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ノイシュとミネアと魂(アニマ)~戦乱の中で育ち、戦いと愛に身を投じる少年少女達~   作者: たんとん
第Ⅵ章 ――ミネア……ッ、君の魂(アニマ)は、消えていなかったんだね……っ――
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第8話 ~ノイシュ、愛し……ありがとう――~


――嘘だっ、ミネアッ……イヤだ……ッ


 ノイシュは左手の指先に力を込めた。


 そしてどうにか義妹(いもうと)の傷口を塞ごうと、その胸元に押し当てる――


「――アアァッ、血が……ッ、私の胸から血がァッ……ッ――」


 そう叫ぶ暗紅の少女の声を聞きながら、ノイシュはかぶりを振った。


「――くそっ、この女っ、回復をさせろ……っ」


 義妹(いもうと)だった悪魔の声とともに、自らの左頬で感じていた灼熱が消えていく。

 

 でも、もうそんな事はどうでもいい――


――早く止めなきゃっ、この鮮血を止めなきゃッ、僕の義妹(いもうと)が……ッ


 ノイシュは剣を離すと、その右手でもミネアの胸に触れようとする。


 が、彼女は一向にこちらの右手を離そうとしない――


『――ノイシュ、受け取って……っ』


 不意に義妹(いもうと)が苦しげにつぶやいた。


 とっさにノイシュは顔を上げる。


 視界の先で義妹(ミネア)がその翠眼を閉じていく。


 次の瞬間、彼女の右手が光芒の様な輝きを湧き上がらせた。


 次第にその青い光が、こちらの右手に伝わってくる――


『ノイシュ、愛し……ありがとう――』


――ミネア……ッ


 ノイシュは次第に自らの視界が滲んでいくのが分かった――


――ミネアッ、僕だって君のこと……ッ

 

「――ああアアアッああアアあッッ」


 突如として暗紅の少女が絶叫した次の瞬間、自分の左手が義妹(いもうと)の胸元から弾かれた。


 ぼやけた視界の先で、彼女の姿が突如として消えていく――


「――あイヤアあッうアあァッ」


 空中で彼女の悲鳴が耳に届き、ノイシュはようやく義妹(いもうと)が舞空しているのに気づいた――


――ミッ、ミネ……ッ――


 とっさにノイシュは涙を拭い、宙を仰いだ。


 そして義妹(いもうと)を視線で追いかけようとするが、どこを見渡しても彼女は見当たらない。


 すでに赤黒い晩景の空へと、溶け込んでしまっていた――


――ミネア……ッ


 ノイシュは深くうつむいた。


 視界の隅では自らの右手が、静かに輝き続けていて――





~登場人物~


 ノイシュ・ルンハイト……主人公。男性。ヴァルテ小隊の術戦士で、剣技と術を組み合わせた術剣の使い手


 ミネア・ルンハイト……ノイシュの義妹かつエルンの義姉。魂吸収術という超高位秘術の使い手。通称『暗紅の悪魔』


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