冒険者ギルドへ情報提供
ココシュカの街の裏手には、穏やかな大きな川があった。この川を使って荷物を運びこんでいることが多いらしく、貿易の街として発展したそうだ。
街に入ると、最初に飛び込んできたのは商店街だ。たくさんのお店があり、軒下に様々なものが飾られている。
家具や小物類はもちろん、ランプや絨毯、調理器具も多い。ここでなら、ラウルが言っていた通りなんでも揃いそうだ。
私の足が無意識にふらら~っと調理器具の店に行きそうになるけれど、ぐっと耐える。
「まずは冒険者ギルドだもんね!」
『にゃっ』
おはぎが定位置になっている私の肩に飛び乗って、元気に返事をしてくれた。可愛い。
「しかし人が多いね。ラウル、ギルドの場所ってわかる?」
「ああ。ここのギルドには何回か来たことがあるからな」
ラウルは私の問いに頷いて、「あっちだ」と案内をしてくれた。
冒険者ギルドは大きな木造の三階建てで、一階部分で依頼の受注や発注ができるそうだ。屈強なマッチョマンから、妖艶な魔法使いの美女まで、いろいろな人がいる。
奥の方の壁には掲示板があって、紙が貼られている。見ている人が大勢いるので、きっとあそこに依頼が書かれているのだろう。
「わああぁ、すごい」
「そんなに珍しい場所でもないが、初めて来たのか?」
「今までは縁がなかったからね」
私は苦笑しつつ、ラウルにどうすればいいか確認する。どうやら、受付で魔物の情報を伝えるだけでいいみたいだ。
「あっちのカウンターでいいか?」
「うん」
小柄な受付嬢がいるところに行くと、「こんにちは!」とすぐに対応してもらえた。よかった。魔物が出たことを伝えるのに待つのは嫌だからね。
「あれ、ラウルさんじゃないですか!」
「すまない、ちょっと急ぎなんだ。魔物が出たので、その情報を伝えにきた」
どうやらラウルと受付嬢は顔見知りだったみたいだ。受付嬢はラウルを見て驚いたけれど、何をしに来たか告げるとすぐ真剣みを帯びた表情になった。
受付嬢は地図を取り出して、「場所はわかりますか?」と一つずつ確認していく。
「フルリア村の北にある山――ここだな。そこまで強い魔物が出る場所じゃなく、普段から村の人も立ち入る場所なんだが……リーフゴブリンの出現を確認した」
「――! リーフゴブリン、ですか。それだと……最低でもBランクの冒険者が必要ですね。数は一匹ですか?」
「俺が確認できたのは一匹だけだ。ほかにいるかどうかは、調査していないからわからない」
「なるほど……」
二人がテキパキ進めていくので、私が発言する余裕はまったくない。
……いや、特に私が話すことはないのか。
応援しつつラウルを見守ることにした。
それから一〇分後、受付嬢の「情報提供感謝します」という言葉で報告は終了した。
ふー、やっと肩の荷が下りたという感じだ。
結果として、冒険者ギルドから討伐依頼が出ることになった。とはいえイレギュラーな案件でもあるので、ギルドから冒険者にも声掛けをしてくれるそうだ。
「ふー、これで討伐されるだろう。ありがとうな、ミザリー。こんなに早く報告できたのは、ミザリーのおかげだ」
「いえいえ! これくらいお安い御用だよ」
私はそう言って笑い、そうだと思い出す。
「どんな依頼があるか見てってもいい?」
「ん? それは別に構わないけど……」
「ありがと」
不思議そうにするラウルは気にせず、私はどんな依頼があるのか掲示板に行ってみた。
ギルドに到着です。
街に着いたのでキャンプで使える雑貨とかがほしいですね。




