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246.地獄の冒険者、闇に堕ちる 2

おおお~~~

おおお~~~

おおお~~~


不気味な唸り声の大合唱と共に、数100体(数1000体?)のゾンビが学園に向って進軍してきている。

その先頭は・・・予想はしていたけど、やっぱりガガだった。

学園を表と裏で牛耳っていた『学園の魔女』の片割れだ。


「ボーイ君、大丈夫?」

「他にやりようがないだろ」

「お願い3時間、いえ2時間でいいわ、何とか持ち堪えてね」

「わかりました。それよりチコ、みんな、死ぬなよ」

「「了解っ!」」

「ボーイ、コロ、行きまーすっ!!

「バウッ!」


オレはコロ、そしてミーナと一緒に正門から校外へ飛び出して行った。

敵はゾンビ、高度な戦術など出来やしない。数に任せて結界に綻びが出来ている正門から強行突破を狙っている。

こっちの作戦は・・・オレとコロでゾンビ達を倒しまくり数を減らし、漏れた(ワザと漏らした)ゾンビは校内で学生達が個別撃破する、と言う単純かつゴ◯ブリホイホイ的なヤツだ。

消耗戦になるけど、何だか今夜はすこぶる体調がいいのでフルマラソンでも出来そうだ。また、もし戦闘が硬直して郷を煮やしたラスボスのガガがアクションを起こせばそこを叩いて一気にケリをつけるだけ。どっちにせよ負ける気がしない。


「油断しないでね、ボーイ!」

「おうよ」


ミーナに言われるまでもない。もう誰1人犠牲にはしない。


おおお〜〜〜

おおお〜〜〜


目の前にすると、想像以上の大軍団だった。

そしてガガと対峙する。


「ガガッ!!」

「ボーイ、やっぱりあなたが出てくると思っていたわ。最初からあなたはどこか違うと思っていた。

今からでも遅くない、()()の仲間におなりなさい」

「何バカな事を。そっちこそ投降するなら今のうちだ。帝国の法律は知らないけど、少なくともここで死ぬよりはマシだろ」

「そう・・・どうしても歩み寄れないのね・・・ならば死になさいっ!行けゾンビ達!!」


おおお〜〜〜

おおお〜〜〜


一斉に襲いかかって来るゾンビ軍団。でもゾンビだから動きが緩慢なんだよなぁ。


「行くぞコロ!ミーナ!」

「バウッ!!」

「行っけーっ!!」


オレは虚空から魔剣月影(ツキカゲ)を取り出すと、ゾンビの群れの中に突っ込んで行った。


「おらおらおらーっ!」


全てのゾンビの首を一太刀で切り落としていく。人型の魔物、斬り捨てる事に罪悪感が無いわけではない。でも優先すべきは生きている者達を守る事、ゾンビに私情を挟んでいる暇などない。


「バウバウッ!」


コロも器用にゾンビの間を縫うようにすり抜けながら、的確に頚動脈を噛みちぎっていく。

まだまだ全然余裕そうだ。


「かかってこいやーっ!」


一瞬で数10体のゾンビの屍(変な言い方だけど)出来ていく。


「ボーイ、全部倒さないでよね!」

「わーってる」


ゾンビ達の目当てはあくまで学園。時々横を通るゾンビを目こぼしして、正門までの道筋を作ってやる。


おおお〜〜〜


一体のゾンビが結界の綻びから学園内に侵入した。


「来たぞ!」

「かかれっ!」

バキッ!

ガスッ!

ドカッ!

・・・・・・

「「とったどーっ!!」」


学生達の雄叫びが聞こえてくる。

よしよし、オレの教えた三位一体の攻撃がきちんと機能しているようだ。

これからも場慣れ&経験値アップの為に適宜ゾンビを回してやろう。残りのゾンビは


「かかってこいやーっ!」(2回目)


再びゾンビの群れを次々と斬り捨てていく。文字通り死屍累々、金太郎飴じゃないけど、斬っても斬っても湧いて出てくるゾンビ達。

既にオレとコロで100体を超えるゾンビを撃退した。


「数が減らないよー」

「マジで長期戦だな、こりゃ」


まだまだ全然いける、けど・・・


(何だ、この違和感?)


疲れたわけじゃないのに、心なしかゾンビ達の攻撃力が増してきたようだ。


「違うよボーイ、ゾンビの動きが速くなってきているわ!」

「みたいだな」


さっきまで対峙していたゾンビ達はフェーズ1(ノロノロ)ばかりだった。それが今では殆どのゾンビがフェーズ2(てくてく)


(ははあ)


ガガもただ数に物を言わせた特攻ではなく、それなりに策を講じてるらしい。弱いゾンビから強いゾンビに徐々にシフトさせていき、そして・・・いや、どう言う意味があんのかよくわかんないんだけど。


「バウッ!」

「おう」


考えていてもしょうがない、やる事は1つ。ただひたすらに敵の数を減らしていくだけ。

さらにゾンビを斬って斬って斬りまくる。

100、110、120、時々目こぼし。

130、140、150、時々目こぼし。


おおお〜〜〜

おおお〜〜〜


ここでゾンビ達のギアも1つ上がっていく。フェーズ3(シャカシャカ)。ゾンビ映画で最も厄介な走れるゾンビだ。

いや、マジで速い。でも、所詮は烏合の衆。ランナーズハイ、じゃないな、ハンターズハイ?アドベンチャーズハイ?とにかく今のオレ達の敵じゃない。

160、170、180、時々目こぼし。

190、200、210、時々目こぼし。

ここでゾンビの猛攻がピタリと止んだ。


「どうして?まだあんなに沢山いるのに。もしかして諦めた?」

「そんな単純なモンじゃないみたいだ、ミーナ」


おおお〜〜〜

おおお〜〜〜


再び進軍を始めるゾンビ軍団。フェーズ1(ノロノロ)に戻っている。


「参ったなこりゃ」

「悪趣味過ぎない?」


おおお〜〜〜

おおお〜〜〜


2回り高音のゾンビボイス。そう、今度の進軍は女子供のゾンビで構成されていた。

ガガのヤツ、えげつなさ過ぎだろコレは。オレに・・・斬れるのか・・・

お読みいただきありがとうございました。これからも出来るだけ更新していきますのでよろしくお願いします!

また、ブクマ、評価等いただけるとメチャクチャうれしいです(*^_^*)

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