6/お節介な兄
どうもはじめまして、かいみん珈琲です。
こちらのサイトに投稿は初めてですが、よろしくお願いします。
作品の紹介として、
作風として『ゾンビらしくないゾンビ』×『死生観』というテーマです。
あくまでもゾンビ風にしているので、スプラッタなシーンは少ないです(笑)
表現もソフトにしています。
温かく完結まで見守っていただけたら幸いです。
●コレットの自宅
「片付いた?」
「うん、なんとか」
初手はメメントが男の1人を。
そして、残りの2人も床に倒れこんでいる。
コレットを抱えた黒服の1人を、メメント。
メメントが現れた隙をついてエインが、もう1人の顎を掌底で一撃。
瞬く間に意識を刈り取られた3人。
神の啓示だと、教典の言葉を並べる事が好きなだけなのか。
不意をついたとはいえ、男達の戦闘能力は皆無に近かった。
「よーしよし。怖かっただろ、もう大丈夫。怪我はないかい?」
コレット、震える手でエインに抱きつく。
「兄さん、早く外に出ましょう。囲まれたら厄介だし」
と、玄関の方から戻ってくる。
念のため、外や周囲を調べてみたが誰もいない。
とりあえずはこの男達で打ち止めのようだ。
「わかった。でもその前に――」
コレットの母親に近づき、首の脈を確かめる。
その息子はじっと、エインの上着を握りしている。
「この出血量じゃ手遅れだよ」
「…………メメント、頼む」
「――ったく。助けたのも入れて2つ貸しよ」
と、傷ついた母親の腕の方に迷わず膝をつく。
下げた革製カバンに手を入れて包帯を取り出す。
「いっとくけど、生きている人間は専門じゃないんだからね」
と、慣れた手つきで母親の止血を施した。
●とある病院
コレットの両親を応急処置をした後。
エインは華奢な身体ながらも、その2人を抱えて近所の病院に駆け込んだ。
父親は麻薬の過剰摂取で意識混濁。
呼吸や脈拍も鈍い状態らしい。
母親は幻覚と錯乱による、自傷行為。
まさに”死済教”の教え通り、苦悩から逃げるように命を絶とうとしたのだ。
応急措置はしたものの、所詮は付け焼刃。
母親に関しては今晩が峠だと、医師は語る。
だが、まだコレットにはその事を伝えていない。
両親の衰弱はとても痛々しく、コレットがまた泣きじゃくっているからだ。
今は年配の看護師に預かってもらっている。
それを尻目に、メメントは通りすがりの医師からタバコを分けてもらう。
しかし、喫煙を看護師に咎められたので、渋々病院の外へ出る。
それを追って出てくるエイン。
2人とも、返り血がこびりついているが気に留めていない様子だ。
「どう容態は?」
「さっきもいったよ、兄さん。私は『生きている人間は専門じゃない』」
メメントは、タバコを口にして火をつける。
勢いよくタバコの先が灰に代わり、口元から紫煙があふれ出た。
「……まぁシロウト目線でいっても回復は難しいだろうね。父親なんてありゃ中毒者の末期だ。以前の生活には戻れないよ」
「……そっか……」
「ったく、軽はずみで人助けなんかしちゃって……私が心配して後を追っかけなきゃ今頃さ……」
「……うん、ごめん……」
「”死済教”の手下も、つい流れでノシちゃったし。自分から面倒事に首ツッコんでるの、わかってる?」
「うん、反省してる」
「言葉が軽すぎ。本当に反省してるの?」
「うん、すっごく」
「嘘つき……許せないから手を貸せっていうんでしょ?」
「うん、頼めるかな」
メメント、大げさに肩を落とす。
「お節介焼きのバカ兄さん。こんな事のために生き返らせたんじゃないですけど?」
「うん、本当にごめん」
と、妹の腰に手を置いた。
ここまで読了、ありがとうございました。
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個人的に投稿していく中で気を付ける点として、以下の通りです。
・文字のボリューム(1000~1500文字程度)
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・擬音語や擬態語、抽象的な表現はできるだけ出さない
・ダラダラした、尺を長くする描写を控える
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