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≪tips≫機体解説:イクス・ローヴェ

●機体仕様


 正式名称:第10世代ローヴェ型 技術検証試験用1号機 帝族仕様


 機体分類:キャバリエ


 形式番号:RR11X-10-1LKG

 製造年 :1999年11月15日

 製造所 :ドイツ国防総省 国防高等研究計画庁 第11キャバリエ研究開発局


 頭頂高 :15.2メートル

 本体重量:36.2トン


 地形適応:陸上適性:極めて高し。航空適性:可。水中適性:低。


 動力  :メイル型マリウス・ジェネレーター×1

      フィメイル型マリウス・ジェネレーター×4


 搭乗者 :ガーラン・リントヴルム


■注意事項

 当資料はドイツ政府より提供された資料を基に作成されたものであり、提供資料に隠蔽、あるいは虚偽が含まれている可能性があるため、その点に留意して確認されたし。


●機体解説

 イクス・ローヴェはドイツ軍の現行制式ドール・マキナ、ノイン・ローヴェに代わる次世代機ツェーン・ローヴェの試作型検証機である。

 ノイン・ローヴェに引き続き、機体各部の装甲を換装することにより、機体特性を大きく変更することで、多種多様な戦局に対応可能な機構、リプリシング・アーマー・システムが採用されている。


 地上での近接格闘戦に特化した機体である。

 これは近年のドール・マキナ戦の発生傾向が、犯罪者がドール・マキナを持ち込むことによる市街地戦に傾倒していることが考慮されており、リプリシング・アーマー・システムの基本形態だけでなく、市街地戦用アーマーを兼用している。


 ローヴェはドイツ語でライオンを意味し、その名の通り、ライオンを意匠とする頭部を有する。

 ドイツ帝族仕様により、機体外観の色は白を主色に、金を頭部の鬣、各部の差し色と縁取りに使用している。

 一般的なドール・マキナと比べて指部が大きく肥大化したマニピュレーターを有するが、これは後述する固定兵装、ストライク・プラズマ・クローを搭載したことによるものである。

 この大型マニピュレーターも同様に金色であるが、これは塗装したものではなく、新たに開発されたプラズマ・スキン対応金属の色である。


 ノインは9、ツェーンは10、イクスはアルファベットのXを意味するドイツ語である。

 本機のペットネームである『イクス』の名は、試作機コードを表すXと、ギリシャ数字で10を意味することのダブルミーニングであるとのことである。


 設計者、及び搭乗者はドイツの皇帝一族直系男子、ガーラン・リントヴルム殿下である。


 形式番号RR11X-10-1LKGは順に、


 R :リプリシング(換装の意)

 R :ローヴェ型

 11:第11キャバリエ研究開発局開発

 X :検証試験機

 10:第10世代

 1 :1号機

 LK:リントヴルム帝族仕様

 G :ガーラン機


 を意味する。

 現在は日本の朝鮮半島実効支配犯罪者集団対応多国籍防衛部隊、通称ラプソディ・ガーディアンズに出向中であり、ドイツ軍管理下から外れているため、ドイツ所属を示す国際コード:DEUが含まれていない。

 なお、ツェーン・ローヴェは当資料作成日時である2000年4月10日時点では製造されていないが、先んじて共通形式番号がDEU-RR-10に決定している。


 動力としてメイル型マリウス・ジェネレーターだけでなく、両腕両脚に一つずつフィメイル型マリウス・ジェネレーターが搭載されているのが大きな特徴である。

 ただし、15メートル級のドール・マキナを動かすには、よほどの超高出力兵装を搭載でもしていない限り、メイル型マリウス・ジェネレーター1基で十分であり、フィメイル型マリウス・ジェネレーターを4基も副動力として搭載するのは完全な過剰出力である。

 これはイクス・ローヴェが検証試験機であることだけでなく、ガーラン殿下がマリウス教の教皇猊下の孫であることに起因する特別仕様であると思われる。なお、マリウス・ジェネレーターはメイル型とフィメイル型を合わせて年間生産量は三百程度しかない、非常に希少性の高い高性能動力である。

 希少性の高さゆえ、ツェーン・ローヴェの場合は、フィメイル型マリウス・ジェネレーターではなくバッテリーが両腕部と両脚部に搭載されるものと予想される。


●キャバリエについて

 キャバリエはドール・マキナの分類の一つである。

 国連は、以下の条件を満たすドール・マキナをキャバリエとして定義している。

 ・メイル型マリウス・ジェネレーターを搭載していること(補足1)

 ・外装を換装することで、同一の機体でありながら、多数の戦局への対応能力を有すること(補足2)


 キャバリエは主に、ドイツ及びその周辺国で運用される。


(補足1)メイル型ではなくフィメイル型マリウス・ジェネレーターを搭載するドール・マキナはシュヴァリエに定義され、主にフランス、スペイン、ポルトガルで運用されている。

(補足2)キャバリエの後者の条件を満たさないドール・マキナはパラディンに定義され、主にイタリア、及びバチカン市国で運用されている。


 シュヴァリエ、及びパラディンは、マリウス・ジェネレーターの極めて優れた低温性能により通常、防弾・防刃・防塵を目的とする装甲服、通称ドレスを着用し(補足3)、キャバリエの中にもドレスを使用する機体は存在するが、ローヴェ型は全身の装甲を換装する都合もありドレスを採用していない。

 この仕様は、イクス・ローヴェにも引き継がれている。


(補足3)マリウス・ジェネレーター以外の動力では、機体に熱が篭りやすくなることと、排熱可能領域が制限されるため、一般的にはドレスは採用されない。また、防塵を目的として関節部を布で覆う処理については、一般的にはドレスとは扱われない。


 なお、イクス・ローヴェはメイル型、およびフィメイル型マリウス・ジェネレーターの両方を搭載しているが、主動力側となるメイル型の条件が優先されるため、キャバリエに分類される。


●ノイン・ローヴェとの差異について

 ノイン・ローヴェは第二次世界大戦後、戦時中のデータを反映し、1950年に設計された機体であるが、半世紀を経てもなお現役である。

 これはノイン・ローヴェの特徴である外装換装機能(リプリシング・アーマー・システム)に助けられている部分が大きい。

 しかしながら、旧世代的な基礎部を外装換装機能で補うには、50年という歳月は長過ぎたようで、この度、基礎部分からの全面的な設計の見直しとなった。


 ノイン・ローヴェが同時期に発表された大型マキャヴェリー規格との互換性を考慮したことで、大型マキャヴェリー企画のマニピュレーターが採用されており、機体長が同規格の標準体型である12メートル級である。

 これに対し、本機はノイン・ローヴェの運用データから互換性を不要と判断。マニピュレーターを始め、独自の規格を新規に設計しており、機体全長も15メートル級と大型化されている。


 外装換装機能(リプリシング・アーマー・システム)は歴代のローヴェ型キャバリエに引き継がれてきた仕様及び機能であり、イクス・ローヴェにも引き続き採用されている。


 特に腕部の形状は大幅に変更されており、ローヴェ型の特徴である腕部回転機構による内蔵兵装、リボルビング・アームズ・システムの換装コンテナは、四角いブロック型から120度の環状扇形(バウムクーヘン)型コンテナに変更されている。

 これにより、イクス・ローヴェの腕部は円柱状となったことで、ノイン・ローヴェのものと比べて大幅に腕部耐久度と対弾性能が向上する他、内蔵される武装モジュールの搭載可能キャパシティも増量されている。


●武装・特殊機能

 ・リプリシング・アーマー・システム

  ┗機体の外装を丸ごと交換することで、機体特性を大幅に変更し、様々な戦闘に対応する機能。

   ローヴェ型の標準装備であり、最初期の試作品であるローズ・ローヴェを除き、全てのローヴェ型に採用されている。

   運用のためには専用艦との連携が必須であり、イクス・ローヴェの場合は下記ルスタンハイツ・ヴァイスエルフとの連携を前提としている。


 ・頭部バルカン砲

  ┗頭部両側(こめかみ)に1つずつ、計2門が設置されている。実体弾。固定武装。

   ミサイルの迎撃や牽制、接近戦時の目眩しなどを想定されている。対人型兵器用としては、よほどの小型や装甲が薄くない限りは有効にはならない。

   弾薬はノイン・ローヴェの頭部バルカン砲と共通のものが採用されている。


 ・口内高感度大型ガンカメラ

  ┗頭部口内に収納された大型ガンカメラ。

   搭乗者であるガーラン殿下の特異体質、『妖精の目』に対応した特殊仕様カメラが搭載されている。

   ツェーン・ローヴェの場合は、代わりに長距離狙撃や望遠映像取得用のガンカメラが搭載されるものと予想される。

   未使用時の場合には破損を防ぐため、口の中に収納される。


 ・ストライク・プラズマ・クロー

  ┗本機最大の特徴である、超大型打突・切断用格闘兵装。

   人体比率を大きく超過した五指型マニピュレーターと、指先に取り付けられた金色の爪が特徴。

   この金色の爪は最新の耐プラズマ性重合金、レオン合金で作られており、先端方向は指全体の長さと同程度、根本方向は指の付け根までを覆う長さを持つ。

   通常、金属表面にプラズマ膜を纏うと、その金属はプラズマ電荷により急速に劣化するため、プラズマ膜による攻防一体型機能、通称プラズマ・スキンを用いる部位にはプラズマに高い耐性を持つ金属が用いられる。この特性を総じて耐プラズマ性と称する。

   レオン合金の耐プラズマ性は非常に特殊で、この合金はプラズマを纏うと相転移現象を起こし、発光しながら超硬質化するという特徴を有する。この状態での破壊は非常に困難である反面、プラズマ・スキン非展開時は一般的に装甲に用いられる金属類と大きな強度差はない。

   一方で、レオン合金は非常に高価、かつ非常に重く、機体全体の装甲をこの合金で作成するのはコスト・機動能力低下の弊害・プラズマ発生のための電力供給による活動可能時間の大幅な短縮といった面で非現実的であるとされる。

   ドイツ政府より提供された資料に記載はなかったが、イクス・ローヴェの五指型マニピュレーターが人体比率を大きく超過しているのも、このレオン合金性クローを保持するための強度を確保するためのものと推測される。

   イクス・ローヴェにて初搭載された固定武装であり、リプリシング・アーマー・システムによって他の形態に換装した場合でも引き続き使用される。


 ・リボルビング・アームズ・システム

  ┗リプリシング・アーマー・システムの一部として、両前腕部の装甲を兼用した武装モジュール。

   前述した通り、120度の環状扇形(バウムクーヘン)型コンテナが採用されている。このコンテナを3つ取り付けることで、円柱状の腕部を構成する。

   このコンテナは機体特性に応じて変更され、近接戦闘用途の場合は内臓式ブレードや近接用ガトリング砲、砲撃戦闘用途の場合はレドームやマイクロミサイルコンテナという具合に、内臓武器そのものを変更するために使用される。

   リボルビング|(回転式)の名の通り、戦況への対応や換装の高速化のため、コンテナの取り付け位置は腕を軸に回転が可能。


   イクス・ローヴェは左右共通で、以下を一つずつ搭載している。

   ①内蔵型高速振動式プラズマ・コーティング・ブレード

    コンテナに内蔵された実体剣。高速振動、及びプラズマでコーティングすることで切断力を向上させている。

    鉄色の刀身であることから、ストライク・プラズマ・クローと異なり非レオン合金製である。

    長い刀身を刀身よりも短いコンテナに内蔵するため、根本側の刀身内に先端側の刀身が格納される二重収納式が採用されている。

    切断力は非常に高いが、構造上、耐久性が低いという欠点がある。


   ②内臓型二門式ガトリングガン

    コンテナ内部から基部ごと浮き上がり、砲門を露出させて使用するガトリングガン。

    頭部バルカン砲よりも強力で、対ドール・マキナ用としても十分な性能を発揮する。ただしその構造上、装弾数が少ないという欠点がある。

    この欠点を補うために脇腹に予備弾倉が搭載されており、コンテナの回転機構と合わせて迅速な再装填を可能とする。


   ③大型ビームソード

    イクス・ローヴェの巨大なマニピュレーターに対応するため大型化しており、大型化の恩恵により高出力化している。

    コンテナ内から引き抜かなくても使用可能なほか、収納状態ではビームガンとして運用することも可能。ただし、ビームガンとしての性能は同サイズのビーム・ハンドガンなどと比べても優れたものではない。ガトリングガンと合わせ、一種のハイブリッド型とも言える機能である。


●ルスタンハイツ・ヴァイスエルフについて

 ルスタンハイツ・ヴァイスエルフはドイツ国防総省、国防高等研究計画庁、第11キャバリエ研究開発局が運用する、イクス・ローヴェとの連携用専用運用艦である。

 なお、航空能力を有する揚空艦である。


 イクス・ローヴェのリプリシング・アーマー・システムを運用するためには、この艦との連携を必須とする。


 全長は298メートル。艦体色は白。艦橋は円柱を横に倒した形状をしており、艦橋部はリプリシング・アーマー・システムの換装コンテナ搭載部及び換装機構部を兼役している。


 ドイツ軍所属の工作艦を表すルスタンハイツの名を冠しており、これは七つの大罪の一つ、淫蕩を意味する。


 本来の構想では工作艦ではなく強襲万能揚空艦であるのだが、武装を製造、搭載する前に、ガーラン殿下の座乗艦として日本に同行したため未武装となっており、それを理由に現時点では工作艦に分類される。

 なお、下記のドール・マキナ特殊輸送設備、ドラッヘンカノーネを試験搭載しているが、これは大砲やビーム砲には分類されない『輸送設備』である。


 艦載可能数は大型ドール・マキナ換算で最大8機。機体長から考えると搭載可能数が少ないが、これは検証のため大量の資材を搭載していることと、ドール・マキナ特殊輸送設備、ドラッヘンカノーネを搭載していることによる。

 これらが無い場合、実際の搭載可能数は12機から15機前後と推測される他、甲板部を利用すれば、これ以上の搭載が可能。


●ドラッヘンカノーネについて

 ドラッヘンカノーネはガーラン殿下が発案した、ビームを纏う外殻でドール・マキナを覆い、目標地点へ射出する特殊輸送設備である。


 ビームを纏う外殻はヒューゼと呼ばれ、接続ユニットを介して機体と接続される。この接続ユニットはヒューゼを保持する他、ヒューゼ外部にビーム粒子を供給する役割を持つ。


 射出されたヒューゼはビームによって外部からの攻撃を防ぐ他、目標地点到着前に空中で燃え尽きることで、市街地への射出でも残骸が市街地に降り注がないという利点を持つ。


 また空中輸送という方法の都合上、敵対者、あるいは第三者に奪取される可能性があるため、ハッチの解放とコンバットシステムの立ち上げには専用の鍵を必要とするほか、コントロールは母艦が解除しない限りロックされた状態にすることで対策としている。



※西暦2000年4月10日、作成

(日本国防軍 情報局 管理下 極秘資料より一部抜粋)


―――――――――――――――――――――――――――――――――――


 ここからメタネタ


 ローズ・スティンガーが悪役令嬢機、ルインキャンサーが原作主人公機であるとするならば、イクス・ローヴェはオリジナル主人公機とも言える機体である。


 というのも、この世界は複数の乙女ゲームが融合した世界であるのだが、このイクス・ローヴェはその素材となったどの世界にも存在しない機体であり、世界が融合していなければ誕生しなかった機体であるからだ。


 さらに補足するならば、もともとはマリアが異世界転生者としてドイツで好き勝手やっていた頃に生み出したオリジナル機、ローズ・ローヴェに端を発する機体である。


 元ネタとなったのはZ○IDSのライガ○ゼロ。でもイクスって付いているくせにイクスアーマーではなくゼロアーマーの方。紛らわしい。


 某お祭りゲームに参加した場合、地形適応は空B陸S海C宇A。

 地上戦特化機ということで陸はSである。贅沢。風の魔装ナントカさんは長らく変形しないと空A止まりだったのに……。これも時代か。

 空Bなのは、空は飛べるんだけれど、あくまでも『一応空が飛べる』程度の能力であり、『空を飛びながら戦うこと』を想定していない機体のため。

 マリウス・ジェネレーターを搭載しているためEN回復能力持ち。

 そしてパイロットは特殊技能に「天才」持ち。でもたぶん「集中」は貰えない。だって頭痛持ちだから。天才はひらめく者だから最初の精神は「閃き」じゃないですかね。もしくはマッチョだから「気合」か。後はリプリシング・アーマー・システムに対応して「狙撃」「加速」「直撃」辺りを覚えそう。


 余談の余談だが、作中に出てくるDMMA、つまりロボットを用いたスポーツが存在するのは、この某お祭りゲームに参戦した時に、DMMAがあるならZ○IDSを使ったスポーツがあってもいいじゃない、という理屈で同時参戦出来ねーかなー、なんてことを目論んでいるせいである。NO FUTURE。

 そもそもローズ・スティンガーの種族、マンティという金属生命体はZ○IDSが元ネタなわけだし。やっぱり同時参戦するっきゃないっすよ!!


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