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≪tips≫機体解説:ルインキャンサー

●機体仕様


 正式名称:航空輸送連携試作検証機 主戦闘対応用途1号機 ルイン・キャンサー


 機体分類:特型・該当分類無し


 形式番号:JPN―XNR―00―01H

 製造年 :2000年2月3日

 製造所 :野亜研究所


 全身長 :30.3メートル

 本体重量:88.0トン

 地形適応:陸上適性高し。水中適性可。航空適性無し。


 動力炉 :核融合エンジン


 搭乗者 :野亜六華(主)

      野亜優美(ゆみ)(副)


●機体解説


 ルインキャンサーは東京都奥多摩町、野亜研究所にて製造された特型ドール・マキナ。


 新機軸の設計概念につき、現時点では機種分類は存在しない。



 昨今のドール・マキナ運用論においては、機体性能の発展より、如何に迅速に必要とされる場所へ必要なドール・マキナを派遣するかが重視されており、ルインキャンサーはそれを前提に設計された機体である。


 本機を運搬し、運搬後は戦闘支援を行う大型航空機との連携を前提としている。


 航空機による運搬は既に存在する運用方法であるものの、本機はそれをさらに発展させ、支援機との合体機構を有している。


 なお、支援機は未だ実験段階であり、ルインキャンサーのみが先んじてロールアウトしている。



 ルインキャンサーは副操縦席を有し、航空支援機の操縦はここから行う。


 これはドール・マキナよりも撃墜しやすい航空支援機が攻撃される傾向が高いため、人的被害の軽減を目的とする仕様である。


 なお、航空支援機側にも操縦席は設計されており、支援機単独でも運用は可能。支援機から操縦している場合でも、合体時にルインキャンサーの副操縦席と入れ替え可能な設計になっている。また、この機能は緊急脱出装置を兼用している。



 昨今のドール・マキナの標準的な機体長は10メートル前後であるが、本機は合体機能を組み込む試作機のため、合体強度の確保を理由に30メートルという超大型機になっている。


 一般的なドール・マキナの運用サイズを大幅に超過しているものの、「専用航空機による運搬を前提としているため、機体の大型化は問題にはならず、戦闘能力の向上、及び操縦者の安全性の確保の観点から利点の方が多い」と野亜博士は主張している。



 万一鹵獲された場合を考慮し、操縦には生体認証式を採用。現在はテストパイロットとして、野亜博士の二人の娘(六華、優美)が登録されている。



●外見


 主な機体色は白と紺。一部に金色、藍色、赤。


 全長は巨大であるが、運搬性と合体機構が考慮された結果、体格は普通となっている。


 頭部はツインカメラタイプ。支援機の遠隔操作用に、頭部にはリング状のアンテナが設置されている。


●武装


 ルインフィンガー/ルインフィンガー・ビームクロー

 ┗指による打撃。巨体故に、単純な質量攻撃として十分な破壊力を有する。

  指先からはビームソードの展開が可能な他、指はプラズマ・スキンの展開が可能。


 ルインブラスター

 ┗頭部から発射されるビーム砲。射出口はツインカメラの周辺に存在する。

  ミサイルなどの対空火器としてはやや威力過剰であり、主に対ドール・マキナ用の兵装。


 ルインランサー

 ┗両脚部に1本ずつ内蔵されている両刃の大型剣。

  柄を連結することが可能。また、刀身にはプラズマ・スキンの展開が可能。


 ルインブレイカー

 ┗胸部から発射される大出力・大口径のビーム砲。

  一般的なドール・マキナ用としては完全に威力過剰であり、ルインキャンサー同様の対特型、ないし対戦艦、あるいは対大群殲滅用を想定した兵装。


※西暦2000年4月3日、作成

(日本国防軍 情報局 管理下 極秘資料より一部抜粋)


―――――――――――――――――――――――――――――――――――

 ここからメタネタ


 原作ゲーム『星降る夜を追いかけて』の主人公機。


 原作シナリオ本来の流れでは、主人公が入学した学園に現れたテロリストを撃退するのに使用され、その後は名門校に通うイケメンたちと紆余曲折あって一緒に戦うことになる。


 中盤、主人公の妹が操縦する支援戦闘機と合体することでパワーアップ。武装も増え、このタイミングで攻略ルートが確定するほか、ルートによって追加される必殺技の演出と性能が変化する。


 機体名の『ルイン』は滅ぼす、『キャンサー』はガンを意味し、『ガン=悪いもの=悪』という解釈で『悪を滅ぼす者』という名前を持つ、王道スーパー系主人公機。「乙女ゲームの主人公機だから濁音は入れない方向でお願いね」という社長の意向も満たした機体名となっている。


 なおキャンサーには『かに』という意味もある。というより本来の意味はこちら。


 原作ゲームのディレクター、マリアが前世で言ったのだ。


「蟹座が主人公になって獅子座とかをぶっ飛ばしてぇ~!」


 と。マリアは前世で蟹座だった。完全に私怨であった。


 かくして設定担当は口から上司への怨嗟という名の廃棄物を漏らしながらルインキャンサーを生み出したのである。


 という隠し設定が存在するため、『星降る夜を追いかけて』の登場人物、あるいは登場機体は黄道十二星座に関連する名前を有する。


 例えば中盤にて参戦する妹の優美は同じ音の『弓』、すなわち射手座を担当する。ちなみに妹、つまり強化支援機が射手座の担当になったのは、蟹座が生まれた神話への意趣返し。蟹座が生まれたのは、弓の名手ヘラクレスに踏みつぶされた蟹を哀れに思った女神が天に上げたためである。そして射手座の元になったのはヘラクレスの毒矢によって死を選んだケイローン。つまりヘラクレス被害者の会。


 なお、麗奈の担当は名前の通り『獅子』であり、『サソリ』は麗奈の担当ではない。一人が担当する星座は一つまでで、そもそも原作ゲームで麗奈が搭乗する機体はローズ・スティンガーではないし、その機体もサソリに関連する名前ではない。


 これはローズ・スティンガーが『星降る夜を追いかけて』には登場せず、別作品の『鋼の大地の歩み』に関連する存在であり、複数の作品が融合したことにより設定の齟齬が発生しているのが原因。


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