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優しい死霊術師(ネクロマンサー)  作者: かいみん珈琲
9/11

9/動く死体①

どうもはじめまして、かいみん珈琲です。

こちらのサイトに投稿は初めてですが、よろしくお願いします。


作品の紹介として、

作風として『ゾンビらしくないゾンビ』×『死生観』というテーマです。


あくまでもゾンビ風にしているので、スプラッタなシーンは少ないです(笑)

表現もソフトにしています。


温かく完結まで見守っていただけたら幸いです。

●とある廃屋


 メメントはコレットを、ある街はずれにある空き家まで連れ出した。

 すでに住民も消え、廃屋となった場所。

 エインがある人物と共に、2人を待っていた。

 

 ――ある人物とは、司教である。

 コレットの両親をたぶらかし、死に追いやった”死済教”支部の責任者。

 エインやメメントによって拉致された後、縛られて軟禁されている。

 砂まみれの荒縄で猿ぐつわ、そして後ろ手に結ばれた状態で膝をついている。


「コレット。こいつ、お前の好きにしていいぞ」


 メメント、コレットの背中を押す。

 突然すぎて、状況がうまく掴めていないコレット。

 ついエインとメメントを交互に見やる。


「昨日の夜、こいつを捕まえたんだ。許さないんだろ? 煮るなり焼くなり好きにしな」


 と、コレットの足元に鈍器やナイフを投げ捨てる。

 だが、コレットは呆然と転がったそれらを眺める。


「んっー!! っ! ッん、んー!!」


 静観していた司教も、コレットの落ち着きように焦りを感じる。


「ねぇメメント、これでよかったの?」

「ああ、けじめは自分でつけた方がいいだろ」

「子供に厳しすぎだよ、メメントは……」

「家族を殺されて、子供も親もあるかよ」


 エイン、大げさに肩を落とす。

 おそらくメメントは、小さい頃の自分とコレットを比べているのだろう。

 そう思うと厳しい言動や冷たい態度も、どこか得心がいく。


 ――そう、両親と兄を殺されて成す術がなかった、無力な自分への。


「……やっぱり、できないよ……」 


 と、握る事も拒否するように手が震えている。

 かたきをとりたいが、殺したくないというのが気持ちが正解だろうか。


「さっきまでの意気込みはどうした。『許さない』し、親父さんと『一緒に暮らしたい』んだろ。こいつが生きてる限り、大事なモノは手に入らないぞ?」


 と、怯えた少年を焚きつける。

 

「――んッ!」


 刹那、司教が勢いよくコレットに体当たりする。

 大の大人に追突され、小さなコレットの身体は後ろに飛ばされてしまう。


 エインとメメントの注意にそれた時。

 司教は足元のナイフで荒縄を切ってしまう。

 2人が気づいた時には、両手が自由になった司教が立っていた。

 

「ぷはっ。形勢逆転ってやつですかな?」

 

 と、口元を縛っていた縄がすとんと落ちる。


「やり返したいところだが、私は臆病者でね。これで失礼するよ。おっと。襲い掛かってきたらナイフで刺してしまうかもしれないからね」


 と、ナイフの切っ先を順々に3人へ向けながら、後ずさる。

 だがそんな脅しはエインには顔色を変えず、襲いかかる。


「なッ!?」


 と、素っ頓狂な声が出る司教。

 小柄な体躯のどこに、こんな力があるのか。

 無我夢中でエインの手から逃れようと暴れる。


「こんのッ!! 邪魔ばかりしおって!」


 エインの肩口から腹まで、ナイフが袈裟斬りに滑り込む。

 そして、そのナイフを心臓の位置に押し込んだ。


 やった、と顔を緩む。


「無駄だよ。大人しくしな」


 ――だが当のエインは、無表情で司教を睨んでいた。

 司教をうつ伏せに倒し、その片腕を拘束するエイン。


「ッなぜだ! 胸を刺したのに!!」

 

 左胸のあたり、確かにナイフの柄が伸びている。

 刃の部分は、肉厚の中へと消えている。

 

 しかし、鮮血は一向に鮮血が垂れてこない。

 むしろ、今さらながら腕から伝わってくる肌の冷たさにも身の毛がよだつ。


「――当たり前だろ。うちの兄さんは死体アンデットだぜ?」

ここまで読了、ありがとうございました。


文字ボリュームはどうでしたか?

個人的に投稿していく中で気を付ける点として、以下の通りです。


・文字のボリューム(1000~1500文字程度)

・矛盾点があれば、その都度リライト(修正)

・擬音語や擬態語、抽象的な表現はできるだけ出さない

・ダラダラした、尺を長くする描写を控える


もし何かありましたら、コメントしていただけると参考になります。

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