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ノイシュとミネアと魂(アニマ)~戦乱の中で育ち、戦いと愛に身を投じる少年少女達~   作者: たんとん
第Ⅵ章 ――ミネア……ッ、君の魂(アニマ)は、消えていなかったんだね……っ――
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第3話 ~――僕の身体など、このまま溶け消してしまいたい……そして義妹の魂をずっと抱きしめ、感じていたい……っ~


――ミネ……ア……


 思わずノイシュは両眼を細めた。


そして大きく息を吸い、咳き込まぬようゆっくりと口唇を開く――


「――ミネアッ……」


「――無駄だっ」


 暗紅の悪魔が微笑みながら槍斧(ハルバート)を振りかぶった――


「あの娘の意識は、もう数多の(アニマ)に呑み込まれているっ」


そう告げると暗紅の悪魔が槍斧(ハルバート)を一気に振り下ろした――


「――がっああアァッ……ッ」


 鉄糸の裂ける音が耳朶を打ち、直後にノイシュは腹部に激痛を覚えた。


 とっさに振り向くと、斧部の刃先がまるで自らの腹部から生えてきたように突き刺さっている。


 多量の鮮血が患部から溢れ出し、更なる痛みが痺れを伴い襲ってきた。


 失神しないよう必死に歯を食い縛る――


――ミネア……ッ


 歯の隙間から漏れ出す息とともに、ノイシュは何とか声帯を震わせようとする――


「――ミ……ネア……僕だ……よ……っ」


 そう告げた瞬間、口中に鉄の味を感じて咳き込んでしまった。


 眼前の少女が、その片眉を吊り上げていく――


「――うるさいッ」 


 彼女が苛立った声を上げると、生々しい音を立てて腹部から槍斧を引き抜いた――


「こいつを、その脳漿に突き刺してやるッ」


暗紅の少女が槍斧(ハルバート)の柄を両手で握り、槍部の刃先をこちらに向けてきた――


「――死ねッ」


 一気に振り下ろされる槍斧(ハルバート)をノイシュは視認し、とっさに右手を伸ばす。


 そのまま槍部の刃先を握りこみ、無理やりに受け止める――


――くっ、ぐぅッ……  


 眼前で槍の刃先が鋭く光り、ノイシュは両眼を細めた――


「――このままっ、貴様の眼球をえぐってやる……ッ」


 暗紅の悪魔の殺意ある声に、ノイシュはゆっくりとかぶりを振った。


 槍の穂先がゆっくりと近づいてくる。


 握った掌の中で刃が滑り、指中から溢れた血が腕を伝っていく――


――ミネ……ア……ッ


「――うああッぁっぁ……ッ」


 そう叫び声を上げながら、全力でノイシュは右腕を振り払った。


 とっさに暗紅の少女が両腕から柄を離し、身体の均衡を崩す。彼女の身体がこちらに迫る――


――ミ、ミネ……ッ


 次の瞬間、ノイシュは自らの胸元に衝撃と僅かな重みを感じた。


 眼前で暗紅の少女が自分と重なり合っている。


 彼女が吐く息を耳許で感じた――


――ミネアッ……ッ


 無意識にノイシュは両眼を細めた。


 彼女の長い髪が自らの頬にかかっている。

 

 その感触は忘れようもない。


 かつて、何度も撫でたミネアのものだった――


――僕は、やっぱり……


 とっさにノイシュは右手を動かすと、義妹(いもうと)の指先に触れた。


 その質感も、以前の彼女と何も変わっていない。


 胸中で心臓が震え、鼓動が強く脈打った――


――僕は、やっぱり君のことがっ……っ


 ノイシュは義妹(いもうと)の肩に、自らの腕を回した。


 そのまま強く抱き締める。


 湧き上がるこの疼痛さえ、愛しく思えた――


「――くっ、貴様っ、何を……ッ」


 暗紅の少女の声を聞きながらも、ノイシュはひたすら義妹(いもうと)を求めた。


 胸中で感じる優しい想いと痛みに、自らの瞳から滴がこぼれていく――


――僕の身体など、このまま溶け消してしまいたい……そして義妹(きみ)(アニマ)をずっと抱きしめ、感じていたい……っ――




~登場人物~


 ノイシュ・ルンハイト……主人公。男性。ヴァルテ小隊の術戦士で、剣技と術を組み合わせた術剣の使い手


 ミネア・ルンハイト……ノイシュの義妹かつエルンの義姉。魂吸収術という超高位秘術の使い手。通称『暗紅の悪魔』


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― 新着の感想 ―
お久しぶりです。 こちらのお話(第Ⅵ章第3話)まで拝見しました。 激闘に次ぐ激闘に、果たしてどうなるのだろうと思っていましたが、まさかこんな事になるとは……。 ノイシュくん、生きているのがもう不思…
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