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渓流の情報収集

 イーゼフ村長への挨拶を終えた私は、おはぎと村の中を見て回ることにした。その間に、アイーダが部屋を準備してくれるのだという。

 ……ありがとうございます!


「この村の特産品はフルリアの花で、雑貨屋さんに村で加工した品が置いてある……っと」


 村にあるのはその雑貨屋一軒だけで、ほかに必要なものがあれば住民同士で物々交換をしたりもするそうだ。

 狩ってきたお肉を育てた野菜と交換……とかね。


「それも楽しそうな生活だなぁ~」


 自給自足生活を思い浮かべていると、ふいに視線を感じた。村の子供の男女二人、こっちを見ていた。植物の蔦でカゴを編んでいる。


「誰?」

「猫ちゃんだ!」


 一人は不思議そうで、もう一人はおはぎを見てぱっと顔を輝かせた。


「こんにちは。旅をしてて、この村に寄ったんだ」

『にゃっ』

「「こんにちは!」」


 私が声をかけてみると、二人とも挨拶を返してくれる。そして、「カゴを作って、売ってるんだ!」と教えてくれた。

 カゴは少しいびつな箇所もあるけれど、手作り感が出ていて味のある仕上がりになっている。何より、蔦で編んでいるところが温かみがあってよい。

 ……果物とか食材を入れる用のカゴにしたいな。


「上手だね。カゴ、一つ……いや、二つ買ってもいいかな? 実はそういうのがほしかったんだよね」

「本当!?」

「一つ二〇〇ルクだよ!」


 お安い!!

 私は二人から一つずつカゴを購入して、「ちょっとだけ聞いてもいい?」と質問をする。


「なんだ?」

「なんでも聞いて!」

「ありがとう。渓流で、すぐ横が開けてる場所を知ってたら教えてほしいんだ」


 ぜひそこでキャンプをしてみたい。

 私が尋ねると、二人は「あそこは?」「向こうの方がいいんじゃね?」と何やら相談をし始めた。

 私のお目当てになりそうな場所、いくつかありそうだね。


「かなり広いけど、道が細くて崖を登るところと……」

「広い道で緩やかだけど、そこまで広くなくてかなり山の上にあるところ……」


 どっちがいい? と問われて、私は即座に後者を選んだ。

 どうせ歩きではないのだから距離は関係ない。むしろ、遠い方がスキル上げにちょうどいいまである。


「簡単に道を教えてもらってもいいかな?」

「うん! 村を出たら、あっちに真っ直ぐ進むと、山の入り口の道があるから……」

「そこを道なりに登っていけば着くよ。荷馬車が通るように、道は均してあるんだ。あ、でも途中までだけど」


 狩りの獲物や採取したものを運ぶために、山を少し入ったところまで獣道を手入れしてあるのだと説明してくれた。

 初心者に優しい山だね! ありがたや……。


「ちなみに渓流って、私でも魚が獲れるかな?」


 正直、渓流釣りはしたことがない。

 しかし魚は食べたい! 焚火で焼きたい! という欲望はめちゃめちゃあるのだ。


「それなら、雑貨屋に網と釣り竿とか売ってるぞ。ねーちゃんでも獲れると思う」

「本当!? やったぁ!」


 思わず飛び上がって喜ぶと、「面白いねーちゃん!」と笑われてしまった。


「雑貨屋はあそこだぜ」

「看板が出てるお店だよ」

「あそこね。いろいろ教えてくれてありがとう、二人とも」

『にゃ~』

「「どういたしまして!!」」


 私は二人にお礼を言って、教えてもらった雑貨屋へ向かう。

 よーし、釣り道具をゲットするぞ!

次は釣り竿を買いにいきます。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 主人公は自室から自分の服やアクセサリーを持ち出した描写もなかったし、加工布地を買った時点でドレスを売った金はほぼ尽きてるという話だったのに その後大量に食料を買い込み、工業製品がない世界で…
[一言] 釣りのフラグを獲得後直ぐ様実行よー
[一言] うーん? 旅人をただでもてなすはずが無い…
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