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≪tips≫機体解説:カレトヴルッフ

●機体仕様


 正式名称:カレトヴルッフ1997 グレートブリテン及び北アイルランド連合王国王族 ライナス・ロンゴミニアド専用機


 機体分類:マキャヴェリー


 形式番号:GBR-R1997-L1

 製造年 :1997年9月1日

 製造所 :グレートブリテン及び北アイルランド連合王国王族専用機製造局


 全身長 :12.1メートル

 本体重量:19.9トン

 地形適応:航空適性高し。陸上適性高し。水中適性可。


 動力  :不明


 搭乗者 :ライナス・ロンゴミニアド


■注意事項

 当資料はイギリス政府より提供された資料を基に作成されたものであり、提供資料に隠蔽、あるいは虚偽が含まれている可能性があるため、その点に留意して確認されたし。


●機体解説

 カレトヴルッフはイギリス王族、ライナス・ロンゴミニアド殿下の専用機。機体色は紫。


 なお、『カレトヴルッフ』というペットネームは、イギリス王族の各専用機に使用される共通名でもあるため、特定の機体を指す場合、『カレトヴルッフ1997ライナス機』というように、ロールアウト年及び搭乗者名を追記することが一般的とされる。


 当資料では上述の通り、1997年にロールアウトしたライナス殿下の専用機について記述する。


 イギリス王族は、兵器開発及び開発競争による国力の増強効果を目的として、自身の専用機を自分好みに改造することが責務の一つとされている。

 王族は男女の区別なく、12歳を迎えると、国の総力を用いて作られた最高性能のマキャヴェリーを国主より下肢される。

 このマキャヴェリーはカスタム性を考慮し、高い機体性能・汎用性・拡張性を重視して設計されている。

 合わせて各王族は選任技師を選定する。ライナス殿下の選任技師は、ドイツ帝族直系男子、ガーラン・リントヴルム殿下である。


 形式番号GBR-R1997-L1は順に、


 GBR :イギリス所属

 R   :王族専用機(Royal)

 1997:ロールアウト年

 L   :ライナス(Linus)

 1   :1番目の機体


 を意味する。

 現在は日本の朝鮮半島実効支配犯罪者集団対応多国籍防衛部隊、通称ラプソディ・ガーディアンズに出向中であるが、イギリス王族専用機であるため、イギリス所属を示す国際コード:GBRが含まれている。


 動力については、提供された資料に記載がないため不明である。


●マキャヴェリーについて

 マキャヴェリーはドール・マキナの分類の一つである。

 国連は、以下の条件を満たすドール・マキナをマキャヴェリーとして定義している。

 ・大型、あるいは中型マキャヴェリー規格に準じたマニピュレーター、各関節部接続仕様を有すること(補足1)

 ・マリウス・ジェネレーターを搭載していないこと(補足2)


(補足1)

 マキャヴェリーはアメリカ、及びイギリスを中心に、世界各地で使用される、ドール・マキナでは最大のシェアを誇るカテゴリーである。

 その理由はマキャヴェリー規格にあり、このマキャヴェリー規格に準じていれば、別会社や他国で開発されたマキャヴェリーであっても、他のマキャヴェリーの同一部位との組み換えを可能とする強みを持つ。


 特に傭兵界隈では、最強のパーツを集め、己が目指す最強の機体を作る『ミキシングビルド』と呼ばれる活動が活発的である。


 逆に、破損した部位を応急処置的に付け替えた場合には機体バランスが崩れるなど、よほど高性能なパーツを取り付けない限りは基本的に弱体化するため、そういった応急処置を繰り返し続けたマキャヴェリーは、機体各部が継ぎ接ぎにみえることから『パッチワーカー』と称され、蔑まれる風潮がある。


 マキャヴェリーが上記の特徴を有するに至った経緯は、1552年に発見されたアメリカ大陸の開拓にドール・マキナを使用したことに由来する。

 広大なアメリカ大陸をドール・マキナで探索するにあたり、課題となったのが破損部位の修復・補充方法であった。

 開拓を行ったレムナント傭兵団は、各地で製造するドール・マキナの関節部及びハードポイントの規格を共通化することでこの問題の解決を図り、以後、この規格は4世紀を経てもなおマキャヴェリー規格として使用されている。

 400年以上に渡り使われ続けているのは、この規格を設計者したのが、ドール・マキナ開発史三大偉人のうち二人、マリア・フォン・ゴルディナーとヴィネリア・ロンゴミニアドによる優れた設計が理由であることは疑う余地はない。


 しかしてこの規格は、当時主流だった8メートル級ドール・マキナを前提としたものであり、第二次世界大戦後、10メートルを超えるドール・マキナの開発のため、既存の規格を『中型マキャヴェリー規格(Middle Machiavelly Standard;MMS)』と再定義し、新たに『大型マキャヴェリー規格(Large Machiavelly Standard;LMS)』が制定されている。


 カレトヴルッフは、この戦後に制定された大型マキャヴェリー規格に準じる機体である。


(補足2)

 マリウス・ジェネレーターを搭載したドール・マキナは、いかなる場合でもマキャヴェリーにはカテゴライズされない。

 これはマリウス・ジェネレーターの製造元であるマリウス教と、マキャヴェリーの誕生に置ける歴史的背景を理由とする。


 マキャヴェリーの名前は、イタリアの政治思想家、ニッコロ・マキャヴェッリに由来する。

 ただし、ニッコロ・マキャヴェッリが直接マキャヴェリーを製造したわけではなく、本人は全く関与していない。そもそも、マキャヴェリーが誕生したのは1551年のことであり、ニッコロ・マキャヴェッリは1527年が没年である。


 当時のヨーロッパでは、ドール・マキナの動力源はマリウス・ジェネレーター、およびマリウス・ジェネレーターの部品の一部であるマリウス・レヴのみであり、これらは巨大宗教団体であるマリウス教のみが製造していた。

 マリウス教はこの動力源は神の奇跡により得られるものであるとし、他者が新たに動力を製造することを宗教的禁忌として強く禁じていたという背景がある。


 この状況に対し、現在では天才発明家としても知られるイギリス王女ヴィネリア・ロンゴミニアドが反発。

 ニッコロ・マキャヴェッリが提唱したマキャヴェリズム、すなわち『どんな手段や非道徳的な行為であっても、結果として国家の利益を増進させるのであれば許される』という理屈を盾に動力を密造した。

 この新型動力を搭載するために製造されたのが、世界初のマキャヴェリー、カレトヴルッフ1551ヴィネリア機である。

 なお、この新型動力の名称は未だに不明となっており、これはヴィネリア王女が動力を密造したことを誤魔化すため、故意に名称を付けなかったのではないかと考えられている。また、この時点でのマキャヴェリーは対外的には、「既存の機種とは異なる、全く新しい技術体系で作った新型機」というものである。


 しかして同年、マリウス教の暗躍によって勃発したイタリア戦争のさなか、不利を悟ったマリウス教の枢機卿の一人が、近隣のマリウス・ジェネレーターを強制停止する遠隔操作を実行。この際に停止命令を受け付けずに対抗したことで新型動力の密造が発覚。ヴィネリア王女、及び関係者としてマリア・フォン・ゴルディナーは魔女として、裁判への出頭を命じられる。


 対する二人は裁判には出頭せず、クリストファー・コロンブスの資金提供の元、大型海上船を建造。マリウス教にて航海を禁じられていた大西洋方面へ逃亡したのち、アメリカ大陸を発見するに至る。あとは(補足1)にて述べた通り、マキャヴェリーはアメリカ大陸の開拓に用いられ、加えて、ヴィネリア、及びマリアを追ってきたマリウス教徒、及びヨーロッパからやってきた奴隷狩りへの対抗手段としても使用されたという経緯がある。


 こういった歴史的背景から、マキャヴェリーとは反マリウス教の象徴的ドール・マキナの側面を持っており、ドール・マキナのカテゴリー定義の際に、マリウス・ジェネレーターを搭載した場合、マキャヴェリーにはカテゴライズされないことになった。


●武装・特殊機能

 ・カレトヴルッフ専用ハイブリッド・ライフル

  ┗ビームと実弾の撃ち分けを可能とするライフル。


   ヨーロッパで利用されるドール・マキナの中には、ドレスと呼ばれる対弾性に優れた服を着用するという文化が存在し、このドレスに対抗するために生まれたのがハイブリッド型の火器である。


   ドレスは実弾に強いが、素材の都合上、高エネルギー兵器であるビームに弱く、ドレスを剥がすためにビームが利用されることが多い。対するドレス着用側は対ビームコーティングや、ビームと反発する作用を持つプラズマを武装表面に纏わせる、プラズマ・スキンなどでこの弱点を補うことになる。

   この対ビーム防御手段を破壊するためには実弾武器が必要なため、ビームと実弾の併用装備が求められた結果、それらを一つの火器に融合させた、ハイブリッド型という概念が誕生した。


   ただしハイブリッド型はその構造上、一般的なビームライフルや実弾ライフルと比べてはるかに高額になるため、採用するのはエースパイロットや一部の高級機に限られる場合が多い。


   なお『カレトヴルッフ専用』とついているが、大型マキャヴェリー規格採用兵器であるため、他の大型マキャヴェリーでも問題なく使用可能。



 ・カレトヴルッフ専用シールド

  ┗機体と同じ紫色のシールド。表面は対ビームコーティングが塗られている。

   先端部裏側には保持補強用のアンカーがあるため、地上射撃戦になった際の障害物としても設置可能。

   こちらも『カレトヴルッフ専用』とついているが、ライフルと同様に大型マキャヴェリー規格採用兵器であるため、他の大型マキャヴェリーでも問題なく使用可能。



 ・バースト・レイピア

  ┗刀身内に爆薬を仕込んだ細身の直剣。腰部側面のサイドアーマーに収納される他、サイドアーマー内には予備刀身が納められている。

   一般的に、実体剣は対ビーム効果を持つプラズマ・スキンに対応したものが多いが、内部に爆薬がある都合上、誘爆を避けるため、バースト・レイピアには対ビームコーティングが採用されている。

   ただし、対ビームコーティングではビーム刃との鍔迫り合いは極めて短い時間しか行えないため、ビーム刃を持つ敵機との戦闘、および予備刀身が使用できない場合に備え、柄からはレイピアと同じ程度の長さのビーム刃を発生させることが可能となっている。

   予備刀身が納められたサイドアーマーは姿勢制御補助用の推進器が組み込まれている他、刀身が納められたコンテナからグリップを展開し、サイドアーマーから取り外すことで、トンファーとしても使用可能。トンファーは表面に対ビームコーティングが施されている他、予備刀身を用いてパイルバンカーとしても使用可能。

   サイドアーマーの色は濃灰色。また、開発元が異なるため、カレトヴルッフ本体とは意匠が異なる。


   なお、レイピアというと、フェンシングなどで使用される、非常にしなる細剣がイメージされることが多いが、そちらはフルーレと呼ばれるレイピアから派生した剣であり、本来のレイピアはしなる事はない。


   ガーラン・リントヴルム殿下によって製造、追加された武装であり、接続にはマキャヴェリー規格のハードポイントを介するため、他のマキャヴェリーでも使用可能。



 ・カレトヴルッフ専用ハイブリッド・ハンドガン

  ┗腰部正面のフロントアーマー内部に収納された、ハイブリッド型のハンドガン。左右それぞれに1丁ずつ収納される。

   ロールアウト時の所定の位置は大腿部側面であるのだが、バースト・レイピア用のサイドアーマーと干渉するため、収納位置が変更になったという経緯がある。

   専用と(中略)



 ・PBリフレクション・スラスタ

  ┗機体背面のランドセル両側部に取り付けられた、アルファベットのVを90度横に倒した形状の補助推力発生装置。下側は上側に比べて半分程度の長さ。

   色は濃灰色。また、開発元が異なるため、カレトヴルッフ本体とは意匠が異なる。


   Pはプラズマ、Bはビームを表し、プラズマとビームが相互に反発する特性を利用した、電力のみで動作する推力発生装置である。

   上側の羽根内部にプラズマ・スキンを展開し、下の羽根からビーム粒子をプラズマ・スキン目掛けて発射することで、発生する反発作用を推力に転換する。


   非常に強力な推進力を瞬間的に発揮することが可能で、カレトヴルッフの飛行戦闘能力を大幅に強化している。反面、発生する推進力が強力なため、操作難易度は非常に高いものとなっている。


   なお、このスラスタ単体ではドール・マキナを飛ばすことは不可能である。飛行のためには常時的な推進力が必要であり、このスラスタのみで飛行しようとすると、電力を著しく消費するためである。


   ガーラン・リントヴルム殿下によって製造、追加された武装であり、接続にはマキャヴェリー規格のハードポイントを介するため、他のマキャヴェリーでも使用可能。

   ただし、前述したとおりの操作難易度もあり、ライナス・ロンゴミニアド殿下以外に使用できるかは疑いの余地が残る。


   元々、このハードポイントにはビームソード・ラックが取り付けられていたが、バースト・レイピアを装備したことを理由に、ロールアウト時装備のビームソードは現在は使用されていない。


※西暦2000年4月10日、作成

(日本国防軍 情報局 管理下 極秘資料より一部抜粋)


―――――――――――――――――――――――――――――――――――

 ここからメタネタ


 歴史の授業の時間か???


 というわけで世界最大のシェアを誇るカテゴリー、マキャヴェリーについて解説したわけですが、世界でもっとも使われている以上、そこにはそれなりの歴史があるわけですよ。


 ローズ・スティンガーが悪役令嬢機、ルインキャンサーが原作主人公機、イクス・ローヴェがオリジナル主人公機であるとするならば、カレトヴルッフは『すでに完結した原作の主人公機系列の、数百年後の姿』という、原作にオリジナル要素も混ざってるよ、という機体。


 見た目的には例のマスクを外してはいけない凶鳥の眷属(上半身担当)とガ○ダムヴィダール(下半身担当)を混ぜたようなシルエット。


 イクス・ローヴェが特定状況に置ける対応への特化機であるのに対し、カレトヴルッフは空陸・遠近・射撃と格闘・斬撃と打撃・ビームと実弾と実体剣、なんでもござれの万能型。

 

 記述の通り、イギリス王家は愛機を自分好みに好きなだけ改造しまくって専用機を作ってね! という風潮なわけです。

 が、

 ライナスが求める方向性が高性能・高汎用性なせいで、ロールアウトした段階でほぼ求める状態になってしまっているという悲劇。

 ガーランが試作品の機能検証も兼ねて、近接戦闘能力の強化にバースト・レイピアと、予備刀身の収納と補助推力を兼ねたサイドアーマー、そして空戦能力の強化にPBリフレクション・スラスタを取り付けた結果、ライナスの求める機体性能としては既に完成品状態です。


 長年の技術蓄積も含めて、今後はガーランが追加した部位が改良されていくくらいしか成長の余地がないという機体です。


 某お祭りゲームに参加した場合、地形適応は空A陸A海B宇A。

 特殊な動力なども積んでいないので、特殊能力も特になし。

 単純に高い機体性能と、優れたパイロット能力で序盤から安定して戦えて、パワーアップイベントがないので後半になるにつれパワー不足を感じる機体。

 そしてパイロットは特殊技能に「天才」持ち。天才のバーゲンセールか?


 ガーランが学術面の天才であるのに対し、ライナスは戦闘センスの天才です。

 ガーランは自分を特別な、他者より優れた人間であると考えているので、友人として認める相手も相当な才覚を求めます。他国の王族程度の価値では、ガーランは対等とは認めません。

 ライナスの場合は、戦闘面における天才だったというわけですね。


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