11/事の顛末
どうもはじめまして、かいみん珈琲です。
こちらのサイトに投稿は初めてですが、よろしくお願いします。
作品の紹介として、
作風として『ゾンビらしくないゾンビ』×『死生観』というテーマです。
あくまでもゾンビ風にしているので、スプラッタなシーンは少ないです(笑)
表現もソフトにしています。
温かく完結まで見守っていただけたら幸いです。
●ヒルデ墓所
後日。
コレットは2人の自宅で寝泊まりしていた。
唯一の肉親である父親はまだベッドから離れられない。
だが、意識は取り戻して今では、ヒルデ墓所から病院に通うのが日課になっている。
父親の治療費を稼ぐため、市場で職を探した。
エインも手伝ったおかげか、日払いの配達員の仕事が見つかる。
これで治療費や生活の足しにはなるだろう。
初めての給料を握りしめて、エインに食費を払うと申告した。
だが、受け取る気配がなかった。
死体の彼にとって、食事は皆無。
食事は妹のメメントの分しか作っていなかったのだ。
食い扶持が1人増えても変わらないとの事。
一緒に住んで困っている事は、メメントとの距離感だろうか。
ソファで寝ているメメントを起こすと、寝相悪く蹴り飛ばされ。
水浴び後には、平気で裸体のまま部屋を歩きまわる。
当然、注意しても聞く気がない。
しかし、そんなメメントも日が落ちて地下室にこもると表情が変わる。
彼女いわく『自分は死霊術師』だそうだ。
先祖代々その血筋らしく、地下室には古い本がたくさん並んでいた。
ふと、メメントに質問した事がある。
『なんでお兄さんのエインは死んじゃったのか?』と。
しかし、メメントは答えなかった。
まるで質問を聞いていないかのように。
――逆に、エインに同じ質問をしてみた。
裏庭の菜園で土を触っていた手を止めて、丁寧に答えた。
『一族が魔女狩りで焼き討ちにあったんだ。でも運よく妹だけ生き残った。ボクも死んでいたけど、彼女は死霊術でなんとか魂を戻してくれたんだ』
『お父さんとお母さんは?』
『たぶん焼け死んだんじゃないかな、ボクは覚えていないけど……』
『死んじゃった身体でずっと辛くない?』
『全然。生きていた頃と勝手は違うけど、こうしてのんびり野菜も作れるし、妹の世話もできるし。今は満足かな』
『満足、なんだ』
『うん。メメントには感謝しているよ。死ぬ前は喧嘩ばかりしていたけど、必死に生き返らせてくれた。死んでも……あ、死んでても守りたい大事な妹だよ』
『そう、なんだ』
『それに、たぶん辛いのはメメントの方じゃないかな』
『……なんで?』
『生き延びてボクを生き返らせる間、数年はずっと孤独だったんだよ、たぶん。それまでずっと独りで生きてきたんだ』
『……自分で、ちゃんと考えて……』
『そうそう、よくいうよね。何も考えず、流されるだけだと後悔ばかりしちゃうぞって――きっと生きる事に後悔してほしくないんじゃないかな』
ここまで読了、ありがとうございました。
文字ボリュームはどうでしたか?
個人的に投稿していく中で気を付ける点として、以下の通りです。
・文字のボリューム(1000~1500文字程度)
・矛盾点があれば、その都度リライト(修正)
・擬音語や擬態語、抽象的な表現はできるだけ出さない
・ダラダラした、尺を長くする描写を控える
もし何かありましたら、コメントしていただけると参考になります。




