表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
85/104

第22話 ~デドラ女王率いる最精鋭の部隊がまさか、ここまで強いとは~


「見ろっ、戦車が突撃してくるぞ……っ」


 ウォレンの低い声を聞き、彼の指し示す方向へとノイシュは眼を凝らした。


 そこでは救援部隊の中から一台の戦車が飛び出していた。


 戦車は速度を落とすこと疾駆していき、後続との距離を引き離していく。まるで軍勢を先導する様に――


――あ、あれはまさかっ……


「デドラ女王陛下……ッ」


 直後にノヴァの驚いた様な声が耳朶を打ち、ノイシュは思わず自らの胸を強く握った。


 自分達の立つ場所からでは明瞭に視認できないが、すぐ後方で掲げられた軍旗から王族であるのは間違いない。この直感には確信めいたものがあった――


 そして戦車が突進するその先に眼を向けると、既に隊列が崩れかかっているトドリム隊の姿があった。

 

 次の瞬間、鋭い煌きを網膜の隅で捕らえる――


――なっ、何だ……っ


 反射的に眼を細めながらもノイシュは光源へと視線を変える。


 そこでは戦車に引き離されていた後続部隊から次々と輝きが放たれていた。


 その強い明度から彼等が精強部隊であるのはすぐに分かる。


 とたんに後続部隊の疾走する速度が上がり、先頭にいる戦車との距離を縮めていく――


「レポグント軍と接敵します……っ」 


ノヴァの声が耳朶を打った瞬間、先陣の戦車が最前線に達するのを視認した。


「いいぞ……っ」


 ウォレンの声を聞きながらもノイシュは最前線を見据え続けた。


 次々と救援の術戦士隊が崩れかかった友軍の左翼側へと殺到し、その戦列を立て直していく。


 一瞬の後、最前線から破裂音が響いた――


――あっ、あれは……っ


 ノイシュは思わず息を呑んだ。最前線では多量の砂埃が舞い上り、吹き飛ばされていく幾人もの敵

戦士達――


「――精鋭部隊による衝撃剣の一斉攻撃か……っ」


 隊長の声が耳に届き、イシュは視線を向けずに頷いた。


 最前線の戦局は安定するどころか、最前線の形勢は一気にこちらへと傾いている――


 デドラ女王率いる最精鋭の部隊がまさか、ここまで強いとは――


――勝てるのか、僕達は……っ


「まずいぞっ、見ろ……ッ」


~登場人物~


ノイシュ・ルンハイト……主人公。男性。ヴァルテ小隊の術戦士で、剣技と術を組み合わせた術剣の使い手


マクミル・イゲル……ヴァルテ小隊の隊長。男性。ヴァルテ小隊の術戦士で、増強術という支援術の使い手


 ウォレン・ガストフ……ヴァルテ小隊の隊員で、戦士。男性。あらゆる術を無効化する術耐性の持ち主


 ノヴァ・パーレム……ヴァルテ小隊の隊員で、術士。女性。様々な攻撃術の使い手


 ビューレ・ユンク……ヴァルテ小隊の隊員であり、術士。また修道士でもある。女性。回復術の使い手


 エルン・ルンハイト……ノイシュおよびミネアの義妹。術増幅という超高位秘術の使い手


 デドラ……リステラ王国に君臨する女王。女性。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ