相手を理解しようとしても、根本的にすれ違っては意味がない
「誰だ、お前ら?」
冒険者に続き騎士団、魔導士団を全滅させたロイの前に四人が現れる。
「君と会うのは初めてだな? 私はバルガス・フロイス、君の婚約者フェイリーチェの父親と言えばわかるか?」
「ああ、元婚約者殿の確か騎士団長をしていたな、と言う事はその隣にいるのは魔導士団長か?」
「イリーナ・フロイス、フェイリーチェの母親です、あなたがロイ君ですね?」
「ああ、お初にお目に掛かる、まあアンタ等の教育の悪さのせいで元婚約者殿は自分の婚約者殿をストレスの発散にしか使ってなかったけどな」
「どう言う事だ?」
「何も知らないようだな、良いぜ教えてやるよ」
ロイはバルガスとイリーナにフェイリーチェがロイにした事、さらにその侍女のサテナについても話す。
「まさか、そんな事が」
「あの子ったら何て事をしかも侍女のサテナまで」
「この国の貴族達はどうやら半分でも平民の血が流れていると貴族の仲間としては認めないようだな」
「君には申し訳ない事をした、まさか娘がそんな態度を取っていたとは、しかも侍女まで」
「これもアンタらが元婚約者殿に剣の才能も魔法の才能もないとはっきり言ってやらなかった事が原因だな」
「耳が痛いですね」
「ロイ君、私は君が通っていた学園の理事長レジスです」
「理事長?」
「生徒達が君にしたいじめに気付いてあげられなかったのは私の責任でもありますね、申し訳ない、私も貴族が平民に対する態度をどうにかしたいと思っていたのですが、まさかこんな事になるとは」
「よく言うぜ、こんな事になるまでこいつの存在にすら気づいていなかったくせによ」
「返す言葉もありませんね」
「で、まだ名乗ってないそこの女は誰だ?」
ロイはロミンを見て問いかける。
「私はアンタが倒した冒険者のギルドマスターだ、随分とうちの者をかわいがってくれたようだな」
「ああ、まるで相手にならなかったけどな、まあ騎士団も魔導士団も似たようなものだけどな」
ロイは地面に転がっている冒険者、騎士団、魔導士団を見渡して言う。
「君がライやその子供達を倒し屋敷を半壊させたのは事実か?」
「事実も何も現に今この状況を見れば一目瞭然だろ?」
ロイは当然のように言う。
「正直私はこの現状を見てもまだ信じれれない、聞いた話では君はとても大人しいと聞いた」
「ああ、確かにこいつはそうだな」
(こいつ?)
ロイの言葉にバルガスは違和感を覚える。
「だがアンタはこいつに会った事がないんだろ? 元婚約者殿の言葉で何となくそう言う人間としか聞いてないんだろ? なら事実は違う可能性だってあるだろ?」
「いや、君は明らかに大人しい生徒だと聞いていました、君の担任から聞きましたから」
「理事長殿、担任の言葉でもそれが真実とは限らないだろ? まあ、あの担任は嘘もつかないし半分平民であるこいつに対してもどこか見下してた感じがするしな」
「彼女も貴族ですからね、耳が痛いですね」
「理事長殿よ、そう言うがアンタはこいつがいじめられている事すら気づかなかったんだろ? アンタの学園の教師整理した方が良いんじゃないのか?」
「痛い所をついて来ますね」
「で、こんな無駄話をしに来たんじゃねえんだろ? 掛かって来いよ」
笑みを浮かべながらロイはバルガス達を挑発するがバルガス達は挑発に乗らずに冷静に対応する。
「ロイ君、君が娘やライそして学園の者達に対しての怒りもわかる、だがこの国の関係ない者達まで巻き込む必要はないだろ」
「ん?」
「君が復讐したい者達はもう復讐し終えたはずだ、これ以上罪を重ねるな、君自身が虚しいだけだぞ」
「・・・・・・なあ、もしかしてアンタこいつが我慢の限界を超えたから性格が変わってこんな事したと思ってるのか?」
「何?」
「そうかそう言う事か、くくくく、ははははははははははは!!!」
突然ロイが高笑いしだす。
「ああ、悪い悪い、いきなり大声で笑ってよ、そりゃそうだよな、誰もがそう考えるわ、だがな違うんだよ」
「違う?」
「そもそも根本から間違ってるんだよ」
「根本からだと?」
バルガスはロイが何を言っているのか理解できていない。
そんなバルガスの疑問にロイは答えるのだった。
「お前らの言うロイ・ベルファストは、もういないんだよ」
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同時に投稿している作品「魔王様、今日も人間界で色々頑張ります」もよろしくお願いします。




