできそうなのがあるよ」
「まあ、下は雑用からあるからなぁ」
ラウルは苦笑しつつ、「魔物討伐も結構あるな」と呟いている。
……魔物討伐は、私には無理だね。
キャンピングカーから大砲でも出ればいけるかもしれないけれど。
私としては、路銀が尽きる前に働きたいと思っている。
いくらキャンピングカーで生活できるとはいえ、お金がないと生活できない。食料品や生活用品は購入することが多いからだ。
でも、せっかく旅を始めたのに町で働いてお給料をもらうのもなんか違うよねぇ……?
「えらく真剣に見てるな」
「あー、実はそろそろ何かしら働かないと、路銀が心許なくてね」
私が苦笑しながら告げると、ラウルは「あ~」と眉を下げた。
「俺も世話になってるもんな……」
「いやいや! ラウルのことは抜きにしても、もともと働こうと思ってたから!」
だから別にラウルのせいではない!
食料を多めに買うくらいはするけれど、その分、魔物を狩ってくれたりしたし、何より焚火を熾すのが上手かったし……!!
私にとって、外でも生活力のあるラウルはポイントが高いのだ。
「ラウルは今のままで十分! 私にないものをたくさん持ってるもん!」
「ミザリーはめちゃくちゃポジティブだな……」
「ポジティブに考えなきゃやってられないもん!」
なんてったって、悪役令嬢だから!!
前向きポジティブじゃなきゃ、精神死んでた気がする。
「……とりあえず、定住するつもりもないみたいだし、冒険者になって依頼を受けて稼いだらいいんじゃないか? ミザリーのスキルだったら、使いようによってはかなり稼げると思う」
ラウルの提案に、私もそれがいいと思っていたので頷いた。
「俺は怪我してるけど、強敵じゃなければ倒せるからさ。普段使うお金を稼ぐくらいなら、魔物討伐でも問題ないと思う。これならいつでも依頼が出てるからさ。俺もサポートするよ」
「わ~、お世話になります!!」
心強いラウルの言葉に頷いたところで、ふとフルリア村への手紙の配達という依頼が目に入った。
「ねえ、ラウル……この依頼を受けてみたらどうかな? リーフゴブリンが討伐されるかも、ちょっと心配だし」
「いいと思うぞ。俺たちなら冒険者よりも早く着くから、討伐依頼が出ることを伝えて安心してもらえると思う」
「じゃあ、決まり!」
さくさくっと決まったので、私は依頼を持ってカウンターに行く。これから冒険者登録をしてもらうのだ……!
はああぁん、ドキドキする……!
私は先ほどの受付嬢のところに行き、「冒険者登録をお願いします!」と告げながら依頼の紙を出した。
いつも感想ありがとうございます!
キャンピングカーの傷などに関しては、もう少ししたら説明回があるのでしばしお待ちいただけますと嬉しいです。
(現状は、たぶん本文のどこかで、さらっと傷ついてる~程度で流し書きしていると思います。私の記憶が確かならば……←常に記憶喪失ですが)
早くキャンプ雑貨を買いに行きたいけどもう少しギルドに滞在しそうですね……。
 





