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間違った方法でも、真実を話させるには手段を選ばない者もいる

「ここだな」


 ロイが辿り着いた先はロイが通っていた学園だった。


「さて、ここにあいつらもいるな、こいつのためにもやらなければな」


 ロイは学園へと入って行き、そのまま自分がいたクラスに辿り着く。


「よお、授業中失礼するぜ」


 扉を開けロイが中に入ると中では教師と生徒が授業をしていた。


「あなたは、ロイ・ベルファスト、何をしているのですか!! あなたは謹慎中のはずですよ!! すぐに帰りなさい!!」


「うるせえ」


 女性の教師が止めに入るとロイは教師を振り払い、払われた教師は壁に当たりそのまま意識を失う。

 その光景を見た女生徒は悲鳴を上げ男子生徒は何が起きたのかわからなかった。


「あなた、何をしているの!!」


 その中で一人の女性が凛とした態度でロイに問う。


「あ? ああ、姉の方の王女様か、冤罪を晴らしに来たんだよ」


「冤罪?」


「ああ、こいつがアンタの妹を危険に会わせたとかどうとか適当な事を言ったこのクラスの連中にな」


「あれは、あなたが妹を危険に会わせたんでしょ」


「だからそれが冤罪だって言ってんだろうが」


 ロイは王女の首を掴み持ち上げる。


「くっ、離しなさい!! 汚らわしい!!」


「ああ?」


 ロイは少し力を入れて首を絞める。


「がっ!!」


「おいおい、口には気をつけな、俺はこいつに掛けられた冤罪を晴らしに来たんだよ、そのためなら俺は手段を選ばない方だぜ、優しいこいつと違ってな」


「はっ・・・あっ」


 首を絞められている王女は苦しそうにもがく。


「ほら、王女様がこんな目に会ってるぞ? 早く言いな、あの時の事が本当にこいつのせいだったのかを」


 ロイはクラス全員に問うが誰も口を開かない。


「おいおい、王女様が死ぬのに誰も言わねえのか? そう言う事か、お前等は全員王女様より自分の身が大事って事か、つまりお前等はいざって時に王族を捨てて逃げるって事だな、おいおい、王女様見て見ろよ、誰もアンタを助けないぜ、王族に対する忠誠心がないって事だな、この国大丈夫か?」


「いい加減にしろロイ!!」


 口を開いたのはロイの元婚約者のフェイリーチェである。


「お前が何をしているのかわかっているのか!!」


「わかってるからやってるのさ、元婚約者殿、だからこうしてるのさ」


「あれは、お前がやった事だろ」


「だから冤罪だって言ってんだろ、お前元でも婚約者だろうが、何で婚約者のこいつの事を信じねえんだ? お前は実際に見たのか? この王女様の妹をこいつが危険な目に会わせたって、実際にお前のその両目で見たのか?」


「それは」


「見てないだろ? 周りがそう言ってたからそうだと思ったんだろ? こいつはやってないって言ってるのにお前にとってこいつは都合の良いストレス発散のための道具に過ぎなかったって事だよな?」


「ちが」


「違わねーな、現にお前はこいつの事を見下してバカにして大切にしたいなんて思いなんて欠片もなかったよな? なら何で婚約を解消しなかったのか、答えはお前が貴族令嬢として生きて溜まっているストレスをちょうど発散させている道具だったって事さ、現に何も言い返さないしやり返さないからお前は調子に乗ったんだろ?」


 ロイに言われてフェイリーチェは何も言い返さない。

 つまりあながち間違っているわけではないと言う事になる。


「いい加減にしなさい!! お嬢様に対して無礼ですよ!!」


 言葉に詰まっているフェイリーチェに代わり侍女のサテナが口を開く。


「それにこんな迷惑を掛ける事をしてだからあなたは」


「黙れ」


 ロイは指に魔力を溜めて放ち、それはギリギリサテナに当たらないように通り過ぎる。


「っ!!」


 いきなりの事にサテナは途中で話を止める。


「おい侍女よ、お前が発言しろなんて誰が言ったんだ?」


「あ」


「お前さ、侍女だよな? お前の言うお嬢様はお前より上の存在だよな? なら当然その婚約者もお前より上の存在だよな? なのに何でお前偉そうに言うんだ? おかしいよな?」


「そ、それは」


「なあ、元婚約者殿、お前は知っていたか? そいつがお前の婚約者に毎度毎度偉そうに言ってきて無礼をしていた事によ」


「え?」


 フェイリーチェは言われてサテナを見る。

 振り向かれたサテナは顔を逸らす。


「その様子だと知らなかったようだな、そいつはずっと言ってたぜ、お前の婚約者に相応しくないって、侍女のくせに随分偉そうだな、フロイス公爵家では侍女でさえも婚約者をバカにして見下せと言われてるのか?」


「父上と母上はそんな事を教えていない」


「じゃあ、何でそいつは偉そうな事を言うんだ? お前もこいつを見下してバカにしてたよな? お前自身大した事ないのによぉ」

 

「どう言う意味だ?」


「何だ、お前もしかして気づいてなかったのか? それとも気づいていて認めたくないのか?」


「だから何の話だ!!」


 ロイの言い方に腹を立てたのかフェイリーチェは大声を上げる。


「じゃあ言うけど、お前にはないんだよ」


「何?」


 フェイリーチェはロイの続きの言葉を聞くと目を見開く。


「お前には、剣の才能も魔法の才能も全くないんだよ」

読んでいただきありがとうございます。

同時に投稿している作品「魔王様、今日も人間界で色々頑張ります」もよろしくお願いします。

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