例えそこで終わったとしても、また再び起きないとは限らない
「バカな」
「おい、嘘だろ」
「もろにくらったんですよ」
イリーナの魔力の放出をもろにくらったロイがその場に立っている。
バルガス達にはそれが信じられない光景だった。
「あー、中々の威力だな、さすが魔法師団の団長だけあるな」
ロイは何事もなく余裕で喋っている事から大したダメージではない事が窺える。
「さてと、次は俺から行くぜ」
そう言ってロイは前に向かって行く。
ロミンが反応しロイと体術を繰り広げる。
「何だ、こいつさっきより動きが良くなってる!?」
ロミンはロイの動きが素人の動きでなくなっている事に驚愕する。
「いや、動きだけじゃなくこの戦い方、隙のない動き、まさかこいつ」
ロミンが何かに気づくがその一瞬の隙をつかれてロイの攻撃をもろにくらいそのまま吹き飛ぶ。
「ぐはっ!!」
「ロミン!!」
「余所見してる場合か?」
ロイはバルガスに続けて攻撃を仕掛ける。
バルガスは剣で受けるがロイの攻撃に次第に押されていく。
「バカな、何が起きている、さっきまでと動きが違う」
「隙ありだぞ」
ロイの一撃がバルガスに入りバルガスは膝を着く。
「ぐっ」
「くく、ん?」
ロイは動こうとするがレジスの拘束魔法でロイの動きは封じられる。
「一体何が起きているんですか、さっきまで我々が押していたはずなのに」
「厄介だな、消えろ」
ロイは拘束魔法が出ている地面に向けて魔力を放ち拘束魔法を打ち消す。
「下から来る魔法でも地面ごと破壊すれば問題ないだろ」
「明らかに戦い方が変わっている?」
「ぐう、ロミン大丈夫か?」
「ああ、何とかな」
バルガスとロミンは立ち上がりイリーナ、レジスと合流する。
「どう見る、あの動き」
「信じられないかもしれないが、あいつ戦いの中で成長している」
「私達の戦い方を見てその身に受けてそれを学習していると言うのですか? だとすれば恐ろしい才能ですね」
「長期戦はマズい、だがあの動き、もう我々の攻撃は届かないだろう」
「だとすればやはり、アレを使うしかありませんね」
イリーナが杖を構える。
「他に方法はないか」
「でもイリーナ、それを使えばアンタは」
「ですが、現状それしか手はないですね、彼を倒せる者は正直この世界を探してもいないでしょう」
「かなりの時間が必要になりますので、時間を稼いでください」
「わかった、行くぞ!!」
バルガスの掛け声と同時にロミンとレジスも続きロイに向かう。
「ほう、三人で同時に来るか、良いぜ」
ロイはバルガス達と交戦する。
「どうした、さっきと違ってお前達の動きが見えるな」
「なるほど、やはり戦いの中で強くなっている、危険だ」
「おらあ!!」
ロミンが拳を振るうがロイは簡単に受け止め逆にロミンに拳を当てる。
「おう、どうしたギルドマスター? さっきより動きが鈍くなってねえか?」
「バカ言うな、私が鈍いんじゃなくアンタが強くなってんだよ」
「もう君は我々より強くなるのも時間の問題だろう、だがそれでも君を止める!!」
バルガスが剣を振るうがロイは剣を受け止め拳で剣を叩き割る。
「自慢の剣も壊れたな、これでもう戦えねえだろ」
「舐めるな!! 剣がなくとも戦えるわ!!」
バルガスはロミンと同じように身体強化をしてロミンと共にロイに殴り掛かるがロイは二人の拳を難なく躱す。
しかし、躱してる最中にレジスが放った拘束魔法でロイを拘束する。
「またこれか」
「君には攻撃をしても意味がないと思いましたからね、残った魔力であなたの動きを止める事のみに集中しますよ」
「こんな拘束で俺を止められると思うなよ」
「ええ、君ならすぐに解く事ができるでしょう、ですがその一瞬だけ動きを止めれば十分」
「ああ、準備が整った」
「あ?」
バルガス達の言葉に疑問を感じていると突然ロイの背後に魔法陣が現れそこから大きな黒い棺が出て来て棺が開くと中から無数の鎖が出て来てロイを捉えるとそのまま棺に吸い込まれる。
「な、何だこれは!?」
「これは、あなたを封印するためのものです」
ロイの問いにイリーナは答える。
「ロイ君、あなたを倒す事はおそらくこの世界にはいないでしょう、だからあなたを止める方法は封印するしかない」
「ぐうう」
ロイは棺に吸い込まれるがしぶとく封印されないように棺に捕まるがそれでも吸い込む力が強いためさらに鎖で繋がれているためロイは脱出する事ができなかった。
「は、このままで終わると思うなぁ!!」
ロイは最後に全魔力を込めてそれを放つ。
「ひっ!!」
その魔力は国王の横をギリギリかすめ城の壁に当たり城を半壊させた。
国王は恐怖でその場に倒れて気絶し、他の貴族達も腰を抜かして恐怖する。
「あーあ、最後の一撃で王様を消すつもりだったのにな、上手く狙えなかったぜ」
全ての魔力を込めて放ったためもうロイに抵抗する力は残っていなかった。
「くくく、ははははははははははははははははは!!」
ロイは笑い声を上げる。
「あーあー!! ここで終わりかよ、こいつのためにこんな世界壊してやりたかったのによ!!」
ロイの言葉をバルガス達は黙って聞いている。
「封印するしかなかった、俺に勝てる奴がいない、つまりお前達は負けたんだよ!! 俺と言う存在を生み出したロイの力にお前達は負けたんだよ!!」
「ああそうだ、我々は負けた、君を生み出したロイ君の力にな」
「ははは!! 認めたな!? ロイ、やったぞ!! お前の力は英雄と呼ばれた者達より優れていたぞ!!」
ロイの力を褒めたたえロイは棺の中へと引きずり込まれる。
「封印か、だがいずれ封印は解かれる!! 長い時を経て封印が弱まった時俺は再びこの世界に現れる!! だが俺のような存在はまた現れるかもな!! せいぜい俺みたいな存在を生み出さないようにしっかりと後世の奴等に伝えておくんだな」
それがロイの最後の言葉であった。
そしてロイは棺の中に吸い込まれ棺の蓋が被さりそしてその棺を何重もの鎖で巻かれてゆき厳重に封印される。
こうしてロイは完全に封印され国に平和が戻ったのだった。
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同時に投稿している作品「魔王様、今日も人間界で色々頑張ります」もよろしくお願いします。




